国会通信 No.244
【農協改革】
1996/3/18 (マンデーレポート第244回の要旨)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【先週の出来事】
●11日 新進党、住専問題について対案発表。
(但し、後日小沢党首は「対案」として国会に提出することを
否定。政策担当者との間にズレ。)
●13日 農水委員会で質問。
●15日 公選特 開催 一般質疑
●16日 NPO法案シンポジウム参加(明治学院大学)
【住専と農協改革】
● 13日 新進党欠席のまま、各委員会開催。
私は、農水委員も兼務しており30分間の質問。
(自1、社2、さ1、共1の4名。)
● 質問内容は以下の通り。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
1 住専問題についての新進党対案への疑問
■ 対案を出す以上、一刻も早くピケを解いて、与党案と対比しながらの
国会論議を尽くすべきである。
■ 会社更正手続きの問題点 再建型の会社更生法を、
死に体の住専に適用することは不適当である。
■ 結果として、破産手続きに移行し、最終的には
債権者平等で配当される結果になることは明らか。
これによって最も利益を得るのは誰か。
それは母体行である。政府案では100%債権放棄をすることを
認めた母体行が、法的処理の原則である「平等」の結果、
50%以下の負担で済むことになるからである。
■ 期間はどれくらいかかるか。
巨大破産:破産債権者数 300行。債務者(住専貸付先) 20万件超。
負債総額 13兆円。( →過去最高の破産事例の30倍。)
→債務者の財産確定に相当の時間がかかる。
→担保不動産の換金手続きに時間がかかる。
→債権者間の求償問題の確定
新進党案は5年でできるとしている。全ての裁判所、1万5千人の全弁護士を
仮に専任で総動員しても5年で済むわけがない。
■ このような長期の処理の間、すべての支払いは停止される。
手続き終了までの長期の凍結は、日本経済にとって大変なマイナスである。
予算成立と同時に動き始める、政府案のほうが優れている。
2 農協改革について
1) いわゆる追加措置の実現可能性
7年間で6000億円から8000億円のリストラを決めた追加措置は
農協系の人員削減を求めざるを得ない。
現在農協系全職員は約38万人。
(トヨタの5倍強、NTTの2倍。)
農家戸数が343万であるから農家9戸に農協職員一人。
上記リストラは職員10万人の削減を意味すると指摘されているが、
合併や統廃合そして人件費・物件費の両面にわたる合理化は不可欠である。
2) 住専問題の背後にあるのは構造的な農業問題。
■ 農協系統の事業は3分類。
●経済事業(農産物の販売等の業務)●共済事業●金融事業の
3つに分けられる。
■80年代後半から、経済事業が赤字転落。穴埋めを担わされたのが
共済と金融。住専に過度に傾斜していったのはこのためである。
住専は、日本の農業をどう位置づけるかの根本的な問題と絡んでいる。
経済全体の中での農業の意義について国民の合意をとりつける必要がある。
3) 農協の全事業を3層構造から、2層構造にすべきである。
例えば系統金融は、単位農協→県信連→農林中金という
3段階構造をなしている。
「農協の資金は信連に集め、信連が運用し、
信連は農協に通常金利に上乗せした奨励金を払う」
この仕組みが、信連に有利な運用先と信じて住専に過度に
傾斜していく背景を作った。
これを改めるべきである。
● 単位農協の合併による体質強化と、同時に
経済、共済、信用の3系統に各存在する
3段階構造を2段階に改めるべきである。
4) 各事業の分離・独立
経済事業、共済事業、金融事業を個別チエックし、
なんでもかんでも農協がやるといった姿勢は根本から改めるべきである。
不採算部門は、分離・独立させ自助努力の後、それでも赤字が続くようなら
撤退すればよい。