国会通信 No.359
【自民党とここが違う。民主党の金融再生法案】
1998/8/17 (マンデーレポート第359回の要旨)
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■ 臨時国会はお盆明けの本日から、衆議院の予算委員会が開始。
小渕総理の所信表明演説を中心に総括質疑が開始される。
参議院の予算委員会には20日に回ってくる予定になっている。
臨時国会の最大の焦点である、金融システム再生と景気対策をめぐって
早速与野党間の激しい論戦が展開される。
私も参議院の予算委員会のメンバーである。
先週の打ち合わせの結果私は21日に質問をすることになった。
いまその構想をねっているところである。
■ さて7月31日に発表された民主党の金融再生法案の要点を簡単に説明したい。
● 自民党案も民主党案も、破綻銀行を引き受けてくれる金融機関が現れない場合に、
公的金融機関にいったん継承させ、整理していく点では共通している。
しかし、民主党案はすべての流れにおいて
「大蔵行政との決別」
「徹底した情報開示」
「国民負担の最少化」
「速果断な処理」
を貫こうとしている点が大いに違っている。
● 民主党案と自民党案との比較
1 金融再生委員会 の設置 = 大蔵行政との決別
金融システムの再生にあたっての最大の焦点は、大蔵行政との決別である。
「いんぺい、先送り、場当たり」の行政によって国民・市場の信頼を失った
従来の大蔵・金融行政から切り離した金融再生委員会を設け、
この委員会が中心になって金融の破綻処理と再生計画を実行する。
自民党の案では、この点の問題意識が低い。すなわち、大蔵省との人的関係が
濃い金融監督庁が中心になって「金融管理人」を選任する。
この金融管理人がブリッジバンクを代表して破綻処理を行うことになる。
すなわち大蔵省との人的関係は連続する可能性は強い。
一方民主党の案では、金融監督庁のさらに上位に「金融再生委員会」を
新設する。
この委員会は大臣および経済・金融・法律に詳しい民間人3名の4人委員会と
し、委員の選任は国会の同意人事として、内閣の自由意思には任せない。
そして、金融監督庁をこの委員会が指揮しながら、破綻銀行の公的管理を行う。
このようにして大蔵行政との遮断をまず考えるのが民主党案である。
2 情報開示の徹底
金融機関の自己査定の結果をできる限り公表させ、金融機関の財務内容の
透明性を高めるとともに、金融再生委員会による厳正な短期集中検査により、
不良債権の実態を全面的に開示する。
3 破綻認定の客観主義
民主党案は「破綻」の意味を「業務もしくは財産の状況に照らして、
預金等の払い戻しを停止する恐れのある銀行」と一義的に定めている。
これに対して自民党は、この要件のほかに「業務運営が著しく不適切である
こと」等の内部事情を破綻の要件に付け加えている。
運営の適否の判断は主観によって相当に異なる。
これを破綻認定の主観主義と言うことができる。これに対し民主党案は
このような情状酌量の要件を認めない。
4 国民の負担の最少化原則を明記している。
公的管理銀行は、再生後に、極く低い価格で取得した株式を市場価格で
売却するため、売却差益を確保できる。
また、優良銀行等への資本注入をとりやめるとともに、整理回収機構(日本版
RTC)により不良債権の回収を強力に進める。
これによって、公的資金の投入を最小限にし、国民の負担を極力抑制する。
5 短期集中処理
金融機関の破綻処理・再生は2001年3月末までに集中的に実施する。
自民党案は、1年ごとの延長を3回まで容認する。計5年まで考えている。
これでは長すぎる。アメリカの例では、処理が長引くと、今健全な債権でも
約17%ほど不良債権化した。自民党案は最初から延長を考えている点で
果断を欠く。
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