国会通信 No.367
【金融再生関連八法 成立へ】
1998/10/12 (マンデーレポート第367回の要旨)
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【先週の出来事】
●10月5日(月)
8:00 駅前でのマンデーレポート実施後 上京。
10:00 金融対策本部 役員会
破綻前の資金注入問題について、自民党の案を検討。
かつ民主党の考え方について協議。
野党の足並みが乱れないよう、とにかく民主党の修正案を早く
公明、自由に提示すべきである旨 発言。
13:00 参議院本会議
金融再生八法案についての趣旨説明そして質疑。
自民党が野党案を「丸のみ」したため、民主党池田衆議ほか
野党中心のメンバーが本会議のひな壇に並ぶ。
堂々とした答弁に野党席からは大きな拍手が。
16:50 参議院金融特
本会議に引き続き、金融再生8法案の趣旨説明が行われた。
質疑は明日以降に。為替市場 不安定。審議を急がねば。
18:00 民主党 金融対策本部 開催。
情勢報告。
自民党が提出予定の早期健全化法案への対応は、野党の足並みが
大いに乱れつつある。自民党の巧妙な切り崩し。
特に公明は、同党の持論である景気対策の「商品券」法案に自民党の
協力が得られそうになって、大いにぐらついている模様。 発議者は
●10月6日(火)
9:30から18:00 参議院 金融特に出席。
一般質疑が行われる。
民主党からは、江田五月、斎藤つよし両議員が質問した。
18:20 民主党 広報委員会に出席。
民主党の広報戦略について議論。来るべき衆議院選の際は、
参議院側が広報活動の前面に出なければならない。
19:00 企画委員会 主催の参議院選挙結果分析。
広告関係某社 作成の結果分析レポート。
30代の主婦は選挙公報を結構読んでいる、
等の報告が目をひいた。
●10月7日(水)
8:00 金融対策本部 役員会。
9:30から19:00 参議院 金融特 に出席。
一般質疑の2日目。
民主党からは一期生の小宮山、浅尾、小川の3氏が質問に立つ。
NHKのキャスター、元興銀職員、弁護士とそれぞれの経験を
生かした質問が行われた。落ち着いている。たいしたものだ。
21:30 お通夜に出席のため宇都宮に戻る。
● 10月8日(木)
9:00 上京
11:00〜14:00
16:00〜19:30 参議院 金融特。参考人質疑。
参考人として、住専管理機構の中坊さんや、慶応の竹中教授、
全銀協の会長の岸さん、経済評論家の田中直毅さんなど
6人の参考人に対し質問。
「銀行は住専をごみ箱にした」と断言してはばからない中坊さんと、
「資金注入の要件は厳しくしてもらっては困る」と臆面もなく言う岸さん、
両者は午前午後に分かれていたため、残念がる委員たち。
私は、竹中参考人の以下のことばが印象に残った。
「もし、適切な引当をするとなると銀行部門全体が『債務超過』になる。」
「日本のばあい銀行からの借入金のウエートが高すぎる。
金融の代替ルートを作らねばならない。」
「厳しい自己査定、また資本注入についてのペナルティーをしっかりと
したうえで、資本注入を認めるべきである。」
15:00 金大中 韓国大統領 参議院本会議場で演説。
「奇跡は奇跡的に訪れるものではない」
「日本には、過去を直視し歴史を恐れる真の勇気が必要であり、
韓国は、日本の変化した姿を正しく評価しながら、
未来の可能性に対する希望をみいだす必要があります。」
などなど、感動的な演説を聞いた。
体を左右にゆすりながらゆっくりと歩く姿に、
「拉致」「死刑宣告」、獄中生活6年、自宅軟禁10年以上、
と五度の死の峠を超えてきた不屈の闘志を感じた。
● 10月9日(金)
8:00 金融対策本部 役員会
「公的資金投入」に対する民主党の考え方を最終的に決定した。
民主党の公的資金投入の原則を以下のように決めた。
「厳しい資産査定と引当を義務付け、不良債権の償却を促進させたうえで、
大胆に公的資金を投入する。」
