国会通信 No.384
【いわゆる宮沢プランとは】
1999/3/1 (マンデーレポート第384回の要旨)
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【2月23日(火)】
● 全国ガス労連との懇談会を開催しました。
ガス事業法の改正案について意見交換しました。
● 雇用・新産業育成PTに出席しました。
「女性起業家育成について」
AMRインターナショナル代表取締役真弓敦子氏から話を聞く。
【24日(水)】
● 科学技術・商工合同部会 核廃棄物の中間貯蔵施設についてヒアリング。
今までの核廃棄物の処理政策の変遷及び各国の原子力エネルギーのコストに
ついて科技庁、エネ庁の担当者と意見交換。
高レベルの放射性廃棄物の最終処分については、まだ我が国の基本方針は
定まっていない。
また高速増殖炉によるプルトニウムの再利用計画もとん挫している。
そういう中で、核燃料廃棄物の中間貯蔵施設をどのように位置づけるのか
大きな問題だ。引き続き検討を続けることになった。
● 商工部会。電気ガス事業法の改正案について通産省公益事業部からヒアリング。
法案の主な内容
1 競争促進のための制度改正
1)電気小売りの自由化促進
特別高圧需要家(2000KW以上、2万V以上。全需要家の28%)
に対する小売り参入を自由化。
2)ガス大口小売りの自由化促進
年間契約が200万立米以上だったのを、100万立米に引き下げる。
2 料金制度の見直し
1)料金引き下げについては認可制だったのを届け出制に変更。
2)料金メニューの多様化。
● 通産省サービス産業企画局から「マイクロビジネス」に関する
あらたな取り組みにつきヒアリング。
「マ」とは(零細企業、個人業種)のことを指している。
担当者の言によれば今までの中小企業対策は、ともすれば製造業を中心に見てきた。
これに、新たな専門業種のサービス業や個人の生活支援のサービス業など特に
サービス業の分野では 新たな分野も生まれている。
これらに対応したいとのことである。
【26日〈金〉】
● 石海ゆきお氏の総決起大会が宇都宮市で開催されました。
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【宮沢プラン】
■ 昨年10月に開催されたIMF世銀の年次総会に出席した宮沢蔵相は、
席上「アジア通貨危機支援に関する新構想」を発表しました。
いわゆる宮沢300億ドル構想、またはいわゆる宮沢プランと言われているものが
これです。
■ 通貨危機に見舞われたアジア諸国の経済危機の克服を支援し、国際金融資本市場の
安定化を図ること、これがこの宮沢プランの目的です。
■ その主な内容は
1 実体経済回復のための中長期の資金支援として150億ドルの資金支援
2 経済改革を推進していくための短期資金需要に対する支援枠として150億ドル
合計300億ドル規模の資金支援スキームを用意する。
3 当面の対象国は、タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、韓国の
5カ国とする。
その具体的内容は以下のとおりです。
T アジア諸国に対する中長期の資金支援(=150億ドル)
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1 通過危機を乗り越えるための中長期資金の調達を支援する。
(1) 民間企業債務等のリストラ策及び金融システム安定化・健全化対策
(2) 社会的弱者対策(ソーシャル・セーフティー・ネットの拡充、強化)
(3) 景気対策(雇用促進的な公共事業の推進等)
(4) 貸し渋り対策(貿易金融の円滑化支援、中小企業支援)
2. 支援の方法
(1) 直接的な公的資金協力
〈1〉 輸銀融資による資金供与。
〈2〉 アジア諸国の発行するソブリン債を輸銀により購入。
〈3〉 円借款の供与
(2)間接的支援(=アジア諸国が国際金融資本市場から資金調達する際のバックアップ)
〈1〉 保証機能の活用
イ)輸銀による保証
・ アジア諸国が民間金融機関から借り入れを受ける際に輸銀が保証する。
・ アジア諸国がソブリン債を発行する際に輸銀が保証する。
(これについては所要の法改正が必要である)
ロ)貿易保険の適用(→アジア諸国が民間金融機関から行う借入に対して)
ハ)世界銀行及びアジア開発銀行に対し、アジア諸国の借入及び債券発行に
よる資金調達に対して積極的に保証を行うよう要請する。
ニ)将来的には、アジア諸国を中心とする新たな国際的な保証機構の設立が
真剣に検討されることを期待する。
〈2〉 利子補給
● 基金の設立
利子補給等を行うためのファンドとして、我が国の拠出により
「アジア通貨危機支援資金(仮称)」を設立する。
● 利子補給
上記基金の資金を活用し、輸銀や民間金融機関等のアジア銀行と協調した融資
