国会通信 No.391


 【統一地方選挙の総括】

1999/5/10 (マンデーレポート第391回の要旨)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【統一地方選挙の総括】  統一地方選挙が終った。  民主党としてはじめて臨んだ統一地方選挙である。  地方政治においても、自民党に対抗する勢力としての基盤づくりには成功したと  言って良い。  しかし、都知事選挙の敗北、そして宇都宮市長選挙での敗北は、私に身を切るような  痛みを与えた。  正直言って、現在に至るまで、その衝撃から立ち直れずにいる。  ガイドラインの問題や、コソボ問題など重大な問題が山積しているが、どうも頭が  簡単に切りかえられずにいる。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【宇都宮市長選挙の敗北】  宇都宮市長選挙が終った。  私が選挙事務長を務め、連合推薦、民主党推薦で戦った石海ゆきお氏は四万三千余票で  第三位。  自民党推薦、森山・渡辺両派が推した梶氏は六万票で第二位。  市長に当選したのは船田派が推した福田富一氏。七万余票であった。  梶・福田両氏がともに県議出身であるのに比べて石海氏は通産省のOB。  知名度不足を乗り越えて、短期間で四万票以上の支持を得たのは大健闘ではある。  しかし結局当選できなかった。  いま私は痛切な慙愧の思いで一杯である。 ● 1 選挙戦で訴えたこと  今回の選挙戦にあたって訴えた主な点は以下の2点である。 (1) 政治を私物化するな。      自民党の内部分裂、派閥抗争の結果で市長が決まってはならない。     また引退する市長の後継者指名がまかり通ってはならない。     市長ポストは、引退市長や派閥の私物ではない。     市長を決めるのは市民。     「宇都宮は船田の城。」を合言葉とする福田陣営にしても、     「後継者」指名を受け森山・渡辺両派の支援で戦った梶陣営にしても、     基本の発想は同じ。ポストを私物化している。     腐敗の原点は政治の私物化である。 (2) 景気対策=公共事業との発想との戦い。     選挙の姿は、当選後の政治の姿を見事に暗示する。     自民党系2候補の選挙は、企業のしめつけ・物量選挙である。     豪華な巨大プレハブ、バス動員の大集会、圧倒的な数の政党ポスター     等々目に見えるだけでも巨額の費用をかけての選挙。     そして選挙をやらなければ仕事をやらないとのオドシ。     業界や個別企業に、物心両面で大きな借りを作っての選挙。     それで当選しても、結局考えるのは「予算」を使った「恩返し」。     景気対策=公共事業との発想から抜け出られない。     この流れを変えなければ、いつまでたっても福祉・教育・環境等の     予算は圧迫されつづける。 ● 2 選挙戦略    石海候補は初めから民主党推薦・連合推薦で出馬する意思を明らかにしていた。    この点は、鳩山邦夫さんの場合とは異なっている。    ただ、労組嫌いや自民支持者、公明支持者へのアプローチを考えてあまり強調    しない作戦をとった。    しかし、三月上旬に民主党が実施した第一回目の世論調査を分析すると、    民主党支持者と昨年参議院選挙でやなせ進を支持した人への浸透が極めて    遅れているとの結果が出た。    その結果、三月中旬以降、石海=民主、石海=やなせを徹底してアピールする方向    に転換した。 ● 3 選挙戦術 (1)大変だったトリプル選挙    市長選挙は、その2週間前に行われた県議選と同日選挙となる市議選の    実質的なトリプル選挙であった。    民主党の公認・推薦の候補者との連携を私はかなり期待していた。    もちろん「自分党」の自民党と比べれば、段違いの密度であるが、地域的な事情や、    陣営内部の事情によって温度差はどうしても出てしまう。    さらに事務所のスタッフも、昨年の参議院選挙と違い、各陣営に分散し少ない人員    の中で戦わざるを得なかったのが、非常にきつかった。 (2)街宣中心    石海候補の 認知度を急激に上昇すること、そして民主=石海、やなせ=石海の    関係性の認識を高めるために、とにかくできるだけ市内各所で、石海・やなせの    セット街宣を行うことにした。    これは、スタッフ不足の現状から来た苦肉の策という側面もある。     そしてこの戦術は、告示後も継続して行われることとなった。    都知事選後民主党のビッグネームの出動をお願いできやすくなったこともある。    さらに宇都宮市長選挙が、県庁所在都市で自民対民主の対立構造で行われる    数少ない選挙戦であったこともこの作戦を容易にした。    応援に来てくれた皆さんは以下の通りである。    遊説カーに乗り、ずぶぬれになりながらも、いやな顔ひとつ見せず、真剣な応援を    してくれた一人一人の皆さんに、心から感謝申し上げます。         ☆ 応援に来てくれた民主党関係者 ☆           16日  大畠章宏(衆)           17日  細川律夫(衆) 枝野幸夫(衆)           18日  菅 直人代表  小宮山洋子(参)            19日  羽田孜幹事長  枝野幸夫(衆)                樽床伸二(衆)  郡司 彰(参)            20日  岩國哲人(衆) 高嶋良充(参)               21日  古川元久(衆) 生方幸夫(衆)                 鍵田節哉(衆) 福山哲郎(参)            22日  鹿野道彦(衆)            23日  今井 澄(参) 小宮山洋子(参)                内藤正光(参)           24日  鳩山幹事長代理 ● 反省点  (1)民主党としての組織基盤の未成熟     市長選挙は、市議会議員の選挙と同時に行われる。     市議選対に市長選挙の上乗せを過剰期待してはならなかった。     市長選挙を中心にして戦える民主党独自の組織がもっともっと     強化されねばならない。    (2)無党派層とのネットワーキングの不充分性     いわゆる無党派層の中でも政治的意識の高い人たちで政党支持を固定化されたく     ない人たちや、あるいは漠然とした民主党シンパの皆さんへのネットワーク化を     もっと進めていかなければならない。  (3)民主党の政策イメージの揺らぎ     自民党との対決色が明瞭でない。自民党と政権交代を争いうる唯一の政党が     民主党であるとの観点を、政策の側面でもっとしっかり出していかないと、     自民党の激しい内ゲバにマスコミの目は行ってしまい、どうしても埋没しがちに     なる。 ●二大政党制の枠組みを地方からも構築する。  これが、今回の統一地方選挙の意義であった。  しかし変革の歴史のすべてがそうであるように、一朝一夕で成し遂げられるものでは  ない。  倦まず弛まず、一歩一歩進んでいくしかない。がんばるしかない。