国会通信 No.292
【常時駐留なき安保の可能性】
1997/3/31 (マンデーレポート第292回の要旨)
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【常時駐留なき安保の可能性】
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■ 3/25(火)PM7 プロジェクト2010 開催。(アーク森ビル)
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● 「ネットワーク組織論」分科会第二回 講師 松岡正剛氏
所長として編集工学研究所を主催する松岡さんは「歩くエンサイクロペディア」と
いった感じ。「複雑系 complex system 術語集」といったテーマで、
複雑系についての基本的な整理をした後、両代表を交えて議論をしました。
予測不可能な時代に、創造的に対処していくために出現したのが複雑系の研究
であることが多少理解できました。
詳細については後日報告します。
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■ 3/27(木)am10 民主党の幹事会に出席。(衆院第2控え室)
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● 民主党の支持拡大のために以下の提言をしました。
1 運動の核になれるようなヘッド・クォーターの整備を早急に。
戦略目標の明確化。
議員の発想のみでは限界があるので、非議員の豊富な発想力を持った人材の採用。
市民に対する多様にして斬新なアピール方法の検討。
2 民主党の政策目標に明瞭なプライオリティーを。
例えば「行革」と言うならさらに具体的なターゲットを明示した
「大蔵省解体」と言うべきである。
3 市民に対するデジタル戦略の徹底を。
組織化されていない市民や、さらに組織化を嫌う市民が増えている。
これら脱組織人とも言うべきリバタリアンこそ時代の潮流である。
これらリバタリアンにどうアピールするかが、これからの政治の重要な課題。
従来のオールドメディアをつかったアナログ手法に並行して、新しい高度
情報手段を駆使したデジタル戦略をさらに重視すべきである。
その観点から、民主党はインターネット戦略を、もっと徹底的に行ったほうがよい。
すなわち、市民との双方向の対話が即時的にできるような体制を 早急に整備すべ
きである。
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【常時駐留なき安保の可能性】
● 先週ゴア副大統領が来日、橋本総理と会談しましたが、
席上沖縄の米軍の縮小については明瞭に否定しました。
これに対して総理も明瞭な反論やら意見を述べなかったようです。
総理の考え方は私としては大いに不満です。
● 基地使用期限の5月14日が目前に迫ってきています。
昨日のテレビ(「2001年」)で梶山官房長官は、基地問題と
米軍縮小問題は別問題としていますが、沖縄の住民にとって両者は
密接に結びついた問題です。将来の基地が、現状維持なのか、あるいは
明瞭な縮小のビジョンがあるのかは、住民の心理として重要です。
総理は、米軍基地の縮小について副大統領に鋭く迫ってほしかったと思います。
● 民主党は、日米安全保障条約の将来について
「常時駐留なき安保」の実現を図るべきであるとのビジョンを持っています。
アジアの安定のためには米軍の存在は依然として重要であり、
また非核の決意を明らかにしているわが国の防衛としては、日米安保の基本的な
維持は重要であると思います。
しかし、冷戦の終結後のアジアの情況変化を考えれば、米軍が日本に常時駐留して
いる等の重いプレゼンスの必要性は急速に低下しています。
特に沖縄の海兵隊を始めとした、たらい回しと言われない、駐留米軍の総量の削減
を明確化すべきである。わが国は「常時駐留なき安保」の構築をめざして
具体的な歩みを早めなければならない、これが私の考え方です。
● 先々週の「2010プロジェクト」でアエラの田岡俊次さんの話を聞きました。
以下、田岡レポートを簡単にお伝えしますが、彼のレポートは私たちの「常時駐留
なき安保」政策の実現可能性を、軍事情報の面から強く根拠づけてくれました。
● 田岡レポートの要旨
1 世界の戦略環境は劇的に変化している。
ドイツ統一。ソ連の崩壊。米露の実質的同盟化。ロシア・中国の韓国承認。
中国の経済体制の急激な変化(改革開放)。
2 極東の軍事情況も、その内実は急速に変化している。
極東ロシア軍の急激な弱体化。北朝鮮の孤立衰弱。中国軍事力の減少・旧式化。
韓国と台湾の軍事力の急速な近代化。
3 ロシアの軍事力
■ 極東のロシア軍(防衛白書 89年版と96年版の比較)
陸軍主力 39万人 → 19万人 ▲51%
主要水上艦 100隻 → 55隻 ▲45%
潜水艦 140隻 → 60隻 ▲57%
作戦機 2430機 → 900機 ▲63%
■ 以上の戦力も外形的には存在しているものの、財政的破綻のなかで実働できるもの
は激減している。
例えば、軍事予算の総額は、ソ連崩壊の翌年から見ると200倍(80兆ルーブル)
になっているが、しかし物価高は1800倍、結果的に9分の1になっている。
また、94年度では軍事予算のうち現実に執行されたものは68%。例えば軍全体
で5.4兆ルーブルの食糧費が計上されているのに、1.7兆ルーブルしか支給されなか
った。士官候補学校での栄養失調事件や、空母ミンスクで暖房切れとなりたき火を
して艦全体に延焼し廃艦に(93年)、といった信じられないことが現実に起きて
いる。
