国会通信 No.344
【民主中道?】
1998/4/7 (マンデーレポート第344回の要旨)
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■ いよいよ 新民主党の骨格が明らかになってきた。
人事面も
党首 菅 直人 幹事長 羽田孜 幹事長代理 鳩山由紀夫
政調会長 伊藤 英成 総務会長 横路 孝弘
と内定した。
いよいよ 4月27日に結党大会を迎えることになる。
■ 新民主党の誕生を歓迎したい。
歓迎の理由の第1は
自民党に対抗するために野党が大きく結集したことである。
野党が少数分立していては、自民党を利するだけである。
第2の理由は
新民主党のバランスがより安定的になったことである。
従来の民主党は 社民系7 さきがけ系3 とかつての革新セクターに
よりウエートがかかっていた。今回の新民主党結成により
保守セクター・革新セクターの各出身者のバランスがとれ、
より広範な国民的な支持が期待できるようになった。
■ ただし 不満な点もある。
それは新党結成の必然的な理由が、参加者によく自覚されていない点である。
だから新党の理念がないとの批判に 的確な反論ができていない。
私から言わせれば新民主党結成の構図は以下のように単純化できる。
そしてこの図式を通して新民主党の理念が透けて見えてくる。
すなわち
新民主党=「民主党」+{「新進党」−小沢「自由党」−「公明党」}
新進党の中から飛び出していった小沢自由党の本質をズバリ言えば、
「市場万能主義」の新保守主義と軍事的貢献積極論である。
また公明党の本質も、いわずもがなの宗教的なバックボーンにある。
これらに追随できなかった人たちが新民主党に参加したのである。
とすれば新民主党の大くくりの理念は、
まさに新保守主義への疑問、市場万能主義への危惧にあるといえる。
この点を明瞭に認識している人もいれば、どうもそうでないか、
認識しながらもそのように総括されることに躊躇を覚える人も
多数いるようである。
■ 以上のように考えれば
新民主党はブレアニズムと共通の経済政策の理念を持つと言って良い。
彼自身明瞭に定義するのを避けているようであるが、
彼の考え方を「顔の見える資本主義」といったり
「ステークホルダー キャピタリズム」と言ったりしている。
基本的には「競争の自由」と「結果の自己責任」を求める点では
サッチャーと同様であるが、競争に参加するスタートラインでの条件
(たとえば教育や技能)の公正に十分配慮すべきだとする考え方である。
3月25日に決定した
新民主党の「私たちの基本理念−自由で安心な社会の実現をめざして−」
では以下のように新民主党の基本理念を「民主中道」であるとした。
参考 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●私たちの現状認識
日本は、いま、官主導の保護主義・画一主義と、もたれあい・癒着の構造が
行き詰まり、時代の変化に対応できていません。旧来の思考と利権構造から抜
け出せない旧体制を打ち破り、当面する諸課題を解決することによって、本格
的な少子・高齢社会を迎える21世紀初頭までに、「ゆとりと豊かさ」の中で
人々の個性と活力が生きる新しい社会を創造しなければなりません。
●私たちの立場
私たちは、これまで既得権益の構造から排除されてきた人々、まじめに働き
税金を納めている人々、困難な状況にありながら自立をめざす人々の立場に立
ちます。すなわち、「生活者」「納税者」「消費者」の立場を代表します。
「市場万能主義」と「福祉至上主義」の対立概念を乗り越え、自立した個人が共
生する社会をめざし、政府の役割をそのためのシステムづくりに限定する、
「 民主中道」の新しい道を創造します。
●私たちのめざすもの
第1に、透明・公平・公正なルールにもとづく社会をめざします。
第2に、経済社会においては市場原理を徹底する一方で、あらゆる人々に
安心・安全を保障し、公平な機会の均等を保障する、共生社会の実現を
めざします。
第3に、中央集権的な政府を「市民へ・市場へ・地方へ」との視点で分権社会へ
再構築し、共同参画社会をめざします。
第4に、「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」という憲法の基本精神
をさらに具現化します。
第5に、地球社会の一員として、自立と共生の友愛精神に基づいた国際関係
を確立し、信頼される国をめざします。
●理念の実現に向けて
私たちは、政権交代可能な政治勢力の結集をその中心となって進め、国民に
政権選択を求めることにより、この理念を実現する政府を樹立します。
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■以上の内容を一言で「民主中道」と表現したが、私はこの表現は
内容的に適切ではないし、また政治戦略的に言っても不十分であると思う。
自民党との差別化が有効にできていないのが大きな難点であると考える。
むしろ、当初菅代表が言い出した「センターレフト」という表現、
のほうがまだわかりやすいのではないか。
ブレアはセンター・レフトをオールド・レフトとニュー・ライトのそれぞれと
対比させ、「オールド・レフトは変化に抵抗し、ニュー・ライトは変化に
向き合おうとしない」「センター・レフトこそが先頭に立たねばならない」と
語った。
英国労働党と米国民主党が中心になって、中道左派政党による国際会議を今年末
か来年初めに開催する構想をブレアは打ち出しているが、この流れと連携をとる
意味でもセンターレフトとしたほうが良かったのではないか。
センターレフトについては、次週もう少し詳しく述べたい。