国会通信 No.383
【証券市場の改革】
1999/2/22 (マンデーレポート第383回の要旨)
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【先週の主な出来事】
● 16日(火)
1 中小企業活性化小委員会開催
一橋大学イノベーション研究センター 教授 米倉誠一郎氏から
「日本の問題点と中小企業」というテーマでヒアリングを行いました。
2 参議院政審勉強会 北海道大学教授 宮脇 淳氏から
「日本経済の政策課題」についてヒアリング。
● 17日(水)
1 科学技術・商工部会の合同会議 核廃棄物の中間処理施設について
ヒアリング。
2 雇用・新産業育成PT開催 早稲田大学教授松田修一氏から
「ベンチャー企業育成策」 についてヒアリング。
3 大蔵省金融企画局市場課から、株式市場の改革の現状と将来見通しに
ついてヒアリング。
4 国対・理事合同会議 開催。
● 18日(木)
1 栃木県の町村議長会50周年記念式典に参加。
2 議員総会開催。衆議院での予算の採決を目前にして、
参議院側の対応について協議しました。
3 政策審議会に出席。商工部会の重要法案について説明しました。
4 日本SOHOセンター(JSC)の花田理事長から、SOHOを取り巻く環境や
法的整備の必要性についてヒアリング。
(※SOHO=small ofice home ofice)
● 19日
1 高度情報化社会PT 第3回 開催。
東京大学社会情報研究所教授 須藤修氏から「デジタル経済と環境整備」に
ついてヒアリングしました。
電子商取引についての欧米の状況を中心にした話でしたが、
アメリカでは情報産業への投資が、全産業の投資額の50%を越えている
こと。
また電子商取引の規制については、法規制・罰則規定を中心に考える
EC側と民間に任せようとする日米の間で、違いがあること。
電子商取引の進展に従って個人情報の流出が心配されること。
それを防御するための暗号制度の創設等について日本は遅れており
早急な立法の準備が必要なことなどが報告されました。
2 広報委員会 開催。
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【証券市場の改革】
1 先週は、日本ベンチャー企業のあり方についての議論をたっぷりと行いました。
そして、多くの、問題点のうち、ベンチャーがのびていくための資金の話が
もっとも注意をひきました。
多くのベンチャーは、立ち上がりの資金やその後の運営資金に大変苦労しています。
その理由は複雑ですが、日本の証券市場が活性化されていないこと、
わが国の投資者(機関、個人含めて)の一般的な投資マインドの傾向、
銀行融資中心の我が国の経済のあり方など、その原因は奥深いものがあると思います。
2 証券市場から資金を直接導入することを直接金融、金融機関からの融資を受けて
資金を導入することを間接金融といいますが、日米の企業資金調達の比較をすると
以下のように日米は見事に対照的です。
日本は借入中心の間接金融が主力ですがアメリカは株式で資金を得る企業が
7割を越えています。
日本(合計889兆円) 米国(合計 1099億ドル)
直接金融 38% 84%
(社債 10%) (13%)
(株式 28%) (71%)
間接金融
=借入 62% 16%
3 この差がどこから来るか、それは文化や風土の違いかもしれません。
アメリカは、ハイリスク・ハイリターンを望む国。すなわち株を安く購入し、
値上がりを期待する国。
反面失敗しても文句は言わない国なのかもしれません。
一方日本は、堅実な利殖を望む国であり、株式市場に本来的にある賭博性を
あまり望まない国なのかもしれません。
4 しかし、それでは経済の活力はでてきません。
日本における直接金融の拡大をはかる必要があります
このため昨年金融システム改革法によって
●参入の促進(証券会社についての免許制を登録制に改める、
保険会社や銀行の子会社の参入を認める等)
●価格の自由化(手数料の完全自由化等)
●取引所集中義務の撤廃
●店頭登録市場の強化
などが改正されました。
5 特にベンチャー企業が利用する店頭登録市場については、
日本証券業界の規則改正(大蔵大臣の認可)が行われ、登録日における純資産の額
(=従来は2億円以上)を撤廃するなど、一定の前進がありました。
6 これによって、直ちにベンチャー企業が、証券市場から資金を大幅に融通し
やすくなるかどうかについては、今後の推移を見てみなければわかりません。
現在の厳しい経済情勢の中、投資家もなかなか積極的には出づらい環境にあります。
海の物とも山の物とも判断の付かない新事業に、簡単に投資するような雰囲気に
はなかなかなれないかもしれません。
また証券会社の方も、従来の護送船団方式の中で
独自の自信にあふれた企業診断のノウハウを持っていないかもしれません。
証取法が冒頭に歌う「投資者保護」「公正取引」「円滑な流通」の3つの基本
のうち「投資者保護」が、「必ず利益を保証する」ことと
勘違いされてきた伝統もあります。
今後の直接金融の拡大は、なかなか困難かもしれませんが、この部分についても
自己決定・自己責任の原則にたった発想転換が求められています。