■ 空軍は極東地域(カムチャッカからバイカル湖まで)に
戦闘機、攻撃機各約300機が残存している。これは日本の2倍だが、オイル不足
のため訓練は充分ではない。パイロットの年間訓練時間は20時間から30時間。
これでは離着陸の技量も保てない。米空軍は年間240時間、日本は150時間。
4 中国の軍事力
■ 公表国防費とインフレ率を総合すると中国の軍拡説は誤り。
数的には減少中、かつ旧式化が進行している。
'85から'95の10年間で、国防費3.49倍だが、物価3.03倍、
軍事予算の推移のみで軍拡ひた走りと判断できない。
93 94 95 96
国防費伸び率 14.9% 22.4% 21.2% 11.3%
消費者物価数 14.7% 24.1% 17.1% 7.0%
■ 軍近代化のための原資の武器輸出が急落。(36億ドル/88年 → 6億ドル/95年)
財政赤字拡大。96年は当初から28%の赤字予算。
■ 空軍の旧式化
4700機の戦闘機のなかで、大半が、'50年代に初飛行した旧型機。
電子装備がしっかりとした近代戦に耐えられる新鋭機は、1%の48機
(スホーイ21)のみ。
ミグ17(初飛行1950) 400機 ミグ19(〃1952) 3300機
ミグ21(〃1958) 500機 Q5(ミグ19改造) 400機
訓練は年間40〜50時間。
■ 海軍
潜水艦:110隻/'80 が 62隻/'96 と減少。ロシアから輸入した原潜2隻が主力。
水上艦:63隻/'90 が 51隻/'96 と減少。
5 台湾の軍事力
■ 世界第3位の外貨準備高を背景に、近代化が着実に進んでいる。
■ 空軍
戦闘機はF5E/F 270機 国産の「経国」 50機 が配備中。
さらに新鋭機340機(F16 150機、ミラージュ2000 60機、経国 130機)
が98年までに配備予定。訓練は年間 160時間。
■ 海軍
オランダ製 潜水艦2隻。今後10隻予算化。
アメリカ新鋭艦(4150トン)7隻。フランス設計の3500トン6隻。
アメリカ製KNOX級9隻、続々就航中。
■ 制海権と制空権を確保。弾道ミサイル対策は困難にしても、中国の上陸作戦は
不可能であるとの見方が軍事専門家の常識である。
6 朝鮮の軍事力
■ 北と南の比較
北朝鮮 韓国 S/N
人口(万人) 2392 4482 1.9
GNP(億ドル) 216 4517 20.9
北の石油輸入量は激減。(350万t/80年代が90万t/95に激減)
著しい食糧不足。
■ 空軍力
北は作戦機は600機と称するが、近代戦を闘える戦闘機は 約100機。
(ミグ29 14機 ミグ23 46機 スホイ25 35機)
石油不足のため訓練飛行は年間4時間程度。訓練の態をなしていない。
韓国空軍は近代戦に耐えうる戦闘機390機
F16 60機、(さらに100機発注スミ)、 F4 130機、 F5E/F 200機、
さらに在日米軍(F15×54、F16×36)、在日米海兵隊(FA18×40 )
空母1隻搭載(F14×14 FA18×36)の計660機。
航空機の質、搭乗員の練度、電子情報の能力、搭載兵器の質を総合すると
双方の差は数百倍。圧倒的な韓国の航空優勢である。
■ 戦車
北の主力は1950年代のT54、T54が主力。自称保有台数3400両と
数は多いがその装備は圧倒的に旧式化している。
韓国は近代化された2050両と在韓米軍の140両や攻撃へり韓国130機米国
120機を含めて、総合力は圧倒的に上。38度線を越えるのは困難。
■ ミサイルと核
スカッドミサイル計54基やロケット砲のソウルに対する攻撃は避けるのは困難。
しかし、核弾頭はない。91年までに核弾頭1、2発分のプルトニウムを抽出した
可能性は否定できない。しかし起爆のためのインプロージョン(爆縮)テストは
やっていない。したがってスカッド搭載可能の小型化の技術は持ち得ていない。
射程1000KMのノドンミサイルは93年5月に射程500KMのテストをしたが、
それ以後1回も実験していない。実戦配備のためには、2カ月おきくらいの
テストが必要なのにもかかわらず。
7 在日米軍
■ 現状
陸軍 ・2000人 CIAの情報部隊が中心。
空軍 ・嘉手納: F15 54機
(一部韓国に常に派遣。嘉手納は韓国防空の後方基地の意味を持つ。)
・三沢 : F16 36機
(レーダー破壊の専門部隊。対北朝鮮)
海軍 ・横須賀:空母1 揚陸戦指揮艦1 巡洋艦2 駆逐艦3 フリゲート艦4
・佐世保:揚陸艦4 掃海艇2 救難艦2
(米国の西太平洋、インド洋、ペルシャ湾の制海権維持のための拠点)
海兵隊 第3海兵遠征隊司令部及び第3海兵師団を中心に21000人。
うち沖縄に18000人。
■ 軍事的に見ても、沖縄の海兵隊は削減の可能である。
1 アメリカの海兵隊は全部で3個師団ある。
そのうちの一つが沖縄の第3海兵師団。
(第1師団はサンディエゴのペンドルトン基地に、
第2師団はノースカロライナのル・ジューン基地に)
2 海兵隊が上陸する際に不可欠の揚陸艦の数が不足しているのが現状。
揚陸艦は、現在全体で41隻うち21隻が太平洋配備。
しかし常時4分の1がドッグに入っており、これによって運べるのは2個旅団分。
(=1個師団に少し足りない)
「1個師団しか運ぶ能力がないのに3個師団を持っているのは無意味」である。
3 佐世保にある揚陸艦は4隻のみ。これによって運べる海兵隊は第31海兵遠征隊の
2000人のみ。またサンディエゴから揚陸艦が出発するとしても、カラ船で出発
することは有り得ない。かならず、キャンプペンドルトンの海兵隊を積んでくるは
ず。 こうしてみると沖縄の海兵隊は、削減の可能性はおおいにある。
4 沖縄の海兵隊については、海兵隊の機関誌「マリン・コープ・ガゼット]にすら
再三撤退論が掲載されている。