国会通信 No.332
【民友連誕生】
1998/1/12 (マンデーレポート第332回の要旨)
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■ 今年第1回目の幹事会が、8日午後1時民主党本部で開催された。
おもな議題は当然統一会派問題である。
冒頭、鳩山幹事長から、民主党を始めとする6党派が結集して
「民主友愛国民連合」、略称「民友連」を作る合意ができたことが報告。
幹事会はこれを了承した。
これによって衆院では6党所属議員に無所属議員も加え、
97人の野党会派が成立(現在はさらに1名増の98人)。
参院でも同日、6党に改革クラブ、無所属議員を含め、44人の統一会派を
つくることが確認された。
■ 統一会派の結成宣言の要点は以下の通りである。
●政官業癒着の構造の上に成り立つ自民党政権は、国民負担を増加させ、
市場経済の活性化の道を閉ざしている。
族議員の横暴とともに行政改革の行方を曖昧にし、景気の低迷や金融不安、
国際的な信用の失墜を次々と招来している橋本政権にこれ以上国民生活の未来を
ゆだねることは許されない。
●新たな政治集団の模索。
「国民の共感を得られる政策の合意を基調に、民主的でかつ開かれた
政治集団の実現をめざして大きく踏み出すことを誓い合った。」
●政官業癒着の構造を打破し、安心で自由な国づくりに着手する。
■ 当面する政策課題についての合意 (後掲)
■ 民友連についての批判についての私の考え方
●単なる数あわせではないかとの批判
□自民党がそれを言う資格はない。
無原則的な数合わせの本家本元は自民党である。
□小沢自由党にもそれを言う資格はない。
かつて新進党という無理な大数あわせを自ら行ってきたのは
小沢さん自身である。そのときのお題目が「政権交代可能な
2大政党をめざせ」であったはず。昨年から今年にかけては
客観的に見ると、景気対策に失敗し橋本政権は瓦解寸前であった。
この政権交代の好機を目前にしながら、あえて野党を分散化し、
沈没しかかった橋本政権に救いの手を差しのべた。
野党結集による二大政党の道を自らつぶしたことの矛盾と責任を
どう考えているのだろうか。
おそらく、橋本さんは、大いに小沢さんに拍手を送っていることだろう。
□マスコミの論調にも同様の批判が見られる。
しかし、これは野党の存在意義をどう考えるかの基本的な
考察を欠いた批判である。また、さらに日本の政治の課題の優先順位を
意識しない底の浅い批判である。
野党は、政権交代の可能性を持ち得たときに初めて政治の世界に緊張感を
もたらす。また与党に対する監視の力も強くなる。
そのためにも分散して当たることより一致して当たったほうが良い。
それぞれの政策や理念の一致点を延々と論議していても果てしない
論争になるだけだ。
そのことがいかに与党を安堵させ堕落させ、そして現状
維持の停滞を生むか考えるべきだ。
マスコミの批判は結果として、与党を援護することになる。
●理念なき野合か。
□短期的な政策調整の結果としても、上記政策合意はよくできているし、
それなりの論理的な統一性もある。決して野合と批判される言われはない。
□将来的な政党としての合体まで、時間をかけて熟成させていけば良い。
特に民主党の理念の中核である、わが国の社会を市民中心型に変えていく
と言った大命題については、時間をかけて考えてもらいたい。
□理念的な一致点もぼんやりと見えてきた。
小沢自由党の強調する「自由」とはなんだろう。
かれの「自由」は結局のところサッチャーリズムの新保守主義の自由では
ないか。
自由放任のレッセフェールに、もっとも価値を認める伝統的な考え方であろう。
規制をできるだけ排除した自由競争に重きをおく自由主義経済、
これが自由党の党名の由来であろう。
一方民主党は、サッチャーリズムに対抗するブレアニズムを意識している。
自由競争の重要性を充分認めながら、同時にスタートラインに立つ人々の不平等の
解消もまた重要と考える。この考え方が民主党の底流に流れている。
今回統一会派を組んだ各政党はこの点で一致しているのではないかと考える。
このような二つの勢力が、左右から自民党を挟み撃ちにし、自民党を
分解させていくことこそもっとも望ましいことである。
それは有権者の選択肢を明確にし、政治の活性化につながるからである。
自民党の本質は、権力至上主義であり、政策的な場当たり主義、
そして問題解決の先送り主義である。
このような自民党のやり方は、確かに経済が右肩上がりに発展しているときには
通用した。しかし停滞期や下降期には、政策的な方向性を見失う。
特別減税と、財政構造改革のどちらを優先するのか、橋本さんは大きく揺れた。
それこそ、場当たり主義の証明である。
そして予算の投入にしても、族議員と官庁の個々ばらばらな要求に対応するだけの
場当たり主義と問題解決の先送り。結果としていつまでも予算配分の総花主義から
脱却できずにいる。
結果として、危機にありながらも予算の分散投入しかできない拙劣な経済政策しか
立てられない。これが自民党の政治の本質である。
このような自民党を、自由党と、民主党他が挟撃するのが一番良いのである。
