国会通信 No.262


 【電脳政治学3】

1996/7/22 (マンデーレポート第262回の要旨)



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【先週の出来事】
19日 簗瀬進を囲む議員の会 第2回会合(宇都宮)
〃   魁援隊の皆さんと意見交換(お茶の水)

【電脳政治学3】
先日慶応大学で行った講義(「ネットワークと政治の変革」)
の内容をシリーズで紹介しています。今日は、第3回目です。
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第4 政党論
○ ネットワーク社会の進展によって、政治と有権者の関係は
より直接的になる。

○ このことを具体的に言うと、
1) より率直で、迅速な情報提供をする政党や政治家は信頼し、
  情報提供の努力が足りない政党や政治家は、不信の目で見るようになる。
  すなわち政治の信頼の基準を、今まで以上に情報公開の程度差に置く
  ようになることを意味している。
2) また、有権者からの提案や質問の機会を飛躍的に拡大することになる。
  その結果、有権者の政治に対する問いかけに、迅速・的確に対応できない
  政党や政治家は、段々支持されなくなっていくことは明らかである。

○ 政党は、以上の傾向に対応するため、
  有権者にたいする直接的な情報提供と、さらに有権者の発問に対する迅速な
応答に、最大限の努力をしなければならなくなる。政党及び政治家は、ネットワーク
の進化の状況に対応して、最先端の情報主体にならねばならない。

○ さらに、ネットワークの進展は、政党や政治家の存在意義自体に変革を迫るであろう
。
  すなわち、有権者の意思の直接的な表明が可能になれば、政治への媒介者としての
  政党や、さらには政治家の存在は不必要性とされる可能性があるからである。

○ また、現在の複雑な社会関係は、有権者の意思を多様化している。
  かつては資本家や労働者といったパターン化した一定の社会的立場が存在した。
  そして、多くの有権者は、その立場に立脚し、一定の価値観から発生する、
  特定の包括的な政策体系を選択することに不自然を感じなかった。しかし、
  現在はそんな単純な社会ではなくなっている。

○ そして、以上の状況に、個人の固有の意思を率直に表明することができる
ネットワークの威力が加味されると、もはや、党議拘束をかけて縛るほどの
共通項をみいだすこと自体困難になってしまう。
むしろ案件毎に果てしなく離合集散を繰り返す存在になっていくのではないか。
 
○ 我が国の憲法は、統治の構造として議院内閣制を採用している。
すなわち衆議院の第1党になった政党が内閣を構成する。すなわち政党の存在は
憲政の前提である。しかし、ネットワークの進展は、上記の通り、この憲法の建前に
対して大きな変革を迫っている。

○ 直接民主制の導入は、政策面(=国民投票制度等)と、組織面(=首相公選制度
等)の両面から検討されるべきである。

○ 一方従来の政党は、政策、権力組織の両面から国民の意思を媒介する機能を
果たしていた。しかし、その両面に国民の意思の直接的な反映を認めるとすると、
当然従来政党が果たしてきた役割は徐々に低下する。
すなわち、政党は、ネットワークの進展により、その存在意義を徐々に低くし、
政党よりも議員個人が重視されるようになる。また、政党も固定的なものではなく
案件毎に組み替え自由の柔らかな小集団に変わっていくだろう。
 
○ ただし、以下の通り、まだまだネットワークの弱点があり、これを克服することが
緊急の課題である。

第6 ネットワークのウィークポイント

1)  コミュニケーション手段としての不十分性
→まだ、文字表現が主流。文章能力による格差や誤解。
  「バトル」(=ネットワーク上の非難中傷合戦)に象徴される未成熟性。

2)  情報弱者の存在
→パソコンもまだまだ高価な機械。通信費用も高い。
  貧困な人々への普及をどう考えるのか。
→技術  ☆ディスアビリティーの人々への対策。

3) 国際障壁 
      ☆通信料金の国際価格差の解消
   ☆政治体制の差から来るネットワーク規制の撤廃
    ☆使用言語による障壁からの解放(自動翻訳や同時通訳システム)
    ☆電圧、プラグ、モジュラー等の通信基盤についての国際的な共通インフラ整備
       
  (電脳政治学は、次回に続く)