国会通信 No.237
【公選特・特別委員長就任ほか】
1996/1/29 (マンデーレポート第237回の要旨)
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【先週の出来事】
22日 第136通常国会 開会。
衆議院本会議
・ 公選特・特別委員長に選任。
・ 橋本総理施政演説ほか政府三演説。
24・25日 衆議院代表質問
・ 小沢新進党党首 初質問
27日 「朝まで生テレビ出演」
・ 住専問題で討論。
27日 さきがけとちぎ常任幹事会
やなせ進後援会拡大役員会 開催
・ 渡辺知事推薦決議
【公選特・委員長としての抱負】
1 衆議院の各委員会の概要
・衆議院には、20の常任委員会が常設。
例 予算、大蔵、法務、自治、外務等各省に対応。
・そのほかに各会期毎に、特別の案件毎に特別委員会が本会議
の決議によって設置される。
・今回は、規制緩和、消費者問題、災害対策等の特別委員会が
前国会に引き続き設置、
「公職選挙法改正に関する調査特別委員会」(略して公選特)
も同様に設置され、直ちに開催された委員会の冒頭、
私が委員長に選任された。
・2期生が「委員長」に選任されることは異例。重い責任を感じている。
2 公選特委員長としての抱負
・ 公選特は会期毎に設置される特別委員会ではあるが
“常設”に近い。
・ 主に公職選挙法関係や政治資金関係等の「政治改革」がらみの
テーマを議論し、審議決定する委員会である。
・ 現在継続する個別の案件はない。但し以下の早急に結論を
出さねばならない案件があると考えている。
(1) 在外邦人の選挙権行使の問題
・ 現在海外には69万人の日本人がいるが、投票権はあるが
選挙の際に、現実の投票の機会が保障されていない。結果として
事実上投票権が奪われている事態。民主主義の見地から大変問題。
・ この問題については与党三党は促進の方向で一致している。
・ 問題は、自治省と外務省の見解の差。
・ 政治的なリーダーシップを強く発揮するべき時が来たと思う。
(2) 在日外国人の地方参政権問題
・ 在日外国人についても定住等の一定の要件を満たせば、少なくとも
地方参政権を与えるべきではないかとの論議がある。
・ この論議に火をつけたのはさきがけ島根であった。
・ 3000の地方自治体の3分の1以上で、促進決議が可決されている
状況になってきた。
・ 与党三党の足並みはこの問題についてはまだそろっていないが
そろそろ結論を出すべきではないかと考えている。
(3) ネットワークの政治活動・選挙活動利用について
・ 1月から自民党もインターネットにホームページたち上げ。
共産党をのぞく、自社さ新の4党がそろい踏み。
・ 政治家個人のホームページを持つ人もかなり増えてきた。
・ 公選法上、「選挙活動」について「文書図画」の頒布は禁止されているが
ネットワークの利用については明確な規定が存在しない。
・そのため、必要以上の自己規制をしたり、法の趣旨を誤解したりすることが
おおい。
・そもそも「図画」を「トカク」と呼ぶなど、コンピューター未発達の時代の
規制は、現況に適応しなくなっている。
・総選挙が近いと言われてきた。この問題についてしっかりとした方向性を
うちだしておく、緊急の必要性がある。
(4) 以上3点の論議はそれなりに成熟した論点であるが、
もっと大きな問題としては「政治活動・選挙活動」に対する現行法上の
規制の根本的見直しが必要であると考える。
1)日本の公選法は、民主主義国では当然認められている戸別訪問を
選挙活動として行うことを違法とするなど、多くの選挙期間中の活動規制を
置いている。戸別訪問禁止について考えながら、公選法の活動規制について
根本的な見直し論を展開する。
ちなみに私は自民党時代から一貫して戸別訪問全面解禁論者である。
2) 戸別訪問こそ政治活動の原点
・ 自らの支持する候補者の人柄や政策を多くの人にアピールすることこそ
政治の本質である。そして、そのアピールをもっとも丁寧に行おうとすれば
有権者の自宅をこちらから訪問していくことこそ適切な態度であろう。
しかし、わが公選法はそれを違法としている。そのため本来はお金のかからない
純粋な選挙活動の典型であるはずが、罪の意識を植え付けられ、後ろめたいものに
おとしめられてしまっている。
3) 禁止の背後に愚民思想
・ 戸別訪問禁止の立法の趣旨は、訪問した際に、買収行為が行われやすいから
禁止するとのだと説明されるが、これは愚民思想以外の何者でもない。
むしろ金品をちらつかせる候補者には嫌悪感を感じるのが有権者一般である。
・ これを解禁すると、有権者のプライヴァシーが侵害されることを危惧する
見解もあるが、「侵害」の結果票が入らなくなって損をするのは候補者自身である。
賢明な候補者は相手の迷惑を思いやりながら訪問のTPOを決定するから、
余計な心配である。
4) 禁止の本音、現職優位 保持。
・ 小選挙制度は、いきおい現職有利の性格を持つ。
新人が現職に徒手空拳で対抗できる武器は、結局の所戸別訪問しかない。
これを、禁ずることは現職を非常に優位にし政治に緊張感を失わせること
大である。
・どうも現職が、自らの地位を脅かす新人にハンデをつけるための
自己保全の本音がほの見える。そのくせ現職は現職で「ローラー」と
称する大戸別訪問作戦を展開しているくせに。
5) 規制は積極的な政治参加を妨げている。
・ これらの規制は多くは「選挙活動」に対するものであり、
他方「政治活動」は憲法に規定する「政治活動の自由」から規制することは
許されないはずである。しかし、現実には両者の区別が厳密には困難で
あるため、政治活動自体に多くの規制がされているような誤解が広範になっている。
・これらの規制は、選挙の公正や公平が候補者の資力によって害されることが
ないようにするためのもの、と説明されているが、本当にそうであろうか。
むしろ本音は現職を有利にするためのものではなかろうか。
6) 規制は警察の恣意的取り締まりを助長する。
・ また「規制」の解釈は第1次的には1線の警察に委ねられているため、
恣意的な取り締まりや、公平感の欠落、選挙違反はやりどくといった風潮
等の弊害が現れている。
7) 積極的な政治参加のための選挙法の抜本的見直しを
・以上述べた公選法の活動規制は、日本社会にある政治は胡散臭いもの
とする風潮の一因ともなっているのではないか。
(もっとも主因は政治家の側にあるのは当然である。)
・この風潮を打破しなければ健全な市民が政治に積極的に参加する
民主主義の発展に望ましい状況は永久に生まれないであろう。
・ 子どもたちが積極的に政治的なボランティアに参加できるような
社会になれるよう、選挙法の活動規制を抜本的に見直す必要がある。