国会通信 No.318
【菅代表の代表質問1】
1997/10/6 (マンデーレポート第318回の要旨)
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【菅代表の代表質問1】
10月1日に行われた民主党菅代表の質問の重要な部分を抜粋する。
◆ 中央省庁再編成
内容の伴わない機構いじりよりも重要なことは「中央省庁の仕事をひとつひとつ
吟味して三つの分野に振り分け、そして残った仕事を中央省庁が受け持つという
ことである。」
中央省庁の仕事のうち相当部分は地方自治体に仕事も権限も財源も移す。
ある部分は、規制緩和を行って企業の自発的行動、いわばマーケット(市場)に
委ねる。さらには、非営利団体(NPO)の自発的な活動とそれに対する自発的な
寄付といった市民の活動に委ねる。地方・市場・市民活動の三つの受け皿に中央省庁
の仕事を大きく移し、残された外交・防衛や福祉・教育などのナショナル・ミニマム
といえる基準作りなどについて国が受け持つ。
◆政府委員制度の廃止と副大臣制度の創設
「官僚主権国家から国民主権国家への民主主義革命」が必要である。
そのために、この国会で三つの法案を提出することにしている。」
1) 副大臣制度の創設
イギリスの内閣で行われているように、一人の大臣に加えて、一つの役所に
三名から六名程度の副大臣を作り、その大臣と副大臣の五−六名のチームで
それぞれの省庁をきちんとコントロールする。
国会答弁も大臣と副大臣によってすべてやっていく。そうすれば、国会では、
多くは与党から選ばれる大臣と副大臣で構成する内閣側と、野党が議論する。
内閣対野党の議論がそのまま与党対野党の議論になってくる。
しかし、現在の政府委員が中心の国会討議では、野党対官僚の議論に大半が
なってしまっている。これでは、本来の内閣の責任を官僚に委ねていると
言わざるをえない。政府委員制度を廃止し副大臣制度を創設すべきである。
2) 行政監視院法案と、3)情報公開法案
民主党は先の国会で提出した行政監視院法案に加えて、情報公開法案を
この国会に提出を予定している。副大臣制度は、与党が内閣に責任を持つため
の制度、行政監視院法案は、野党が国会に置かれた行政監視院を活用して、
行政を有効にチェックするための制度、情報公開法案は、国民が行政を
チェックするための制度、この三つの制度を設けることで与党、野党、国民
それぞれが官僚主権の現状を変えていくシステムを作ることが必要である。
国税庁の分離問題は、単に大蔵省から国税庁を分離するのではなく、現在は
国税と地方税をそれぞれ国の機関である国税庁とそれぞれの自治体が徴収して
いるのを一本化して「共同税」として徴収する。そうした根本的な改革が
望ましいと考える。
所得税と住民税、法人税と事業税を一本化して徴収する。
現在でも消費税と地方消費税はすでに一本化して徴収されている。
国税と地方税の一本化によって、徴税にかかる行政の作業は、大変効率化
されると同時に、納税者にとっても、二度手間、三度手間の手続きを簡便
にすることなる。
そして、徴収された共同税を例えば国に三割、地方自治体に七割という形で
分配する。こうすれば、国は、これまでのように地方交付税とか補助金という
形で地方に財源をばらまくことはできなくなる。逆に、地方自治体は、
七割の財源を直接得ることによって自主的な判断で、自治体の事業を進める
ことができるようになる。
「共同税」の方式は、ドイツでも似たような制度がとられているが、地方分権
を進めるうえで大変重要な改革になると思う。財源の分権化を進めない限り、
いくら地方分権推進委員会で検討しているように機関委任事務の権限を国から
地方自治体に移したとしても、本格的な地方分権は不可能である。
◆税制改革
バブル崩壊後の数年間、景気対策の名目で公共事業の追加が繰り返され、所得税等
の先行減税や特別減税も実施した。しかし、この間の国・地方合わせて150兆円
近い犠牲に見合った成果はあげられたろうか。
公共事業の追加による総需要創出というケインズ流の財政政策も今日では有効に
働かないという分析もある。一時的な痛みを恐れずに、思い切った規制緩和で
新産業を創出し、一方で会計制度や税制の国際的整合化(ハーモナイゼーション)を
図るといった経済構造改革を断行する以外に、日本経済の足腰を強くし、
再び持続的成長軌道に乗せていく道はない。
特に、税制の国際的整合化の観点から、有価証券取引税の廃止と法人税率の
思い切った引き下げ、各種の租税特別措置の廃止を急ぐべきである。
また、土地税制については、土地の流通課税になっている登録免許税と不動産取得税
の減税や手数料化を検討すべきと考える。