国会通信 No.225 

【宗教法人法改正問題】

1995/11/06(マンデーレポート第225回の要旨です)


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【先週の主な活動記録、参加した主な会議】
●31日 さきがけ 税制調査会で土地税制について議論
●31日 衆議院本会議 宗教法人法改正案について趣旨説明質疑。
●1日 核問題特別調査会 第4回ヒアリング
  講師 原子力資料情報室長 高木仁三郎氏。
●2日 土地税制緩和と景気を考える会
  講師 成蹊大学教授 田中一行氏
●5日 一橋大学 一橋祭 パネルディスカッションに参加

【宗教法人法改正問題について】
■ 改正案の概要
1) 所轄庁の移管  
  二つ以上の都道府県で活動する宗教法人の所轄を都道府県知事から
  文部大臣に移管する。

2) 収支計算書等の所轄庁への提出
  宗教法人として法人格を取得するためには所轄庁の認証が必要。しかし、
  一旦認証された後は、事実上活動状況を把握する手段がなかった。
  改正案では「毎会計年度終了後四カ月以内に」以下の書類を提出する
  ことになる。

  「役員名簿、財産目録、貸借対照表、境内建物関係書類、
   公益事業・収益事業に関する書類」 

3) 信者及び利害関係人の上記書類についての閲覧請求権
  請求が不当な目的であることが明らかな場合は請求を拒める。

4) 所轄庁の報告徴収及び質問
  収益事業の収入を宗教法人のために使用していなかったり、
  認証時に宗教団体としての要件を欠いていたり、  
  解散請求事由がある場合の三つのケースに限り、宗教法人
  審議会の意見を聞いた上で、報告徴収や質問することが出来るとした。

■ 改正案については賛成である。
理由 
1) 宗教は、人間の本源的な要請から誕生し、人間に限りない生きる力を
 与えるものである。しかし、宗教が人間の弱さにつけ込み非科学的神秘
 主義に堕落すれば時には社会に対しすさまじい害悪をもたらす。
 今回のオウム真理教の転落に見る通りである。
 それゆえ、他府県にまたがって活動する宗教法人が常軌を逸して暴走を
 始めた時のチエックのために、所轄庁を文部大臣とすることは合理的理
 由がある。

2) 宗教法人は、以下のような広範な税制上の特典を与えられている以上
 他の公益法人に要求されている程度の書類提出を要求したとしても、信
 教の自由を侵害することにはならない。公益事業のみならず収益事業が
 認められている以上、経済的実態として情報開示をし、国民の理解を得
 るべきであることは他の公益法人となんら差がないはずである。

 原則的に設立時に報告するだけでよかった現行法はあまりにもルーズで
 ある。(公益法人は、毎会計年度終了後上記と同様の書類提出、及び事
 業年度開始前に事業計画書、収支予算書の提出、さらに財団法人にあっ
 ては理事会等の議事録社団法人にあっては総会議事録お提出を義務づけ
 ている)

3) 信者や閲覧について正当な利益があると認められる利害関係人の閲覧
 請求権も2)と同様の理由で肯定できる。

4) 解散請求の規定はあるが、請求を裏付ける証拠を収集する手段を欠い
 た現行法は、どうしても後手後手になってしまう。宗教法人の運営に疑
 義がある場合に実状を把握する手段としての報告徴収や質問は認めてよ
 い。また、これらは前記三事案に限って宗教法人審議会の意見を聞いた
 上で制限的に認められているのだから、信教の自由を侵害することには
 ならない。

■ 宗教法人の税制上の特典

● 宗教法人は、公益法人として税制上の特典を与えられている。
 また、宗教法人法6条では、本来の宗教活動以外の公益活動を行うこと
 が出来るとされており、さらに同条2項により、宗教法人の目的に反し
 ない限りで収益事業を行うことができ、その収益を宗教活動に充当する
 事が認められている。

● 収益活動から得られた所得は、当該宗教法人か、包括宗教法団体、当
 該法人が援助する宗教法人、公益事業以外には使用してはならない。  

● 公益事業について(公益会計)

1) 収益事業による所得以外の所得については非課税。
 (EX 公益会計の属する不動産や株式を売却しても原則的に譲渡益には
   課税されない)

2) 宗教本来の用に供する不動産(教会、道場、研修棟 ex)の固定資産税、
 都市計画税、不動産取得税、登録免許税は非課税。

3) 地価税も課税されない。

4) 公益事業会計の利子所得や配当所得は非課税。 

● 収益事業について
(33種の収益事業が認められている。
 EX 物品販売、不動産貸付、金銭貸付、物品貸付、製造業、通信業、、、
   出版業、、、旅館業、、、理容業、、、興行業、、、技芸教授業、、)

1) 27%の軽減税率(株式会社等の普通法人は37.5%) 

2) 収益事業による所得を本来の宗教活動等の公益事業に支出した場合は
  27%の損金控除が認められる。
  (学校法人・福祉法人はさらに手厚く50%の損金控除)

※ 1)、2)をあわせると、「収益事業」で得た所得を本来の宗教活動に使えば
  結果的には以下の計算の通り実質的には19%の税率となる。
  (100%ー27%)× 27% = 19.71%