国会通信 No.297
【健保法改正問題】
1997/5/12 (マンデーレポート第297回の要旨)
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【健保法改正問題】
【先週の出来事】
★東北大44J有志の会に出席(7日 市ケ谷)。
★文行会で講演(8日 キャピトル東急)。
★民主党 幹事会に出席(8日 衆議院)。
★東京後援会(祥進会)の幹部会に出席(8日 市ケ谷)。
★ 高橋進 東大教授と打ち合わせ(9日 本郷)。
※ お知らせ ※ プロジェクト2010の「民主主義の未来」部会
いよいよ5月29日からスタートします。第1回は
高橋教授による「21世紀のデモクラシーの課題」についてです。
★ プロ2010「安保」部会に出席(9日 麻布十番事務所)。
この日のテーマは前田哲男氏の「平和基本法制定について」。
★民主党とちぎの第3回幹事会に出席(10日 宇都宮 支部事務所)。
※ 主な決定事項 ※
1 市民シンポジウムの開催。(月1回 県内巡回)
タイムリーな政策課題について参加者と議論するのが目的。
第1回は6月9日午後7時から 宇都宮市内で行う。
テーマは「健保法改正について」。
2 党員拡大キャンペーンの実施。
5月31日から6月中の土日に集中的な街宣活動を実施。
3 ホームページに新たに「自治体議員のコーナー」を設置。
地方行政をテーマに有権者と双方向の議論を実施する。
★西部学童野球リーグの開会式で挨拶(11日 宇都宮国本西小)。
★鬼怒川清掃のボランティア活動に参加(11日 宇都宮 柳田)。
★栃木県オストミー(人口臓器)協会で挨拶(11日 宇都宮 市福祉会館)。
【健保法改正について】
● 8日の衆議院本会議で、医療保険制度改革法案の与党修正案が可決されました。
民主党は、与党3党との協議に参加してきました。
そして、民主党のは5項目の修正提案を申し入れましたが、
与党側が応じなかったために、最終的には与党の修正案に反対しました。
● マスコミは、この民主党の「反対」に対し批判的でした。
しかし、与党との協議に「参加」することは、ただちに修正案に
「賛成」することを意味しません。
参加=賛成と最初から独り決めしているような報道は、事実と相違します。
協議に参加しても、賛成の条件は民主党の修正提案をのむことは、
最初から明示されていました。
幹事会でも、菅代表はこのことを明言していました。
● むしろ、改正をきっかけとして、民主党が取り組もうとした
医療保険制度の抜本的改革の内容こそ問題のはず。
なのに、マスコミはこの点にはあまり触れようとせず、政局にからめた
報道が主流になっています。
本論を政局論にすり替える癖は相変わらずです。残念至極です。
● ただし、民主党側の対応も甘かったことは認めざるを得ないでしょう。
与党との協議に参加することの意義や前提条件をもっともっと強烈に
アピールすべきです。
建設的野党という、野党ながら現実の実績を追及するといった
困難な挑戦をしている以上、それは当たり前過ぎるほど当然の配慮です。
沖縄特措法改正についても、このことは共通していました。
● 自らの考え方を、いろんな方法を使って、これでもかこれでもかと
訴える執念が足りません。
単なる記者ブリーフや党内の内部文書の作成配布ではとても足りません。
さきがけのときは、機会を捉えては街宣車をくりだしました。新橋駅頭や、
新宿アルタ前で街頭からの直接の訴えをしてきました。
全国キャンペーンやシンポジウムの企画も建てたりしました。
そういう動きが見られない。
有権者に直接訴えるエネルギーが過少すぎます。
このままでは民主党はかぎりなく内向きの政党と言われてしまいます。
民主党の考えをもっとしっかり発信する総合的、直接的な行動を切望します!
