国会通信 No.355
【懲りない自民党】
1998/7/21 (マンデーレポート第355回の要旨)
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■ 24日 橋本総裁の辞任表明を受けて、新たな自民党総裁選の立候補受け付けが
行われる。
マスコミは小渕、梶山、小泉3氏の比較に大いに沸き立っている。
特に見出しの中心は経済政策であり
恒久減税の金額を6兆円と明示する小渕氏を「財政の小渕」、
大手の銀行は半分あればよいとして金融改革に力点を置く梶山氏を
「金融の梶山」、10年間で中央省庁の役人を半分にすると明言する
小泉氏を「行革の小泉」などともてはやしている(日経20日朝)。
■ しかし、その前にもっと大切なことを忘れていないかと言いたい。
それは、今回の参議院選挙敗北の理由をどう考えているか、
そしてそれに対して自民党としてどう対処するのか、
という視点である。
この点についての各氏の言及は少ない。
一足飛びに、眼をギラつかせての権力闘争にいきり立っている。
ああ これではなにも変わらないだろうな。
やはり自民党の本質は「権力」のみでしかないのだなー。
真摯な反省なしで、新たな政権を作ったとしても失敗の原因は温存される。
これでは いつまで立っても政治の新たな進展などはないだろうな。
懲りない面々がお揃いの政党なのだなとテレビの画面から精気満々の諸先生の
顔を見ながら、大きなため息をついてしまった。
■ 橋本失政の本質は何だったのか。
それは以下の3つである。
1 情報の誤り
政策決定の基本的な判断材料としての情報を官僚に依存しすぎた。
2 政策内容の誤り
対策としての政策が、常に小出しであって、インパクトを持たなかった。
3 政策決定時期の誤り
政策がいつも後手後手になっってしまったこと。
そしてこの3つの失敗の背景をなしているのが、政官癒着の意思決定システム
である。
そして有権者はこのことをしっかりと見抜いている。
有権者は、「族議員」に代表される省庁と癒着した政治に「ノー」と
言ったのである。
この点についての認識が3氏には共通して欠けている。
だから対処策も語られない。
そして、3氏のだれが総裁・総理になっても自民党政治の本質は
変わりようがないと思う。
まさに「懲りない」自民党である。
■ もう一つ言わせてもらえば 3氏とも壮大なビジョンの提示がない。
すでに「暫定の色合い」などとマスコミに評されているので、
これはやむを得ないのかもしれない。
しかし、危機に直面したリーダーであればあるほど、
21世紀のあるべき社会像とわが国の進むべき方向性について
語ってもらいたい。それにより初めて危機に立ち向かう勇気が
わいてくるはず。身過ぎ世過ぎの経済政策も重要だが、
同時に未来への哲学も含めてビジョンを語ってほしいと思った。
それではおまえはどんなビジョンを提案できるんだと言われそう。
そこで一言付け加えると、
私は「市民と情報」こそわが国にもっともふさわしいビジョンだと考えている。
●(市民)→「公共」「産業」「市民」の3つのセクターが
バランスのとれた社会の構築。
●(情報)→「情報は核を超える」
人類の相互信頼を高める国際的な情報基盤の創造
そしてそれによる新たな平和のシステムの確立。