国会通信 No.328
【情報公開法案】
1997/12/15 (マンデーレポート第328回の要旨)
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【3野党共同提出の情報公開法案】
■1 臨時国会が終了した。
金融機関の破綻問題の本質的な解決を先送りし、その場限りの
預金保険法改正案は与党3党の強行採決という異常なやり方で国会を通過した。
いちばん問題なのはこのことで破綻原因の本質的な追求がまたもや先送りに
なってしまうことである。
合併手法でガン細胞は新銀行にそのまま転移していく。
預金者保護の美名の下に経営者の責任も大蔵省の監督責任も隠蔽されたまま、
先送りされていく。破滅に行き着くまで、究極の問題解決は先送りだ。
失敗の歴史に学ぶことのできない わが国は不幸である。
■2 先々週の原人日記で市民革命の必要性を訴えた。
その際市民革命実現のための必要な法案を3つあげた。
それは、第一に非営利法人法案(NPO法案)、第二は情報公開法案第三は
直接民主制法案であった。
この関連で、今度の臨時国会で私がもっとも心配したのは今年の通常国会で
衆議院を通過し、参議院に回って継続審議となっていたNPO法案であった。
もしこの臨時国会で参議院を通過すれば成立だが、参議院で継続にも
ならなければ「廃案」、すなわち衆議院での可決の効力も消滅してしまう。
最終日に、参議院でようやく「継続」の決定となり、廃案となって衆議院からの
市からの出直しは何とか避けられた。次期通常国会での参議院での審議に
全てがかかることとなった。
第三の直接民主制法案などははるか彼方の目標だが、この臨時国会では
投票時間を二時間延長する公選法改正案が成立した。
しかし、日曜日の投票時間を二時間延期しても投票率のアップなどは
おそらく1%もはかれないであろう。
国民の関心や期待に応えられる政治の現状ではない。
投票時間の延長などといった小手先の改正がどれほど効果を持つというのだ。
そんな小手先の改正を有効だと思っていること自体そもそも間違っている。
国会議員の頭の中味を疑ってしまう。
政治のフレームワーク自体を変える時が来ている。
憲法を改正した上で、首相公選と国民投票の二つの直接民主制革命を考えるべき
である。それ以外に国民の政治に対する信頼を回復する方法はないと考える。
■ 3 市民革命の二番目の鍵「情報公開」については、三野党の共同提案により
情報公開法案が衆議院に提出されていた。
しかし、与党のつるし(吊し)にあった結果、趣旨説明もできずに
審議未了廃案となってしまった。
次期通常国会では再度提出される予定である。
今回は日の眼をみることのなかったこの法案の概要を以下簡単に説明する。
■4 三野党共同提案の情報公開法案の概要
<法案概要> (《》内は政府要綱案)
●1 「知る権利」を明記
法案の目的に「国民の知る権利を保障する」と明記。
また、開示請求者は「何人も」として請求者を限定していない。
《政府要綱案は規定なし。》
●2 開示情報の定義
行政機関や、会計検査院及び特殊法人(業務の性格、役員の 選任等において
政府に支配されていないものとして政令で定 めるものを除く)等が作成した
行政情報(意思形成過程の情 報も含む)、保有する行政資料
(フィルム、磁気ディスク等)をいう。
《組織的に用いるもの=組織共用文書=に限定》
●3 不開示情報の範囲
(1) 個人情報:特定の個人が識別され、かつ他人に知られないと望むのが
正当である情報 は開示しなくてよい。
(プライヴァシー保護の観点で非開示を認める)。
《個人を識別できる情報は広く不開示にできる。
ただし個人の名称は明らかにする》
(2)法人情報:正当な利益を侵害することが明らかな情報は開示しなくてよい。
《ほぼ同じ》
(3)非公開特約条項:特に規定は設けない。
《公にしないとの約束が合理的になされて任意に提出された
企業情報は非公開》
(4)外交、防衛情報、犯罪情報:
公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすことが明らかな情報や、
開示することにより事業・事務の目的が達成されないものが
明らかであるものについては不開示とする。
ただし外交情報については資料作成から20年以上経過したものは公開する。
《「相当な理由」があれば不開示にできる。
また20年の規定もおいてない。》
(5)意思形成過程の文書:特に規定しない。
《率直な意見交換を不当に損ない、国民を混乱させるおそれのある
情報は非公開。》
(6)存否自体を明らかにしない情報:
個人情報、防衛・外交・犯罪情報に限定し、それぞれについての不開示の
理由があるときには、その存在自体をあかさないでもよい。
《全部の情報について及ぼす》
●4 手数料等
閲覧は無料。写しの交付を受けるときは実費の範囲内において政令で
定める額の手数料を支払う。
また、経済的困難や公益上の理由がある場合、手数料等を減免する。
《実費を勘案して政令で定める。》
●5 不開示決定に対する救済措置
不開示決定に対しては、審査会への不服申立て、裁判所への提起によって
取消しを求めることができる。
《裁判所についてはおなじ。不服審査会については規定なし。》
●6 行政開示不服審査会
行政情報開示不服審査会は6人の委員をもって構成され、
両議院の合意を得て内閣総理大臣が任命(うち3人は常勤)。
《なし》
●7 訴訟の管轄
国を相手にする訴訟でも、開示請求者の住所地の裁判所に提起すること
ができる。
《東京地裁に限定》
●8 不服申立て・訴訟に係る審議過程
審議過程において、審査会及び裁判所は、不開示決定に係る行政資料の
標目・事項を理した文書で提出させることができる
(ヴォーンインデックス手続)。
また、一定の場合、当該資料を提示させることができる(インカメラ手続)。
《規定せず》