国会通信 No.327
【緊急金融対策】
1997/12/8 (マンデーレポート第327回の要旨)
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【緊急金融対策】
1 先週は、行政改革会議の最終報告が決定、介護法案が成立、
厚生省の厚生年金改革案が公表、温暖化防止の京都会議が山場を迎える、
など重要な論点が目白押しであった。今日はそのなかで、金融危機についての
民主党の考え方を説明したい。
2 まず第一に徹底した関係者の責任追及が重要である。
● 今日の金融危機の根本的原因は、わが国の政治及び行政がバブルの発生を防げな
かったことと、バブル崩壊の処理を誤ったことにある。
すなわち大蔵省は、バブル崩壊後の金融機関の不良債権処理の枠組みを、
超低金利政策をとって金融機関の負担を軽くし、その間に不良債権の処理を
促進することを基本にしていた。これはいわば国民が受け取るべき金利を
もって不良債権を処理させるという、自分たちが責任をとらなくて済むスキーム
(枠組み)であった。
しかし、このことが本質的な問題解決を先送りして、さらに破綻の害悪を
拡大してしまったことは明らかである。大蔵省のとった処理策の政策的な
失敗である。バブルが起きた中曽根内閣の宮沢蔵相、そしてバブル崩壊の
処理にあたった宮沢内閣の橋本蔵相(現首相)の責任は免れない。
さらに今回の金融危機の処理についていたずらに「大丈夫と承知している」と
官僚の書いた原稿をオウム返しに読み上げるしか能がない三塚大蔵大臣等、
橋本内閣の無為無策ぶりは言うまでもない。
● 大蔵省の監督責任も重大である。
膨大な簿外債務を発見できなかった大蔵省と日銀に監督能力がそもそも
備わっているとはとうてい思えない。そして住専に天下った大蔵省OBは
一人も刑事訴追されていないなど、大蔵省と金融の癒着が金融危機の重大な
原因となっていることについての反省も見られない。せめて大蔵省出身者を
含む天下りの自粛などにより大蔵省の監督責任を明確化すべきである。
● 経営者の責任追及
破綻金融機関の経営者の不正行為等については徹底的に調査し、責任を追及
すべきである。そして必要に応じて損害賠償の民事訴訟追求もも積極的に
行うべきである。
3 疑心暗鬼を生じない情報開示が重要である。
● 国際業務を行う銀行にはSEC基準の不良債権額を年度内に開示させるべきである。
さらに経営情報の開示を刑事罰付きで義務化すべきである。
● 金融監督者の公正監視義務違反に対しては懲戒罰を創設したらよい。
すなわち公務員が不正行為を告発するのを怠った場合は懲戒罰を加える
べきである。
4 破綻銀行整理法(仮称)の制定による金融破綻処理の法的枠組みの整備
● 与党案との基本的な考え方の差は、破綻金融機関を合併等の方法で延命
させるのではなく、公的な破綻金融機関を通して整理していくことにある。
与党案では、破綻の病巣を摘出することなく、責任が不明確になるおそれがある。
破綻の原因と責任が不明確のまま公的支出をするのでは国民の理解は得られない。
● 強力な公的債権回収機関の創設
金融機関の破綻が明らかになった場合(例 日銀の特別融資を実施 業務停止
命令の発令)は、まず破綻処理のレールに乗ってもらう必要がある。
すなわち、破綻状況を明確にし不良債権の回収を全力を挙げて行う管財人の
手にまずは破綻金融機関をゆだねるべきである。
この管財人機能や、罰則付きの特別調査権などの強力な債権回収機能を持った
公的破綻処理機関として「公的債権回収機構(仮称)」を創設する。
そして債権を分類し、優良債権については1年以内に新銀行設立などの形を
とることで、経営責任のない職員の雇用を確保する。経営者、借り手に対しては
損害賠償等の責任追及も行う。また債権回収のためには警察とも連携する。
このような公的債権回収機構を創設すべきである。
● 預金保険機構の資金調達に関する政府の支援と保険料率見直し
預金保険機構の一般金融機関勘定に政府保証ができるようにする。
さらにその不足資金については2001年度予算で措置すべきである。
また、預金保険料の料率を必要に応じて引き上げるべきである。
5 事後監視型行政への転換
● 金融庁の設立と金融企画立案部門の移管
● 金融庁と証券取引等監視委員会の専門体制整備
6 中小企業向け年末資金の公的支援と雇用対策
● 中小企業向け政府系金融機関融資枠の時限的拡大
● 倒産企業・破綻金融機関等の雇用対策