■ 民主党の金融健全化スキーム
不良債権の早期抜本処理
↓
第2分類に15%、第3分類に75%の
強制引当
↓
不良債権の処理を先行させる
↓
資本不足が顕在化
↓
自助努力による資本増強
↓
公的資本注入も
菅代表から、さらに早期健全化のための民主党の決意を
明らかにするためには、資金注入枠も明示したほうが
良いのではないかとの指摘があった。
議論の結果以下のように決定した。
■ 預金者保護に必要な公的資金(=特例業務勘定) 17兆円
■破綻銀行の処理、不良債権買取のための資金枠
(=金融再生勘定) 20兆円
■過少資本銀行の普通株式を買い取って
公的資金を注入する資金枠(=早期健全化勘定) 30兆円
さらに、このメッセージをいち早く発するために、この日行われる
参議院の金融特の集中質疑の中で、私が発議者である池田議員に
質問し、その答弁においてこのことを明らかにすることになった。
今日の質問はNHKのテレビで中継されることになっている。
その機会を利用し、国民へのメッセージにしようというわけである。
9:30から15:00 金融特 集中質疑。
私が用意した質問項目は以下のとおりであった。
ただ持ち時間は25分をきってしまっていたので、
質問は大いに省略することになってしまった。
当日の日経新聞夕刊の一面には、池田議員に対する私の質問が紹介された。
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≪参議院 金融経済対策特別委員会 質問要旨≫
1 政治のモラルハザードについて。 (総理)
1)モラルハザード(倫理の破綻)は金融だけに当てはまらない。
政治も行政も、社会や経済いたるところに見受けられるのではないか。
いわば日本はモラルハザード列島。
とりわけ政治の責任は重い。
今回の金融再生問題でも、その処理を遅らせている最大の原因は
政治のリーダーシップの欠如である。
9月18日、小渕総理は、野党の党首と合い焦点となっていた
金融再生問題で、合意した。
しかしその直後クリントン大統領との会見の後、その合意内容と
まったく矛盾する発言をし、問題解決をさらに遅らせた。
その責任をどのように感じているのか。
2)日本の政治の悲しさは、深い意味の相互信頼が欠如している
ことにあるのではないか。与野党の間でも、場合によっては、
野党相互の間でも、そしてさらに議員相互の間でも。
私は、まさに政治の世界こそ、モラルハザードの最たるものではないか、
と時折考え込んでしまう。
たとえば、与党と野党との間であっても、
競い合いながらも、高い次元の信頼(国民の幸福を願う点では共通しているはず)
がなければならない。
ともに議院を構成するもの同士として、
競い合いながらも最低限の信頼が必要である。
そうでなければ政権交代など、できるはずがない。
これが欠如し、互いに猜疑心で見詰め合い、
率直な話し合いよりも、いつでも相手を落とし入れようとする。
そこに玉虫色の決着が生まれる。
そしてその場しのぎの対応になる。
それが最大の問題であったのではないか。
政治における最低限の信頼を、総理はどのように考えているのか。
所見を聞きたい。
3)今回、さらに問題の解決を遅らせたのは自民党の内部混乱であったように見受け
られる。
自民党と野党のそれぞれの若手の実務者は、率直な論議の上、
深い信頼のうえで金融の望ましいスキームをつめていったのである。
まさに新らしい時代の信頼関係の誕生であったように思える
しかし、それが何度もひっくり返されていく。
小渕総理は、このような党内の混乱を収拾するにあたって
どのようなリーダーシップを発揮したのかお尋ねしたい。
4)さらに、公的資金の注入先である金融機関から
自民党として多額の借金(140億円)があり、
返済分を政治献金として帳消しにしてもらっている。
自民党に対する債権は「第2分類」の要注意債権といわれかねない。
このようなモラルハザードをこれ以上続けてよいのか総理の所見を聞きたい。
