国会通信 No.161

 【国連大使の常任理事国入り希望声明について】

1994/6/13 (マンデーレポート第161回の要旨)


【先週の出来事】 07日 新党さきがけ「核使用の適法性についての緊急声明」 08日 平成6年度予算衆議院通過 09日 区割案の作成基準、本会議で報告。 【国連大使の常任理事国入り希望声明について】 1 常任理事国になることの問題点 (1) 常任理事国に期待される役割  @ 世界の戦争の危機を回避する役割  A 世界の平和戦略について発言し得る能力  B 国連の現状でなし得ない事、PKO、「国連軍」のいずれにも該    当しない活動を場合によっては、なし得なければならない事。 (2) 常任理事国の責務  @ 常任理事国には、軍事参謀委員会のメンバーになることが予定さ    れ、当然何らかの軍事的な責務を負わされるはず。この点が、政府    からは明らかにされていない。根拠なく大丈夫と強弁するのみである。  A 日本だけ独自の活動ができるか。その際に国際的避難が浴びせられないか。    についても心配である。  B すでにアメリカの上院では、軍事力を持たない国が常任理事国に    なる事に対する懸念を表明した決議がなされている。 (3) 日本の準備は、まだ整ってはいない。   常任理事国は、世界の平和を守るために、主体的に判断し、独自に   行動し得る能力を持たねばならない。しかし、日本の現状はどうか。  @ 「眼・耳・鼻」 情報の収集、分析のための機構整備は不十分で     ある。湾岸戦争の時の情報過疎の経験は、記憶に新しい。あの時か     らまだそれほどの進歩があるわけではない。  A 「頭脳」 独自に判断し、決断できるシステムが日本にできてい  るか。  B 「手足」 憲法上、「国際紛争を解決するための武力の行使は許     されてはいない」。また、憲法の平和主義から、ぎりぎり認められ     るPKOの活動も始まったばかり。安全保障常任理事国として独自     の行動するための手足としては全く不備である。  C 「口」 日本の立場を世界に納得させられるだけの政治力がある     か。  (4) 日本国民の意思は問われたか。   以上、常任理事国になるためには、多くの問題点があるにもかかわ   らず、国会での議論、国民へのきちんとした問いかけは行われていな い。   常任理事国になれば、かならず日本の進路に大きな変更が起こる。   国民の選択が不可欠である。 2 外務省の独走傾向に懸念。「官権政治」の典型例。 (1) 外務省の誘導的姿勢、独走的姿勢、既成事実を作ろうとする姿勢には、   眼に余るものがある。  @ 昨年解散後の国連での発言。  A 世論調査の実施。設問の作り方が誘導的。公平ではない。  B 「核行使が適法であるとの」陳述書。考えようでは、先輩P5の    諸国へのあゆついしょうではないか。  C 前国連大使の都内での活発な講演。 (2) 小和田国連大使の独走は問題である。内閣の意思といっても、   国会で異論がある。