国会通信 No.335
【公務員倫理法の制定を急げ】
1998/2/2 (マンデーレポート第335回の要旨)
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●26日、東京地検特捜部は大蔵省を強制捜査したうえで、
それぞれ2つの銀行から金融検査に手心を加えるなどの
便宜をはかる見返りに多額の接待を受けたとの収賄容疑で、
金融証券検査官室長と管理課長補佐を逮捕した。
27日、三塚大蔵大臣は辞任の申し入れをし
翌28日には正式に辞任。
29日には事務次官が退任するなど大揺れの1週間であった。
●「官庁の中の官庁」のはずが、その実態は低俗な
接待まみれの日常であったことが暴露された。
接待の内容が明らかになればなるほど、
廉恥心のかけらもないおねだりぶりに吐き気を催すほどである。
また2信組問題で主計局の実力者二人が退任したあとの
綱紀粛正中にも接待が続けられていたのだから、
大蔵省が身内に対していかに甘いかよくわかる。
●しかし逮捕された二人はいづれもノンキャリ組。
接待の焦点は間違いなく主計局を代表とする
大蔵のエリート街道の真ん中を歩いていた連中に
向けられていたはずであるから、二人は氷山の一角でしかない。
業者との癒着の実態を徹底的に明らかにすべきである。
そのためには外部からのしっかりとしたチエックを
制度化すべきである。
身内の監察制度などではとても対応できない。
新大蔵大臣が検察官出身だからといってどうなるものでもない。
しっかりとした制度、内規ではない法律を作るしかない。
まさにこの部分が橋本総理の行革からすっぽり抜け落ちていた
部分である。
■ 大蔵支配の実態について
この際、大蔵人脈のスゴサを整理しておく必要がある。
日本の心臓部にクモの巣のように張り巡らされた大蔵ネットワーク
こそ改革の標的でなければならない。
● 中央省庁への人員派遣
大蔵省が持っている事務次官ポストは以下の六庁である。
1 北海道開発庁
2 防衛庁
3 国土庁(建設省出身と交代で)
4 環境庁(厚生省出身と交代で)
5 沖縄開発庁(自治省出身と交代で)
6 経済企画庁(経企庁出身と交代で)
● 特殊法人
大蔵OBは特殊法人の役員に多数天下っている。
88の特殊法人・認可法人中62団体、総計87名。
このうち以下の10団体のトップは大蔵OBである。
【大蔵OBが総裁・理事長の特殊法人・認可法人】
東京証券取引所 日銀 日本開発銀行 日本輸出入銀行
北海道東北開発公庫 沖縄振興開発金融公庫 中小企業金融公庫
国民金融公庫 国民生活センター 海外経済協力基金
(96年度 特殊法人等労組連絡協調べ)
●公益法人
大蔵省所管の798公益法人中94団体、総計183名。
(96年10月1日現在 内閣総理大臣官房管理室調べ)
● 金融機関
銀行の頭取や専務などの役員になっている大蔵OBはどうか。
全銀行150行中89行、総計114名。
このなかで検査担当の大蔵OBのみをピックアップすると
150行中22行、総計24名。 (共同通信社の調査)
大蔵省の銀行に対する天下り率は、59%。
日本の銀行の6割が大蔵省のOBを受け入れている。
あらためて驚くべき数字でありこのような中で接待は
当たり前との感覚の麻痺が起こるのである。
■このような大蔵省の強さの根源は、
結局のところ、歳出予算の立案と配分(=主計局)、
歳入及び税の企画立案(=主税局)、
そして強制的な徴税(=国税庁)の3者が一つの省に集中し、
キャリア組という過度な選良意識で狭い範囲で人事交流している
ことから出発している。
この権限集中を解体していくことがもっとも重要な
行政改革なのである。
■ 公務員倫理法
これについては、1昨年の厚生省事務次官 岡光事件以来
立法の必要性が叫ばれながら、与党の消極的態度と
野党の踏み込み不足のなか、一向に進んでいない。
国家公務員法があるから、倫理法の制定は必要ないと
考えるものすらいる。
確かに国家公務員法には
「官職の信用を傷つけ、または官職全体の不名誉となるような
行為をしてはならない」との規定がある。
しかし、「信用」とか「不名誉」などの抽象概念では結局のところ
適用するのが難しく、実効性は低くなるのである。
確かに、
1 対象の身分の範囲をどう考えるべきか。
(公社、公団の職員、地方公務員、学校の先生まで対象とすべきか)
2 数値基準をどのように設定するか
3 監視機能が不十分な中での立法化は不平等を生み出すのではないか
などの疑問を呈する向きもあるがいずれも杞憂である。
公務員すべての問題とし、明瞭な数値基準を設定
して臨むべきである。
(参考 アメリカの政府倫理法)
○政府の職員は、職務に関連する業者から20ドルをこえる
「贈り物(ギフト)」をもらってはならない。
○年間合算して50ドルを越えてはならない。
○現金・有価証券は金額のいかんを問わず一切もらってはならない。
○課長以上の職員(妻、こどもも含む)は職務に関係なく贈り物を
もらった場合でも、その金額が250ドルをこえるものについては
毎年政府に報告しなければならない。(報告書は公表)