2 金融再生問題の根本にあるものはなにか。 (大蔵)
1)困難な問題に直面しながら思うのは、この問題の根本は
日本の風土や、文化、国民性などの本質的な部分への問いかけが
行われていると感じている。一種の文化革命が迫られているのではないか。
たとえば、「ほんねと建前」という社会的な嘘を是認する文化が、
情報開示を遅らせてきたのではないか。
あるいは「表の数字」と「裏の数字」という「二重帳簿」を
当たり前としてきたのではないか。
さらに、護送船団方式はなにも金融の世界だけに限らない。
ある意味では、日本全体がもたれ合って生きてきたのではないか。
企業も、団体も、政治家も。
しかし、情報化時代そしてグローバル経済のなかではこのような考え方が
通用しなくなっている。
逆に、積極的な情報開示に信頼が集中する。
また、本音の議論を正々堂々と戦わせると、いった新しい流れを
社会を挙げてとりくむべきであると考えるが、大蔵大臣の所見を聞きたい。
3 大蔵省の過去の金融行政を総括してほしい。 (大蔵)
1)金融問題を、ここまで悪化させてしまった大蔵省の金融行政を
しっかりと、総括すべきである。
大蔵大臣として、いままでの大蔵行政の中でなにが悪かったのか改めて
指摘してほしい。
2)財政出動による対処をすべきときに金融政策で対処してこなかったか。
すなわち財政至上主義に陥りがちではなかったか。
4 新しい金融システムの望ましいあり方について。 (大蔵)
1)これからの望ましい金融システムのあり方をどう考えるのか。
2)昨日の竹中参考人の指摘の中に、わが国は金融機関からの貸し出しを
中心にした直接金融のウエートが高すぎるとの指摘があった。
貸し出し残高をGDPで割るとわが国は1.3、欧米は0.4程度である。
これらに代わる代替のルートをどのようにつけていくべきと考えるか。
大蔵大臣の所見を問いたい。
5 自民党提出の早期健全化法と廃案になる金融安定化法はどこがどう違う。
廃案の合意をしておきながら再提案するのは信義側違反ではないか。
1)自民党が今週提出した金融早期健全化法と、
3月の資本注入の際の根拠法とは、どこが違うのか。
具体的に指摘してほしい。
これは自民党総裁としての小渕総理にお聞きしたい。
2)先の合意の最大の焦点が、金融安定化法の廃止に合ったはず。
そのうえで、同じ物を出してくるのは論理矛盾であり、
信義則違背である
6 3月の失敗を繰り返さないためにはどうしたらよいか。 (大蔵)
1)3月には、金融安定化法によって1兆8000億円の資金注入が行われた。
しかし、「健全な」金融機関として1766億円の資金注入を受けた長銀が
3ヶ月もたたないうちにがたがたになっていった。経営改善も担保されず、
政府の資金注入は、まったく意味をなさないどころか、
大きな損失になろうとしている。
このことの教訓をどう考えるべきか大蔵大臣に聞きたい。
2)資本注入は、結果的に「危ない銀行」であることを
世間に教えることになる。これを避けようとして自発的には申し入れてこない。
このような任意制度をとると、結局だれも申し込まず、
自己資本増強のための貸し出し回収の結果、
余計貸し渋りを助長してしまうのではないか。
3)株式の評価についての「低価法」と「原価法」の二つがある
これについての選択制も上と同じ問題を生ずる。
4)公的資金を注入する場合は、
@ 厳格な資産査定
A 明確な経営者責任
B 不良債権の早期抜本的処理
の3つを条件にすべきであると考えるがどうか。
7 不良債権回収と暴力団対策について(法務)(国家公安委員会)
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17:00 金融特 金融再生関連8法案 採決。 可決。
(共産党反対。自由党一部反対。)
破綻金融機関の処理について、大蔵省の権限を排除した
金融再生委員会に一元化した処理スキームを内容とする
金融再生委員会設置法を中心にした8法案が委員会可決。