国会通信 No.301


 【NPO法案 衆議院 通過】

1997/6/9 (マンデーレポート第301回の要旨)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【先週の出来事】 ●2日 辻説法 通算300回 達成。 ● 〃 仙谷政調会長 と 民主党栃木所属の自治体議員の政策懇談会 開催。 ●3日 地元商店街に同行して、水戸市内の本町商店街を視察。 ●5日 民主党幹事会      行政監視院法案断念。菅代表、社さの呼応について読み違い、     自民の一部の理解を期待したが期待外れに終わったと自己批判。 ●7日 党員拡大キャンペーン。2区の藤原町、塩谷町、氏家町を街宣後、     高根沢町の4カ所で遊説。参加者は私のほかに、小林守衆議院議員、     菅谷県議、菅又町議。  ● 〃 新進党栃木県連。再建大会に来賓として出席、祝辞を述べた。     来年の参議院選挙について自民党の2議席独占を阻止することが     最優先課題と訴えた。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 【NPO法案 衆議院 通過】 ●6日の衆議院本会議で、市民活動促進法案(NPO法案)が、与党3党提出、  民主党とともに共同修正のうえ、賛成多数(新進、共産は反対)で可決され、  参院に送付された。 ●私がこの問題に注目し始めたのは日本の政界の中でも早かったと思う。  阪神大震災を契機にもりあがったボランティア振興の気運がこの法案の背景を  なしているが、それ以前の94年10月、新党さきがけのなかに「NPS研究会」を  設立。事務局長としてこの問題の取り組みを開始。  勉強会の第1回目は、慶応大学の金子郁容教授の講演でスタート。  2カ月かけて報告書をまとめ、12月には、当時の  自民党政調会長 加藤紘一さんにも、報告書を見せ、市民活動に広く  法人格を与える社会的重要性を説明、自民党もこの問題で取り組んで  ほしい旨要請したりしてきた。 ● あれからあしかけ4年、ようやく不完全ながらも衆議院通過まで  来たことに感慨を覚える。 ●私は、21世紀の日本の社会は、「官僚セクター」と「産業セクター」  そして「市民セクター」の3つがバランスをとれた形になることが理想だと  確信している。  今の日本の社会構造は前2者が強すぎる、そこから種々の根本問題が  発生していると考える。  まず市民の民主主義的な意思決定力が弱い原因であり、  経済成長の行き詰まりの原因でもあり、  生きがいの喪失という社会の活力が減退する原因でもある。  多様な市民の自発的な活動が活発に行われる「市民セクター」の拡大こそ  わが国の将来にとって、もっとも重要な課題だと考える。 ●さらに、わが国の市民の非営利的な活動に対しては、実ははじめから  民法34条と言う官僚統制の「タガ」がはめられていた、という特殊事情がある。 まず、  1 活動内容のメニューは限定されていたし、    =「祭祀、宗教、慈善、学術、技芸其他公益ニ関スル」    ものでなければならない。 次に  2 これにあたるかどうかを官僚が自由に裁定することができる    =「主務官庁ノ許可ヲ得テ法人ト為スコトヲ得」  この結果公益法人の中には、役所の天下り先や、特殊法人の外郭団体に  なっているものも多く見受けられる。  言うならば、市民の非営利活動まで、役所が喰ってしまっている。  したがってこの分野から役所が駆逐されることになると一大事なのである。  この法案をいかに骨抜きにしようかと、役所側は虎視眈々と狙ってきた。 ●与党3党のうち自民党の内部には、この法案に対する強いアレルギー  があったことは間違いない。  市民運動に対する根強い警戒感や反感が、彼らには濃厚に存在している。  かつて、さきがけで行動をともにしていた堂本さんや事務局の高見君の  情熱が、自民党の座標軸をかなり動かしてきたことは間違いないと推察する。  ●しかし、艱難辛苦のすえまとめた与党原案は、労作ではあるが、  まだまだ官僚統制の色濃いものであった。  与党案の欠点として指摘できるのは   1 この問題をボランティア対策法案として狭く限定しようとする欠陥がある。     しかし、NPO法案の持つ意味は社会構造の変革につながる根本的な問題と     認識すべきであって、目的や定義を狭く限定してはならないと考える。     例えば、民法34条の「公益」概念のような「価値基準」を法人格を取得する     要件にしてしまうと、どうしてもそれを判断する作業が必要となる。これを     役所が、縦割り区分のなかで行おうとすると、今までと大差ない「官僚が市民     の自主性を支配する」状況に逆戻りするであろう。     また、一定の要件がそろえば自動的に法人格を取得できる「準則主義」こそ     望ましい。   2 市民活動に、ボランティア性というか無償性を強く要求しているのも問題。     ボランティアも市民活動の一貫として、もちろん重要である。     しかし、市民活動は 無償に限らない。     例えば、介護を有償で行う等の、市民事業的な活動まで含み、     非常に広範である。むしろ、これからの趨勢は、有償の非営利活動の     拡大にあのではないかと考えられるから、なおさらである。   3 市民活動の内容がまだまだ狭いのではないか。     例えばオンブズパーソン等の行政監視型や、事業型、そしてそれぞれの     運営に対する連絡、助言または援助をする支援型等さまざまなものが     あるのに、内容はもっと広谷かにすべきである。   4 法人の認証、設立に際して、社員名簿の提出など監督色が強く出過ぎている。    5 税制上の優遇措置や支援策も急がれる。この点について新進党はこだわり、     最終的には反対に回った。     これについては、私は拙速こそ大蔵の望むところと     警戒すべきだと思う。    現在の租税特別法の仕組みを前提にしての優遇措置だとすると、  どうしても税制との整合性を問われることとなり、役所のチエックが強くなる。  だから拙速は避けるべきだと思います。 ● 与党案の概要 1 名称は「市民活動法人」 2 役員(社員も)のうち報酬を受けるものは役員総数の3分の1以下であること。   3 所轄庁は、原則都道府県。書類を添付したうえで設立の認証を受ける。   2つ以上の都道府県にまたがっているときは経済企画庁に一元化。 ● 民主党の修正提案の結果、与党3党との間で概ね以下の修正合意に達した。 1 社員の無報酬性の要件、及びこれにかかわる社員名簿の、   提出及び閲覧既定を削除。 2 認証の際に、経済企画庁長官が所管大臣に意見を求める規定を削除。 3 認証または不認証の決定までの期間を「公告期間を3月以内」にし   スピードアップ。 4 認証または不認証の決定の際の「理由通知」を義務付け。 5 活動分野の「地球環境の保全」が狭すぎるので『地球』を削除。   また、市民活動法人の運営に関する連絡、助言または援助の活動」を   追加する。等 ● 参議院の会期ぎれが迫ってくる。参議院の内閣委員会には  懸案があまりないと聞いている。審議を急いでもらいたい。