国会通信 No.248
【日銀の問題】
1996/4/15(マンデーレポート第248回の要旨)
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【先週の出来事】
●9日 大蔵省改革検討スタート
講師:南原 晃氏(輸銀副総裁・元日銀理事)
●10日 宇都宮外環状線 全線開通式
●10日 さきがけとちぎ公開シンポジウム
「NPO法案の行方」
自民党:熊代昭彦、社民党:五島正規、モデレーター:簗瀬
●11日 予算案、衆院通過。
【日銀の問題点】
1 日銀強化の必要性
● 大蔵省改革の一つのポイントとして日銀のあり方を検討している。
● 本来「財政」を司るべき大蔵省が、銀行局や証券局を通して「金融」にも
大変強い力を持っているのが現状。実は、日銀もこの流れにのみこまれている。
日銀は、大蔵省に対し金融の専門機関としての独立性を発揮すべきである。
2 日銀法は、実は国家総動員令の中心。
● 同法が施行されたのは、昭和17年3月20日。
「日銀ハ国家経済総力ノ適切ナル発揮」を図るためのものであり(1条)、
「専ラ国家目的ノ達成ヲ使命」として運営されるべきもの(2条)と、
現在も規定されており、戦時下の国家総動員体制=究極の護送船団=の根幹を
なすものであった。
● そのため「日銀ハ主務大臣=大蔵大臣=之ヲ監督」する(42条)とされ、
法令違反等があれば、「総裁、副総裁」は「内閣」が、
「理事、監事」等は「主務大臣」が解任できるとされている(47条)。
3 進駐軍によって導入された「政策委員会」(第1章ノ二)
● 占領下の大改正によって、日銀は「中央銀行」の性格を与えられ、
その業務は「政策委員会」によって行われることとなった(13条の2)。
● 「政策委員会」のメンバーは、
日銀総裁、大蔵省代表者1、経企庁代表者1、都銀代表者1、地銀代表者1、
通産関係者1、農水関係者1の7名からなる。
経企庁も事務次官は大蔵出向者が多く大蔵の息がかかっている。
都銀、地銀も大蔵の有力天下り先。
とすると政策委員会は結果的にはかなり大蔵色が強くなって当たり前である。
4 護送船団方式は弊害を生み、時代錯誤に。
● 戦後の荒廃を立ち直らせたのは「親方日の丸」の護送船団方式だった。
体力の弱いものに焦点をあて、業界を横並びで規制していくやり方は
貧弱な資源と低いGNP、少ない外貨準備のなかで、国家経済を効率よく
展開するためには有効であった。この「護送船団方式」のバックグラウンドが
「財政」「金融」の大蔵省による集中管理であった。
● しかし、護送船団方式は、過度の「業者行政」を生み、
一面では金融機関の自主的発展を阻害し、自己責任原則の確立を遅らせ、
他面では天下りによる「大蔵省」と「金融業界」の過度の癒着を生んでいる。
● 金融の自由化という避けられない国際化の流れに適応するため、護送船団方式を
できるだけ早く改めるべきであったのに、それを怠った結果が今回の住専問題である。
住専の問題の背景には以上の護送船団方式の破綻がある。
5 情報化、国際化の中での金融専門家の必要性
● 新しいタイプの取引が急激に拡大。それに対応できる専門家が少なすぎる。
内部で人事異動する大蔵省では、専門化の趨勢にとても対応できない。
● 兵庫銀行の問題が深刻化した92年以降も銀行局の担当課、中小金融課の
課長は毎年交代したそうな。こんな大蔵省の頻繁な人事異動も問題。
6 財政と金融は二律背反
● 「財政」の理念は「健全性」、一方「金融」は生きた経済を扱う、
堅いばかりではだめ。迅速、果断そして積極的なな決定が必要となる
場合も多い。従って「財政」と「金融」は、二律背反となりうる。
● そこで、大蔵省改革の大きなポイントは……「財政」と「金融」の分離である。
そのためには、金融の専門機関としての日銀の、大蔵省からの独立、強化のが
是非とも必要である。上記の日銀法の各項目は当然改正を検討すべきである。