国会通信 No.386
【女性起業:アメリカの現状】
1999/3/15 (マンデーレポート第386回の要旨)
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【先週の出来事】
【8日(月)】
● 参議院本会議開催。
自治大臣から、地方財政計画の報告を聴取。
さらに地方交付税法等の一部を改正する法案の趣旨説明。質疑。
● 環境問題シンポジウム
【9日(火)】
● 経済産業委員会。ものづくり法案について提案、採決。
その後、先週の大臣所信に対する質疑を行いました。
● 長年、遊説部隊でウグイス嬢をやってくれた下川嬢が
急性脳内出血で危篤状態に陥る。最終の新幹線で宇都宮に帰り、
意識が戻らない彼女を見舞う。
選挙の都度一緒に走ってくれた彼女の姿を思いつつ、涙が止まらなかった。
なんとか元気になってほしい。
【10日(水)】
● 科学技術商工 合同部会
使用ずみ核燃料の中間貯蔵施設について議論。
● 本会議:ものづくり法案 全回一致で可決。
● 国対理事合同会議
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● 先々週開催された民主党の新企業雇用育成PTにおいて、A.M.R.インターナショナル
の真弓敦子氏からヒアリングした。
アメリカの女性起業の現状やそれを支援する法制は大変刺激的だった。
日本においても元気な女性たちの活躍は目を見張るものがある。
アメリカの現状はある意味で日本の将来像でもある。
さらに、アメリカが用意している女性支援のためのさまざまな法律群や、
行政のバックアップシステムは多いに参考にすべきである。
●アメリカの政治の特徴のひとつはそのダイナミズムである。
ここがポイントだと見ぬけば、そこに全精力を集中してくる。
「女性の経済活動」が経済活性化の切り札であると思えば、
そこに立法化、行政化、の考えうる手段を集約的に投入してくるといった
印象である。
●最近時々考える。アメリカは、かつての日本の「親方日の丸」方式を
徹底的に模倣してきたのではないかと。
高度経済期の日本の集中豪雨的な対米進出。日本の成功の秘密は、
官民一体になったシステムであったとアメリカは喝破した。
そして自らの伝統であった、自由放任主義をかなり意図的にかつ大胆に修正した。
しかし、アメリカの巧妙なことは、内にあっては「親方日の丸」手法を積極的に
採用しつつ、外、すなわち日本に対しては「親方日の丸」を弱体化しようとした
ことである。
日本は、まんまとアメリカの術中に陥った。
ご用心。ご用心。
● 以下彼女のレポートを抜粋したい。
【アメリカ経済における女性の活躍ぶり】
― 経済の主役はスーパーウーマン ―
1 アメリカの中小企業の現状
☆ アメリカの中小企業の数は2200万社、全労働者の50%以上を中小企業
が雇用。
☆ GDPの50%以上を占める。(中小企業庁の統計)
2 女性起業家の現状
☆ 1996年現在、女性起業家は800万社で、全米の会社の36%。
☆ 一般企業の2倍の速度で増加。
☆2000年には、アメリカのビジネスの半分は、女性起業家によって占められ
ると予測。
☆売り上げは、ほぼ2兆3千万ドル。(276兆円)
1995年の女性起業家の会社の雇用者数は、1850万人。
(フォーチュン誌による世界大手500社の雇用者総数1400万人より多い)
☆ 業種の内訳
サービス業(51.6%)、小売業(18.9%)、
金融・保険・不動産(10.4%)に集中。
最近の傾向:非伝統的な分野への進出が著しい。
例 建設業の企業数は2.7倍、 輸送・コミュニケーションでは2.3倍、
製造業は2.1倍。 (全米女性ビジネスオーナーズ基金の統計)
☆ マイノリティー(少数民族)の女性の進出が著しい。
1996年に110万社にのぼり、過去9年間に2.53倍増加。
一般企業の伸び率に比べ、3倍強。(全米女性ビジネス・オーナーズ基金の統計)
☆ホーム・オフィスも急増中。在宅ビジネス人は、現在約4500万人。
(全米在宅ビジネス協会より)
【女性起業家に対する法律上のバックアップ】
4つの法律が女性の企業活動に対して大きなバックアップをしている。