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■ 当面する政策課題についての合意
●1 経済・景気対策について
□財政再建は中期的な政策目標として重要であるが
短期的には景気対策・経済再建を優先する。
このため、
(1)3兆円の所得税・住民税の恒久減税
(2)法人税率引き下げ、有価証券取引税・取引所税の廃止、
土地・住宅等の政策減税を実施することにより、
合計6兆円規模の減税を大胆に実現する。
□経済的規制の撤廃と大胆な予算配分により新たな分野での
民間設備投資の活発化を図る。また、貸し渋り対策として
政府系中小企業金融機関等による分な資金供給を行う。
●2 金融安定化対策について
□金融システム安定化のために、
(1)金融機関経営者等や行政の責任追及、及び
(2)情報開示の徹底を前提とし、
金融機関の破綻処理に伴う預金者保護に限定して
公的資金を導入する。公的資金は金融機関自身の
救済には使わないこととし、金融機関の優先株や
劣後債等の公的な引受は行わない。
□強力な権限を持つ公的債権回収機関(日本版RTC)の
設立や、財政・金融の完全分離を含む厳正な金融市場監督体制の
確立を図る。
□金融機関の保有する不良債権の実態を開示するとともに、
土地税制の緩和、土地担保債権の証券化 等により土地の流動化を
促進し、不良債権の処理を進める。
●3 行財政改革について
□政府の行政改革案のような単なる数合わせにとどまるものではなく、
国と地方及び民間との役割分担を明確にし、国の仕事・権限を減少させ、
効率的な政府を実現する。
□公共事業については、硬直したシェア配分の見直し、
高コスト構造の是正、事後評価システムの創設によって
抜本的改革を図る。
□情報公開法については、従来の野党3党提出法案の成立を期す。
□国の歳出削減は、一律削減方式ではなく、既得権益の思い切った
見直し、国家公務員数の計画的削減など歳出構造の改革により実現する。
□建設公債・赤字公債の区分を改め、公債発行の総額管理方式を採用する。
□国と地方の財源配分を抜本的に見直し、地方の自主財源として
客観的基準に基づく包括交付金制度を創設する。
□前記の景気対策の減税財源及び預金者保護等のための必要財源については、
その緊急性に鑑み、財政構造改革の特例として国債の発行を容認する。
ただし、その償還財源については、期限を明示して歳出削減によって
生み出すこととし、将来世代にツケを残さない。
●4 政治改革と政治倫理の確立について
□国民の政治への信頼を取り戻すため、政治改革、
国会改革に取り組む。特に、国会答弁における政府委員制度の廃止と
副大臣制度の導入、議院証言法の改正などを実現する。
□国民の政治不信の元凶である政官業癒着の徹底究明を行う。
●5 安全保障体制について
□日米安全保障条約をわが国の安全保障体制の基軸として
積極的に評価する。
ただし、
(1)沖縄米軍基地の整理・縮小・移転について引き続き努力する
(2)中長期的観点から国際情勢の変化に対応した米軍基地のあり方等
について検討する。
□日本の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生した場合には、
憲法の枠内で米軍への協力を行なうことは当然である。
この際、周辺事態の認定や対米協力行動について国会による
個別承認などの手続を法制化する。
□国連の平和維持活動には、憲法の枠内で積極的に参加し、
国際社会における責任を果たす。
□法律に基づくシビリアンコントロールの原則に則った
有事・危機への明確な対応体制を確立する。
●6 社会保障政策について
□21世紀の少子高齢社会において、効率的かつ
ナショナル・ミニマムを十分にみたす社会保障制度の確立をめざす。
□当面する医療制度改革や公的年金制度改革については、
十分な情報公開と世代間負担の公平化の視点を重視する。
●7 環境保全・エネルギーについて
□地球温暖化やオゾン層破壊など地球環境問題の解決をめざし、
大量生産・大量消費・大量廃棄の社会から資源循環型社会への
転換のための施策や技術移転などの国際協力を積極的に推進する。
□エネルギーの安定供給のため、化石燃料の安定的な確保を
行うとともに、原子力発電のさらなる安全性向上による活用、
新エネルギーの積極的開発・普及を図り、エネルギーの
ベストミックスをめざす。
また、産業・運輸・民生の各部門における積極的な省エネ推進策を講じる。
●8 労働・雇用政策について
□産業・企業の構造変化に伴う雇用・就業形態の多様化に対応し、
適切な雇用安定・勤労者保護の充実を図る。
□雇用調整助成金の弾力的活用や職業能力開発訓練の充実など
雇用対策を強化する。
●9 その他の懸案事項について
□継続審議となっているNPO法案については、過去の経緯を踏まえ、
各党の判断を尊重する。また 、税制問題等を含む市民活動促進のための
さらなる制度の整備について検討をはじめる。
□阪神・淡路大震災被災者支援法案等、その他の継続法案については、
過去の経緯を踏まえ、それぞれ別途協議することとする。