国会通信 No.294


 【特措法改正を巡る国家観の違い】

1997/4/14 (マンデーレポート第294回の要旨)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【特措法改正を巡る国家観の違い】 【先週の記録】 ■ 4/9(水)am11 民主党栃木の事務所開きが行われた。(宇都宮市内)  ☆ 宇都宮市内の大通りに面した小さな事務所がオープンした。    二人の代表の一人として、「民主党栃木を地方組織作りのモデルケースに    なるよう がんばりたい」と挨拶。 ■ 4/9(水)pm7 新進党栃木・民改連の皆さんと懇談。(宇都宮市内)  ☆ 参加者は、神田代議士、山岡前衆議院議員、進藤初洋氏、国井参議院議員、    こちらは小林衆議院議員、私、阿部幹事長。今回で2回目。   ■ 4/10(木)am10 民主党の幹事会に出席。(衆院第2控え室)  ☆ 沖縄特措法に関連して、4月8日、自民党からの5項目提言に対する解答が    なされ、それに続いて加藤幹事長・山崎政調会長と、菅代表・仙谷政調会長    との間で5項目の合意事項が報告・了承された。    そして、民主党としては、特措法改正については5年間の時限立法とする    修正提案をし、仮に否決されても、特措法改正については賛成する方針が    了承された。私は、自民党との合意の内容を検討して、民主党の趣旨が    ほぼ満たされていることを確認し、特措法改正に賛成することを了承した。 ■ 4/10(木)pm2 編集工学研究所を訪問。 (代官山)  ☆ 同研究所が開発し現在テストランしている地域情報システムを見学に行ってき    た。 会議室には様々な工夫が加えられ「掛け声ボタン」(「意義なし」    「ナンセンス」「なるほど」等)発言しなくても会議に参加することが    できるなど、電子社会の ネットワークのモデル化が一段と進化している    感じである。 【特措法改正を巡る国家観の違い】 ● 先週、特措法改正案が、自民・新進・民主の圧倒的賛成多数で成立した。   民主党は、沖縄の基地縮小のために困難な努力を続け、一定の成果が上げられた   と考えている。それは、自民・新進との間でなされた3項目の合意   (4/3橋本=小沢合意)と、民主党の間でなされた5項目の合意(4/8加藤=菅合意)   のそれぞれの内容を比較検討すれば一目瞭然である。 ● 双方の差異を整理すると   1 国家間の違い  国の最終責任の強調(橋本=小沢合意)   2 アメリカへの申し入れ  なし(橋小沢合意) あり(加藤=菅合意) 3  県民意思を反映するための三者協の重視 なし(橋小沢合意)     あり(加藤=菅合意)      等と違っている。一言でいえば、小沢=橋本会談は、     安保堅持のための国家責任の強調、沖縄の意思の希薄化、     基地縮小についてアメリカへの寡黙と行った内容を持っている。     民主党との5項目の合意は、橋本小沢の方向性を、180度変更させたもの     である。 ● 民主党との合意に署名したのは「加藤幹事長と山崎政調会長」であり、総裁の   橋本さんの署名はなされていない。沖縄特措法改正を巡って 同じ自民党から、   異なる色合いの二つの合意が誕生した不思議の原因は何であるのか。   一つは「保保連合」云々の政局がらみの背景もあるのは当然である。しかしそれは   単なる政局の話しのみではなく、わが国をどのような国家として構想するのかの   国家観の違いを背景としているような気がする。 ● 国の最終責任を強調する橋本・小沢さんの考え方は、中曽根さんや梶山さんとも   共通する考え方であり、「政治は、政治家による国家経営」とする考え方であり、   優秀な政治家によるリーダーシップを政治の理想的な姿と考えているのではなか   ろうか。市民を為政や統治の対象としてまず見てしまう。   一方で民主党の我々にあるのは、そのような考え方に対する違和感や反発がある   と思います。市民は政治の客体ではなく主体でなければならない。   民主党の「市民が主役」というスローガンは、政治の担い手の市民こそ   リーダーシップの源泉であるとの認識から出発している。   今回の特措法改正の重要な局面で現れた自民党の大きな亀裂は、その背景に   このような国家観の対立を含んでいる。 ● 自民党・民主党の5項目の合意の内容   以下の通りです。 1  沖縄県民の思いを踏まえ、在沖米軍をはじめ在日米軍の兵力構成・     レベルについては、北東アジア地域を含む国際的な安全保障環境の   好転をはかりつつ、日米安全保障協議委員会(SSC)あるいは   日米安全保障高級事務レベル協議(SSC)の場において、日米両政府間で緊密に   協議するよう努めさせる。 2  政府は、日米合同委員会の枠組みを活用し、米軍により環境を含め公共の     安全や国民生活に妥当な考慮が払われるよう然るべく対処していくこととして     いるが、国内法に準じた環境保護の徹底、軍事演習の周辺地域の影響の     最少化について、改善が得られるよう日米両国政府の努力を求める。 3  三者連絡協議会(県、那覇防衛施設局、在沖米軍代表)の活性化を図るため、     沖縄大使を通じ、非公式の打合せを関係者に呼びかけさせ、     日米合同委員会における正式な位置づけの明確化に努めさせる。   4  大胆な独自制度の導入による自由貿易地域制度の拡充及び国際観光の     発展のための環境整備について沖縄政策協議会で積極的に検討させ、     これらの課題について、平成9年中に結論を得させる。 5  「沖縄米軍基地所在地市町村に関する懇談会」(いわゆる島田晴雄懇談会)     でまとめた提言の具体化に努めさせる。