に対して利子補給等を行う。
● 他のアジア諸国の参加
本資金は、他のアジア諸国にも開かれた枠組みとする。
(3)国際開発金融機関との協調による資金支援
●世界銀行及びアジア開発銀行と協調してアジア諸国に対する資金支援に努める。
●特に、民間企業債務等のリストラ及び金融システム安定化に向けての取り組みに
よりアジア諸国政府が抱える資金需要に対し、世界銀行及びアジア開発銀行が
最大限の支援を行うよう要請し、その際、我が国としても協調して資金支援する。
(4)技術支援
日本特別基金を積極的に活用し、アジア諸国が民間企業債務等のリスト
ラ及び金融システム安定化のための総合的な対策を実施するため、これ
ら諸国に対して必要な技術支援を行うよう世界銀行及びアジア開発銀行
に要請する。また、このような総合的な対策を実施するため、我が国と
しても、個別国の実情に応じ、必要な技術支援を行う。
U アジア諸国に対する短期の資金支援(=150億ドル)
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アジア諸国が経済改革を着実に推進していく過程で、貿易金融円滑化等の短期の
資金需要が生じた場合に備えて、スワップ等を用いた総額150億ドルの短期資
金を用意する。
我が国としては、これらの施策の実現に向けて、国際開発金融機関及び関係諸国、
特にアジア太平洋諸国及びG7各国と協調していくこととしたい。
(注 スワップ=たとえば日本の持っているドルとインドネシアの通貨ルピアを
一定レートで交換する。やがて目的を達した時点でもとの交換レートで
戻してもらう)
■ 宮沢プランの評価
1 先日、韓国大使館の要人とお会いした際、最近韓国での対日感情はすこぶる
良くなっているという話を聞きました。
また昨年のインドネシアと・タイの訪問の際も対日感情が極めて良くなっている
との話を聞いた。
その理由をいくつか挙げてみると
〈1〉日本の景気が良くないことはアジアでも良く知られている。
そんな状況下でも支援しようとしていることへの感謝の念。
〈2〉アメリカが、口は出すが資金まで出そうとしないことへの反発。
〈3〉アメリカの現地企業が、業績悪化を理由に撤退するか、企業売却するのと
比べて日本企業は現地に踏みとどまっているものが多い。
などのことかと思います。
2 このような背景の中、宮沢プランが発表されたことはとても良いタイミング
だったと思います。
日本の一部には、アジアへの支援よりも自分の国のほうが先だとする考えもあります。
しかし、いまや一国の経済だけ考えうるような状況ではありません。
アジアと日本の経済は密接にリンクしています。その状況は以下のとおりです。
3 ある銀行系のシンクタンクの推計によると
《1》 日本の100億ドル需要増は、東アジアの生産を3.97億ドル誘発し輸出を
2.09億ドル誘発する。輸出は53%増である。
《2》 東アジアの100億ドルの需要増は、日本の生産を12.73億ドル誘発し輸出を
5.77億ドル誘発する。輸出は45%増である。
日本にとって、いまやアジアは世界でもっとも関係の深い
エリアになっているのです。
4 したがって宮沢プランは、アジアと日本の連携をより深化させるためにさらに
効果的に使われるべきです。
また、円の経済圏の拡大のためにも、円建てで実行されるのが望ましいと考えます。
5 現時点では、わが国はすでに145億ドル相当の支援表明をしています。
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参考 宮沢プランの進捗状況 (99/2/5現在)
(各国に対して、わが国が支援表明しているもの)
輸銀 基金 短期 合計
タイ ・経済金融構造改革 ・経済復興&社会セクタープログラム
=6億ドル相当円 =2.5億ドル相当円
(※世銀との協融) ・農業セクタープログラム
・製造業支援 =2.5億ドル相当円
=7.5億ドル 18.5億ドル
インドネシア・IMFとの並行融資、 ・商品借款、
世銀アジ銀との協調融資 保険栄養セクター開発プログラム
など ソーシャルセーフティーネットプログラムなど
合計 =15億ドル相当円 合計 =9億ドル相当円 24億ドル
韓国 ・アンタイドローンとして 短期金融ファシリティー
=23.5億ドル相当円 最大限=50億ドル
73.5億ドル
マレーシア ・輸出産業支援 ・円借款7案件
=5億ドル程度 =10億ドル程度 15億ドル
フィリピン・電力部門改革 ・メトロマニラ大気汚染改善プログラム
=3億ドル相当円 =3億ドル相当円
(アジ銀協融) (アジ銀協融)
・銀行システム改革
=3億ドル相当円
(世銀協融)
・民間部門育成
(ヒ開銀協融)
=5億ドル相当円 14億ドル
合計 ・68億ドル ・27億ドル ・ 50億ドル ・145億ドル
(備考 その他貿易保険として タイ=5億ドル相当円、マレーシア5.6億ドル相当円)