国会通信 No.387
【コンピューターと障害者】
1999/3/23 (マンデーレポート第387回の要旨)
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【先週の出来事】
【15日(月)】
● 経済産業委員会 予算委員会の委嘱審査を行う。
● 参議院本会議開催。
中小企業経営革新法及び中小企業総合事業団法についての趣旨説明及び
質疑を行う。
前者は、従来の近代化促進法を改正し、外部環境の変化に伴う経営環境の
悪化やベンチャーへの取り組みに対しても、中小企業を支援できるように
したもの。
後者は、繊維事業団や中小企業事業団を発展的に統合するもの。
● 石海ゆきお公開シンポジウム 「ボランティア活動とNPO法」にパネラー
として参加。
【16日(火)】
● 中小企業活性化小委員会。
元気な中小企業の活躍ぶりについて 中沢孝夫氏の話を聞く。
● 大蔵・商工合同部会。「国際協力銀行法案」について論議。
【17日(水)】
● 両院議員総会 周辺事態法案について論議。
● 参議院本会議 平成11年度予算について
自自以外の野党は結束して反対。反対多数で否決。(212対219)
● 両院協議会開催。協議。当然不成立。結果として衆議院の結論とおり
予算は成立。衆議院優越の憲法規定の存在はどうしようもない。
【18日(木)】
● 民主党と日弁連有志の懇談会開催。
アジアの法律が中共を筆頭に、急速にアメリカ法の影響下に置かれつつあるこ
とに懸念を表明し、日弁連の注意を喚起しました。
【19日(金)】
● 東北自動車道 鹿沼ICと大谷PSの6車線化竣工式に出席。
【20日(土)】
● 宇都宮市内を市長立候補予定の石海さんとともに遊説
● 第7回「ふるさと民謡民舞の会」に出席。
船田・渡辺両衆議院議員に続いて来賓挨拶。渡辺氏が支持する梶市長候補
の一万人集会をアピール。それなら私もと、石海さんをアピール。激しい
前哨戦が観客の笑いを誘いながら展開。
● 福田浩二市議総決起大会に出席。
【21日(日)】
● 吉田公平県議立候補予定者の那須町総決起大会に参加。
アキレス腱を切りながらも健闘を続ける吉田さんを激励。
● 石海さんとともに、市内5ヵ所で遊説。
● 石海さんとともに女性活動家の集会に出席。
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● 先日、高度情報社会PTで東京大学教授の坂村 健さんから
「バリアフリー技術とそれを生かす社会基盤」というテーマの話を聞きました。
広汎なたいへん興味深い内容の話でしたが、特にコンピューターを通して見た
「障害者」に対する考え方については深い感銘を受けました。
● 私も「障害者」という言葉は余り好きになれません。言葉のはじめから差別
的なニュアンスを感じます。健常者が原則であって、障害者が例外であるとの誤
った考え方を助長しているのも「障害」という言葉ではないでしょうか。人間は
だれでも、高齢化すればいろいろな能力を減退させていくのです。誰もがやがて
いわゆる障害者になるのです。
また障害者は、ある能力を減退させていたといても、その代わりに他の能力は発
達しているのです。
トータルな能力は、すべての人間が基本的に平等であると考えるべきでしょう。
● こんな考え方で「障害者」に代わるべき良い言葉がないかずーっと考えてき
ましたが、残念ながら、まだ良い言葉にめぐり合えずにいます。私の後援会長の
長島さんにこのことを話した事があります。そのとき彼は「実は自分も同じ事を
考えてきた」と言いつつ、障害者は別の分野ではすごい能力を持っているのだか
ら「異能者」と読んだらどうだろうと話されました。ただ、響きがすこし堅すぎ
るような気がします。また英語でも「ディスアビリティー」というようなので、
あまりニュアンスは変わりませんね。そんなわけで残念ながら良い言葉にまだ出
会っていません。
● さて、そんな障害者をバックアップするために、コンピューターはすごい可
能性を持った道具であると考えてきました。そして、コンピューターのこの側面
をもっと伸ばすべき法制度をしっかり作るべきであると考えてきました。そんな
私の考え方にピッタリの話を坂先生がしてくれたのです。
● まず、コンピューター利用における「障害」とは何かです。
「利用者が"障害"を持っているから使えない」と考えるべきではありません。
むしろ「利用者の身体特性と周りの環境が"ミスマッチ"を起こしている。
そしてその結果コンピューターが使えなくなっている」と考えるべきです。
たとえば「 物が見えない」原因は「利用者の目が不自由」な場合もあれば
光がないから見えない場合もあります。
また「音が聞こえない」のも、発音体の周囲の環境が騒がしくて聞こえない場合
もあれば、「水の中で音が伝わらない」場合もあります。
すなわち普通の人だって環境とのミスマッチがあれば、機能障害を起こすことが
あるわけです。
● したがって障害を持つことの意味を、以下の様に理解すべきです。
(1) ミスマッチの原因がたまたま、恒常的に利用者側にある場合を
"障害を持つ"と呼ぶ。
(2) 絶対的な「障害」があるのではない。身体と環境との相対的な問題。
ととらえるべきである。
そしてコンピューターを「不可能なものを可能(Enable)にする技術の総称」
と位置付け、障害者に使いやすいコンピューターを開発することを
基本に考えることで、わが国の社会や経済に新しい可能性を見出していこう
というのが坂教授の主張です。
● たとえばアメリカには以下のようなコンピューターによる
障害者支援の法律がある。これは多いに参考にすべきであろう。
(1) 米リハビリテーション法508条(1988年10月)
−障害をもつ連邦政府職員が電子事務機器を利用できることを保証する。
−政府に納品する機器は身障者を配慮したものに限られる。
−メーカーは障害者向きの機能を必ず用意する必要あり。
【障害者対応ができないパソコンは連邦政府は買わない】
(2) ADA(Americans with Disabilities Act)(1990年7月)
−企業は障害者という理由で採用の差別禁止。
−企業は働く環境を障害者がアクセス可能にする義務を負う。
−企業側は障害者のために個別の対応が必要。
・ボイスメール、キーボード、マウス、音声読み上げ…
【障害者が働けないような職場環境を作ってはならない】
(3)Television Decorder Circuitry Act (1991年)
−1993年より米国で販売される13インチ以上のテレビには
聴覚障害者のための字幕(CC:Closed Caption)表示回路の組み込みが義
務づけ。
−全国のニュース、子供番組はすべてCC字幕付きになっている。
【高齢者のためでもある。耳が遠い老人にとってもよい。】
日本では、アクセシビリティ指針が発表されているが、法制化されていない。
● 先週説明した女性起業化支援のための法律にしても、アメリカは多いに進ん
でいる。
今回の障害者とコンピューターにしてもアメリカの法律は徹底している。
学ぶべきことはまだまだ多いのである。