● 与党の修正案の主な内容は以下の通りです。
1 健康保険加入者本人の負担 現行1割を2割にアップ。
2 高齢者は、現行月1020円の外来定額負担を、
1回500円で上限2000円に改める。
3 薬剤負担を新設し、内用薬は種類数に応じた定額(4百−千円)、
外用薬は1種類八十円、解熱剤などのとんぷく薬は1種類十円とする。
厚生省の試算によると、患者の負担は、現行の平均的なケースを前提にすると
健康保険の加入者本人で2.4倍、七十才以上の高齢者で2.6倍になる。
● 民主党がまとめた抜本的な構造改革案は以下の通りです。
1 かかりつけ医制度の充実や医薬分業の徹底など医療供給体制の見直し。
2 出来高払い方式の診療報酬制度の見直しと包括払い制度の導入。
3 現行薬価基準制度の廃止と参照価格制度の導入。
4 老人保険制度の見直し
● このような構造改革の議論は与党との協議の場ではほとんど行われませんでした。
さらに協議の場で、民主党は5項目の提案をしました。これは、
★ 薬付け治療などの現状を改善する多剤投与や高価格薬品へのシフトを抑制する
仕組みの導入や、
★家族給付率の引き上げ、
★乳幼児医療費の自己負担の高齢者との均衡化などですが
これも全て取り入れられませんでした。
結論的に言えば、抜本的改革なき患者負担増のみの与党案には
賛成するわけにはいきません。
● ところで、長崎の滋晴さんから、5月10日付けで下記のような抜本的改革案が
送られてきました。
1 まず、医療費負担が増えた真実の理由は何かということです。
その理由は、薬剤差益や検査差益にあるのではなく、
厚生省のとっている現行の政策が、医療費負担増を必要としていることに
気づくべきです。
2 厚生省は、
看護婦と患者の比率を1:6から1:3さらに1:2と増やす方向の政策を
とっています。
医療機関に薬剤情報提供を促したりすれば人件費が増えます。
医者の総数も現行約23万人から今後28ー30万人まで増やす政策をとっ
ています。
臓器移植に代表される高度医療も普及を目指しています。
このような厚生省の政策が確実に医療費を増加させてきました。
3 そういう政策を厚生省がとってきたにも関わらず十分に診療報酬を増やさ
なかったから、医療機関は運転資金を獲得するために
検査を過剰に行ったり〔検査差益(30-40%)〕、
薬を過剰投与したり〔薬剤差益(15-20%)〕
入院期間を延ばしたりする習慣が定着して、日本の医療に不必要な医療行為が
増えたのです。
4 厚生省は自らの誤った政策からマスコミの注目を逸らすために、
医療費増加の元凶を薬価差益と検査差益に導いているだけであって、それに
踊らされていては、議論の根幹には迫れません。
5 薬剤費削減や出来高制導入は枝葉末節で、本丸は、このまま高齢化に伴う要
介護・要医療者増加にあわせて、看護婦増員・医師増員・ベッド数増加・在
宅医療スタッフ増加を現状のまま目指すのかと言うことです。
6 おそらく薬剤費削減や出来高制導入で削減できる医療費は限られています。
医療費負担増をしないのならば、入院が不必要な患者を追いだし医療機関の
延べベッド利用数を減らして、看護婦・医師などの専門職数を減らして、低
賃金の無資格者の医療スタッフ補助の割合を増やして人件費を抑えるしかな
いと思います。(もちろん薬剤費削減や出来高制導入は必要だと思います)
「医療機関ベッド利用率・延ベッド数削減、医療専門職削減、医
療機関受診抑制」による医療費負担現状維持か? 「医療の情報開示、医療
専門職(医師、看護婦、介護人)増員、医療機関受診現状維持」による負担
増か? はっきり本丸を突いては如何でしょうか。
※ 薬価差益や検査差益を、厚生省の政策に対応するための医師側の苦肉の策と
同情的に見るのには疑問がある。しかし、今後の医療保険のあり方についての
国民的な選択が必要とする論議には賛成です。