国会通信 No.396


 【知的財産権の総合的戦略を】

1999/6/14 (マンデーレポート第396回の要旨)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【先週の主な出来事】 【7日(月)】 ●参議院本会議。 条約承認案件の 趣旨説明・質疑。 【8日(火)】 ●経済産業委員会   核原料物質・核燃料物質及び原子炉等規制法案            先週審議不足を理由に先送りされたもの。            2時間の質疑の後、採決。            共産党をのぞく各会派の賛成で可決。            私は、附帯決議ぎを各党を代表して提案しました。 ●「盗聴法を廃案にする民主党集会」に参加。  参議院の法務委員会理事 円より子さんの司会で、日弁連代表の弁護士神洋明さ  んや作家の猪瀬直樹さんを講師にして、盗聴法を参議院で廃案に追い込むために  は考え付く限りのことをやろう(菅代表)との意見で一致しました。 【9日(水)】 ●商工部会 開催。 中小企業対策について、中小企業同友会の代表から           陳情を受けました。           特に事業所承継税制についての陳情が印象に残りました。           欧米ともにそれなりの制度があるのに、日本にはまだありません。           農業後継者のための制度はふるくからあるにもかかわらず。           早急に制定すべきです。 ●本会議開催  議運が必死に抵抗してきた「組織犯罪三法案」ですが、         衆議院送付から1週間以上経過。これ以上の引き伸ばしは限界という         ことになり、この日の本会議での趣旨説明・質疑の次第となりました。         民主党からは、昨年の参議院選挙で東京選挙区から当選した小川敏男         さんが質問。         弁護士出身らしく、違法捜査であるにもかかわらず、裁判所が令状を         発布してしまった事例を列挙。         裁判所の捜査機関へのチエックの甘さを指摘しました。         実際、捜査機関から要求された令状の却下率は0.05%。         すなわち、捜査機関が求めた捜索令状の99.95%が裁判所を         パスしている、これが現状です。         日本の裁判所は明らかに捜査機関に甘いといえるでしょう。 【10日(木)】 ●高度情報化社会PT  三役(正副座長 事務局長)会議 開催。             今後の進行について協議しました。 ●知的財産権戦略小委員会  委員長・事務局長会議 開催。                私が委員長を務めるこの委員会の主な課題について               事務局長の大畠衆議院議員と打ち合わせをしました。               (詳細は後記)     【4日(金)】 ●高度情報社会PT  「使いやすく安全な」情報通信機器について            神戸大学 助教授 喜多伸一氏からヒアリング。            機械の物理的性能向上だけでは、だれでも安心して使える            コンピューター社会は実現できない。            情報科学と人間科学の総合が重要との主張、そしてそれを            実感させる「顔」の情報通信研究のレポートはかなり面白かった。      また、電子会議システムについて触れたときの指摘      =「『三人寄れば文殊の知恵』は幻想かもしれない。      集団思考は一人の思考よりも劣る場合もままある。      専門家・熟達者どうしによる『合議の知』こそ望ましい。」      は国会の現状を見るとき、耳に痛いなと感じました。 ●福島県で開催された、全国中小企業団体連合会第16回大会に党を代表して  出席。  「日本の中小企業は、生産の56%、雇用の78%、企業数の99%。  21世紀の日本の産業構造の中で中小企業のしっかりとした位置付けを  与える努力をしていきたい。」等挨拶しました。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【知的財産権の総合的戦略を】 ●知的財産権のテーマは、日本の将来がかかっている大きなテーマです。  そして検討分野も通産省関係のみならず以下のように広汎です。  1 日本の教育機関や企業内研究所等の知的創造力をいかに高めるか。                            ( 対 文部省)  2 「特許権」と「著作権」の総合調整。       ( 対 文部省)  3 知的財産の活用や普及をどうするか。    たとえば政府調達の活用。     (対 建設、農水、運輸、厚生)  4 知財・保護の制度の強化。                たとえば特許裁判所や特許弁護士、特許専門家の養成など。( 対 法務省)    アメリカのUSTRのような輸入対策等水際での対応。(関税当局等大蔵省)               5 グローバルスタンダードの構築にいかに関与するか。   ( 対 外務省)    その他にも数多くの課題があげられます。 ●今までの日本は、これらの大きなテーマについて総合的な戦略機能を持たず  に縦割り行政のまにまに対症療法を繰り返していることが最大の問題です。 ●一方でアメリカは、「親方日の丸」、日本株式会社に脅威を感じると同時に  徹底的に日本のやり方を模倣、そして日本に対しては市場の自由化を叫びながら、  通達行政や非関税障壁を非難、親方日の丸の換骨奪胎に務めました。  このような状況の中で、知的財産権の問題について日本が積極的な政策を  立てられなかったのは理解ができますが、このままで放置するわけにはいきません。  日本の将来は、まさに知的創造力にかかっています。  精力的に論議を進め年内に骨太の提案をまとめてみたいと考えています。