国会通信 No.251
【国会移転】
1996/5/7 (マンデーレポート第251回の要旨)
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【先週の出来事】
連休中は、屋根付きバイクでひたすら地元回り。
雨に泣かされ、ガス検針やピザ配達と見間違われ、
それでも暖かく迎えてくれる笑顔の有り難さ、、、。
【国会移転】
●4月26日の与党、首都移転プロジェクトチームで、
「国会等の移転に関する法律」の改正案がまとまった。
●平成4年に成立した同法は、「移転調査会」の設置が主な
内容でしかなかった。今回の改正は、それをさらに前進させ
具体化した。
〈平 4〉「検討指針」・「移転調査会」のみ。
↓ ↓
〈改正案〉「基本指針」・「移転審議会」
+「移転先の決定」+「土地投機対策」。
●法案の主な内容
1〔国会等移転の意義〕…
一極集中を排除し、多極分散型国土の形成に資する
とともに、地震等の大規模災害に対する脆弱性を克服するため、世界都市としての
東京都の整備に配慮しつつ、国会等の東京圏外への移転を推進することは、
わが国が新しい社会を建設するため極めて緊要なことである。 (前文)
2〔国の責務〕…移転の対象は、「国会ならびに行政・司法の中枢的機能」であり、
国はこれら(以下「国会等」)を東京圏外に移転を推進する責務を有する。(1条)
3〔基本指針〕…
☆国民の合意形成を図ること(3条)
☆地方への権限委譲、国による規制の合理化、行政の制度及び運営の
改善と関連付ける(4条)
☆東京都の整備との調和、機能面での連携の確保(6条)
☆移転先の条件は「災害に対する安全性」「地形の良好性」「水の安定的供給」
「交通の利便性」「土地取得の容易性」(7条)
☆移転計画は、社会経済情勢に弾力的に対応できるよう段階的なものとする(9条)
等
4〔移転審議会〕…
☆総理府に国会等移転審議会を置く(12条)
☆[総理大臣]→(諮問)→[審議会]→(候補地の選定・答申)→[総理大臣]
→(報告)→[国会]
→(通知)→[関係地方公共団体](13条)
☆審議会の委員は20人で組織。
委員は、両議員の同意を得て、総理大臣が任命。
委員の任期は2年。(15条)
☆委員の互選で会長を置く。(16条)
☆審議会は、現地調査を行うことができる。
審議会は、公聴会を開くことができる。 (19条)
☆事務局長は、国土事務次官をもって充てる。(20条)
5〔移転先の決定〕…
審議会の報告を踏まえ、別に定める法律で移転転先を決定する。
(22条)
6〔土地投機対策〕…
☆現地調査区域又は候補地区域のうち、
地価が急激に上昇またはそのおそれがあり、
適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれが認められる
区域を、監視区域として指定する。 (23条)
☆現地調査区域又は候補地区域の土地について、
(規制区域に指定されることもあり、売買不許可の場合の)権利の買い取りに
係わる経費について必要な財政上の措置を講ずるよう努めなければならない。
(24条)
● 問題点
1 国会移転の意義はなにか
日本の社会構造変革、政治・経済・社会の全般にわたる新たなシステム改革
が国会移転の最大の意義。
私は、明治維新に始まり平成のバブル崩壊で終わるまでの期間を、
ひとくくりの時代として認識すべきであると考える。
太平洋戦争の敗北という若干の落ち込みがあるが、
この時代は、いわば鎖国300年の「閉鎖空間」に蓄積された富や知識が
一定の力を持って常に海外に放出されていったと言う一つの共通項を持っている。
東京は、いわばこの海外大進出時代の先頭に立った都市である。
大進出は、常に弱者の自己防衛本能から来る「護送船団」の形をとって
行われたが、まさにこの護送船団の旗艦が東京という都市であった。
これが、東京の一極集中の歴史的背景である。
しかし、日本経済の肥大化と経済の国際化のなかで、
もはや閉鎖空間に安住することは許されなくなっている。
大進出の時代を支えた日本のシステムは大転換していかねばならない。
国会移転は、霞ヶ関の官僚たちと巨大企業が主導してきた
護送船団システムの変革を促す象徴的な歴史的事業と考える。
2 土地投機対策は充分か?
今回の法案は、現地調査区域や候補地の区域が決定した後に、監視区域の
設定がされるように規定している(23条)。
しかし、それでは遅いのではないか。
確かに、その前であっても、国土法27条の2で知事が監視区域の指定が
できる。しかし、勇躍指定に踏み切った後で、現地調査対象からはずれたり
すると物笑いの種、それを恐れて知事はなかなか監視区域指定に踏み切れ
ないのではないか。
現地調査区域を決定する前であっても、電撃的に監視区域の設定が
できるような制度に手直しすべきである。