国会通信 No.307


 【政党研スタート】

1997/7/21 (マンデーレポート第307回の要旨)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【先週の出来事】 ●15日 「政党政治の将来を考える会」の第1回会合に出席。(東京) ● 16日 ビジョン2020 の第1回 会合を開催。(東京)      東京での勉強会を新しく始めました。      この日は早稲田大学客員教授の福富さん(もと住友電工 副社長)を      講師に、21世紀のエネルギー事情について対論しました。 ●17日 民主党栃木設立レセプション開催。(宇都宮)      鳩山由紀夫代表が記念講演。      1000名弱の皆さんが参加。大盛況でした。 【政党研スタート】 ● 党派を越えて、政党政治のあるべき姿を考えようとする研究会がスタートしました。   名称を「政党政治の将来を考える会」(略して政党研)と決定、月1回のペースで   研究を続けていくことになりました。 ● かつて、政治改革の原動力となったのが比較政治制度研究会(CP研)でした。   (CP研の活動については「日本政治の再生を考える」東洋出版社に詳しい)   その中心メンバーは今各党に散らばっていますが、3期生の彼らが呼びかけて、   さらに混迷を深める現在の政治状況を、何とかしなければとの思いで集まりました。 ● 第1回の準備会の出席者は、以下の通りです(米印は世話人)。   自民党  赤城 徳彦   岸田 文雄  ※住  博司     新進党 ※岡田 克也   笹木 竜三   中田  宏   松沢 成文    民主党  安住  淳   枝野 幸男   佐藤 謙一郎  ※簗瀬 進   太陽党  堀込 征雄   小坂 憲次 ● 第1回めの冒頭、東大 佐々木毅教授が以下のような問題提起をしてくれました。   佐々木先生はCP研の時からのお付き合いです。   1 今、政党自体に対する、深刻な不信感が発生している。都議選の低投票率は     その象徴。政党全体に投げられた「不信感」のボールを、政治家と政党が     どう受け止め、どう投げ返すかが問われている。   2 政党政治は、一つの政党のみでは作り得ない。複数の政党が作り出す、一種の     フォーマットが「PARTY SYSTEM」。今、各政党とも自分のこと     のみで精一杯。しかし、国民から見えるのは個々の政党のことではなく、     全体としてのフォーマットの印象であり、システム全体のバランスがよく     取れているかこそ重要。   3 政権交代ができるかどうかということも、システムのバランスの証である。     政党は競争するが、「一種の公共財」としてのパーティーシステムの共同管理     者でもある。この自覚と責任を持つことがポイントである。   4 例えば政策のことを与野党の関係で見てみると、与党の場合、権力があるので、     自分の政策を実行することで、国民に伝えることはできる。     しかし、野党の場合手詰まり状況だ。     与野党イーブンな状況をどう作ることができるか。     今のままでは野党が、自らの政策を国民に聞いてもらえることすら困難     であろう。   5 バランスの取れたパーティーシステムを作るということが一つの方法である。     そのためにはどうしたら良いのか、システムのメンテナンスをどう行うか、     これは対立軸や、理念政策の差別化を考える以前の問題である。     党派を越えて、このことを研究したらどうだろう。     以上 ● リクルート事件に端を発した政治改革の激しい動きは、確かに既成政党の   枠組みを突き崩しました。しかし、いまや政党は限りなくお手軽なものになって   しまいました。与党の自民党は、無原則的に離党者を受け入れ、   数を増やすためなら大抵のことには眼をつぶってしまいます。   新進党の求心力の著しい低下、民主党の建設的野党路線の低迷とうとう、   野党のほうも政党の存在意義自体に疑問が投げ掛けられるような状況にあります。     もちろん改革を唱えた政治家が続々と、「権力なしでは何もできぬ」と   いわんばかり、大威張りで自民党に回帰する姿に政治家への嫌悪感も増しています。 ● 政治改革は、既成の枠組みを破壊することには成功しました。   しかし、その後の混乱は、より深い政党と政治家への絶望に近い不信感を   刻みつけている。 一体、政治家とは、政党とは、なんなのか。   理念、政策を語る以前の、「香気ある志」がどこにも見られなくなってしまった。   都議選が空前絶後の40.8%という低投票率に終わったのも当然の感がする。 ● しかし、それで良いのだろうか。都議選の結果は、低投票率の結果、   「組織」をバックにした政党が、実数以上の議席を得てしまうことを実感させた。   しかし、「組織」という特別の志向性を持った人々が、社会的なバランスを越えて、   政治的な影響力を行使する状況は、民主主義の危機を予感させる。一部の人々が   猛威を振るう政治で良いのだろうか。 ● いま、政党政治という全体のシステムを再構築する必要を痛感している。   複数の政党が、与野党でありながら根底には相互信頼を有し、それゆえ   政権交代可能を実感させ、そのための緊張感あふれるシステム、、、、   この政党システム 再構築のための重大な峠にさしかかっている。   政党研が、超党派の議論のなかで、未来への展望を切り開けるよう   全力を尽くしたい。