国会通信 No.326
【情報は核を超える】
1997/12/2 (マンデーレポート第326回の要旨)
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【情報は核を超える】
1 先週土曜日の29日、宇都宮市内アピアにおいて私の出版記念パーティーを
開催した。出版社は地元の下野新聞社、本のタイトルは簗瀬進演説集第3集
「市民革命と情報革命の戦略 『情報は核を超える』」、定価1500円である。
2 毎週続けている辻説法が通算300回を超えたこと、また初めての落選から
1年を経て「さきがけ」から民主党を結成するに至った経緯や考え方を自分なりに
整理しておく必要を感じたこと、等々が今回の出版の主な動機である。
3 さて、この本の中で私がもっとも強調したかったことは、わが国にとってふさわし
い将来ビジョンは「市民革命と情報革命」の二つにつきると言うことである。
そしてこの二つは実は表裏一体であり、さらに情報革命が人類の歴史的発展に大
きな意味を持つことを確信して「情報は核を超える」という副題をつけたのである。
4 私の考えている市民革命と情報革命の考え方を整理すると以下の通りである。
● 市民革命の意義 : 今日本がやらなければならない最大の課題は
日本の社会構造改革=市民セクターの拡大である。
● 市民革命のツール : 3つの基本法案
1) NPO(非営利法人)法案
2) 情報公開法案
3) 直接民主制推進法案(首相公選法・国民投票法等)
● 市民革命のインフラ(基盤): 安価・簡易・迅速なコミュニケーション環境
の実現
● 市民革命の効果 : 4つの大きな効果。
1) 政治的効果=日本政治の自己決定能力の向上
2) 経済的効果=市民相互の活発な交流機会が拡大し、
そこに新たな大きな市場が誕生する。
3) 社会的効果=目標を失った人々に、「生きがいのメニュー」
を拡大し、社会全体を活性化する。
4) 外交的効果=国境を越えた共通の関心(たとえば地球温暖化防止等の
公害問題)で結ばれた市民は国境を越えて連帯する。
市民革命は、当然地球規模で行われるべきであり
わが国の明確でない外交目標を、地球市民革命に
集約することが可能となる。
5 「民はよらしむべし、知らしむべからず」、これが江戸時代から続く、
わが国の政治、行政の伝統であった。そしてその本質はちっとも変わっていない。
情報は官が独占し、官に都合の良い情報は流れるが都合の悪い情報は意図的に隠す、
民を信ぜず、自由は民にとって重荷であるとばかり、おせっかいを焼く。いわゆる
護送船団方式も「民を信ぜず、民に知らせず」の伝統から官が生み出し、業界が
それに甘えたものである。
先週も、徳用シティー銀行が経営破綻し、また地元宇都宮に本店のある足利銀行
の株価が一時ストップ安の88円となるなど、金融破綻とそれに伴う地方経済の
破壊のシナリオが現実化しそうな気配を感じ首筋がヒヤッとした。
その後足銀の株価は二日続けてストップ高を続け株価のほうは持ち直しそうな
気配だが、預金者の不安な心理状況は今も続いている。
危機を乗り切るためには、公的資金の投入はやむを得ない。
しかし、その前提としてこのような危機を生み出した根底に「民を信ぜず」、
自分に都合の良い情報のみ流し、必要な判断材料を与えることを恐れ続けた
日本の政治・行政の宿痾があることを思い知るべきである。
情報公開の重要性を痛感すべきである。
「民を恐れよ。民を信ぜよ。」、パーティーでの謝辞の冒頭、
私はそう叫ばずにはいられなかった。