1 雇用機会均等法とアファーマティブ・アクション
2 融資機会均等法(1974)
3 連邦政府取得合理化法(1994)
4 女性ビジネス・オーナーシップ法(1998)
1 雇用機会均等法とアファーマティブ・アクション
(1) 公民権法第7篇(1964)
・ 雇用における差別一般を禁止。
・ 執行機関―雇用機会均等委員会
・ 罰則規定―金額の段差のある損害賠償規定あり。
(2) 雇用機会均等大統領命令11246号
・ 連邦政府調達の指名業者および下請け業者の雇用における差別。
・ 執行機関―労働省連邦政府調達契約遵守プログラム・オフィス
差別を取り締まる警察のような役目。
抜き打ち検査、苦情申し立て処理、裁判での女性擁護
・ 罰則―段階に応じ、政府調達契約破棄、損害賠償の支払い、
政府調達資格剥奪等。
(3) 労働省女性局 以上の法律を促進する為に、
情報収集・分析、教育プログラム開発を行う。
※ アファーマティブ・アクション
=差別を禁じた法律を推進するための具体的なアクション・プログラム。
→差別で雇用されない人々を、いかに雇用するか、目標・手段を記したもの。
☆雇用・教育・政府調達の3分野に関係する。
☆雇用者は必ず、アファーマティブ・アクション・プログラムを各自作成
し、所持しなくてはいけない。
2 融資機会均等法
☆金融機関が融資をするあたり、
性差・人種・宗教・国籍・結婚・年齢・公的援助プログラムからの収入で、
差別をするのを禁じた法律。
☆ 連邦準備制度理事会(FRB)が細則を規定する。
☆執行機関―法務省および州の司法長官
初めは、消費者への融資が対象だったが、1990年代初めに企業向けの
融資も対象に含まれた。
☆罰則規定―1個人の場合、実際の損害額の加え、最高1万ドルを超えない罰金。
集団訴訟の場合、最高50万ドルか、債権者の純資産の1%を超えない額。
3 連邦政府取得合理化法
・ 連邦政府調達の5%を女性起業家に与えることを目標に定めた法律。
・ 罰則規定は存在しない。
・ 執行機関―中小企業庁及び各省庁の中小企業促進室
・ 中小企業庁が、女性企業を検索できる中小企業のディレクトリーを作成・所有。
・ コンピューターのデータベースも現在作成中。
・ 連邦政府の調達パターンを分析し、どの分野に女性起業家がもっと
進出できるかを検討する。
・ 各省庁の中小企業促進室は、それぞれ独自に女性起業家の為のプログラムを開発する。
・ 女性起業家の為の政府調達パイロット・プログラム
―政府調達を促進するためのマーケティング、法律、経営についてのセミナー
を実施する。
4 女性ビジネス・オーナーシップ法
・ 1979年中小企業庁の中に、女性ビジネス・オーナーシップ・オフィスを
設立。
・ デモンストレーション・センター、メンタリング・プログラム、債務保証パ
イロット・プログラムを開始。
・ 政府代表と民間代表(女性起業家・協会)から成る全米女性ビジネス評議会
も1994年に設立されたが、この法律に明記されている。
以上のように、かなり網羅的な手厚い女性支援が行われている。
またさらにクリントン政権自体も、従来からの女性支援の動きを
強力にバックアップしてきた。
【行政上の支援措置】
・クリントン政権は、積極的に女性起業政策を推進してきた。
「女性オーナーのビジネスは、経済の最も成長が早い部門となっている。
連邦政府省庁は、女性の経済的機会を進めるコミットメントをするべきである。」
―クリントン大統領
・以上の認識の下で中小企業庁や女性ビジネス・オーナーシップ・オフィスに
よる財政 援助、経営テクニカル援助を行ってきた。
・また中小企業庁は連邦政府調達データセンターを使って、政府の調達パターン
を分析し、どの業界や場所が女性起業家に下請けさせているかを見極め、連邦政
府購入の商品やサービスの一覧表を出版している。
その他 全米ビジネス女性評議会や、女性ビジネス・エンタープライズ政府間委
員会などが、 女性起業家の為の様々なプログラムなどを作成したりコーディネ
ートしたりしている。(例 女性起業家の成長を容易にする公共・民間部門の
協力の為の包括的計画をデザインする)