国会通信 No.374


 【インドネシア・タイ 金融・経済 視察】

1998/12/21 (マンデーレポート第374回の要旨)


◆ ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆  第144臨時国会の終了した12月14日から、民主党は東南アジアの金融経済事情を  視察するために調査団を派遣しました。  インドネシア・タイ と シンガポール・マレーシアの2つのグループに分かれま  したが、私は前者に所属しました。  岡田克也(衆)、島聡(衆)、上田清(衆)と私の4名が参加しました。   ◆ ジャカルタ ● 14日     19:00 インドネシア大使館から経済情勢のレク ● 15日     09:30 バンクインターナショナル訪問。       只野副頭取から現地の経済情勢を聞く。   11:30 日系企業との懇談会。 出席された方は以下のとおりです。       三菱商事ジャカルタ駐在事務所長 阿部正弘さん       東京三菱銀行 (ジ)支店長  池端角次さん       伊藤忠商事  (ジ)事務所長 相馬宏紀さん       National Gobel(松下電器)社長 大岡正美さん       本田技研 現地社長     田中詔一さん       三菱レーヨン 現地社長   豊口 晋さん   14:00 マイケル オウエンズ 在インドネシア米国首席公使に面会。   14:30  サイフル ハミッド サリムグループ取締役と会談。 ● 16日    08:00 アヒャル・イリアス (イ)中央銀行専務理事と会談。   09:30 シャリル・サビリン 同中銀総裁と会談。   10:30 (イ)民間銀行協会訪問  グナワン・スォノ会長等に面会。   13:00 ジャカルタ発。 ◆ バンコク ● 16日    19:00 日本大使館訪問。太田博大使や木寺昌人公使らからタイ国情勢の       説明を受ける。 ● 17日   10:00 ヴィラボン 元副首相と会見。   12:00 日系企業との懇談会。       タイ松下電器グループ代表 田村好正さん       〃 三菱商事    社長 有川武俊さん       〃 住友商事    社長 曽野明彦さん        新日鉄バンコク事務所長    荒 勝彦さん       伊藤忠バンコク支店長   豊田資則さん       日産自動車アセアン事務所長尾崎哲夫さん   14:00 スパチャイ大蔵事務次官 と面会。   16:00 チャトモンコン タイ中央銀行 総裁と懇談。   20:00 太極拳 アジア大会に出場している太極拳日本チームの応援。 ● 18日   10:30 アピシット 首相府 大臣と面談。   12:00 日系企業との懇談会。       東京三菱 取締役支店長 本村 博志さん       興銀バンコク支店長   長門 正貢さん       海外経済協力基金    森本 裕二さん   15:30 サイアム銀行 頭取  オラーンさんと面談。    20:00 帰国 ◆ 印象 【インドネシア】   ● 来年6月に総選挙の予定だが、その選挙制度関連法案は1月いっぱいを目途   に現在論議中。選挙制度が出来上がる瞬間、そして現実の選挙運動が活発になっ   てくるころ、この二つの時期に大きな山場ないし危機が来る予感。 ● 3から5%の華人が、経済の8割を握っていること、これがインドネシアの   究極の問題点。今年5月の暴動以来、華人はまだ経済活動を潜めている。高金利   政策も、華人の金利暮らしを許しているので、経済復帰を遅らす一因になってい   る。 ● 開発独裁型のリーダーが消え去り、政治的安定の基礎である国民の求心力の   対象が不在。選挙で正当性のある政府を作ることが急がれる。 ● ルピアの暴落は、底の17000ルピアから、現在は倍以上の7000まで戻してき   た。   インフレも落ち着いてはきている。 ● エルニーニョ現象、やルピア暴落によって肥料や農薬が買えなくなってしま   った、など農業の荒廃が非常に気にかかる。  【タイ】 ● インドネシアにも共通していることだが、IMFの「緊縮」「高金利」政策   の押し付けは、さらに経済危機を深刻化させたきらいがある。   現在は、当初のデフレ策を改めて金利も低めに誘導しつつ、   財政赤字を多少容認しながら、景気刺激をする方向に転換している。 ● 今年度から、投機目的の海外送金を5000バーツ以上は禁止した。   これによって投機の嵐に見舞われることは防げるようになった。 ● 商業銀行の国営化、またファイナンシャル・カンパニーの整理も一段落し、   一応の落ち着きは回復したが、不良債権の処理が完了するのには相当の時間がかかる。 ● タイにしてもインドネシアにしても、自力の急速な経済回復は無理。日本か   らの輸入の拡大など、日本が牽引力となる以外にない。 ● タイは、アセアンの各国の中では、もっとも大きな購買力を持った市場でも   ある。   また政治的にも国王の存在、選挙のそれなりの経験など安定している。これを見   越して日系企業の多くは、簡単な撤退など考えずに、がんばっている。   支援を怠ってはならない。 ● 消費は今年は最低。96年にピークに達した自動車の売上台数60万台は、今年   は8割減の14万台。   内需を当て込んで進出した企業にとっては、大変厳しい状況である。   しかし、今月になって消費税(10%)の納付額が対前月10%の伸び率を示した。   自動車、住宅関連で回復の兆しありとの見方も出てきたようである。 ● タイにしてもインドネシアにしても、マネーという大きな問題点と同じに   ミクロの政策・制度の整備が遅れている。   たとえば倒産法、強制執行法など、不良債権問題を解決するためには不可欠の制度が、   まだまだ不充分である。   不良債権の処理は、相当時間がかかる。