国会通信 No.399


 【国旗・国家の法制化には反対】

1999/7/5 (マンデーレポート第399回の要旨)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【先週の主な出来事】 【28日(月)】 ●参議院 議員総会 開催。  冒頭 本岡議員会長から国旗国家法案についての報告。  先週末の常任幹事会で、政審での法制化賛成論を受けて、  党の最終的な意思決定は菅代表と羽田幹事長に一任されたとの  報告がなされました。  通常 議員総会は本会議の30分前に開かれます。大半は事務連絡に費やされ、  議論のいとまがありません。  この日も通常の議題をこなしたら、もう十一時55分過ぎになっていました。  12時開催の本会議の予鈴もなり残り数分となりましたが、私はかねて国旗国家法案に  ついての民主党のまとめ方に異論があり、発言をどうしてもしたかった。  そこで総会終了間際の三分間に、あえて挙手して発言。  「この問題についてのPTと政調のまとめ方については多くの疑問がある。  再度論議をすべきである」と主張しました。  私の発言には小宮山洋子議員や桜井充議員が賛同の発言。  これらの発言を受け、翌日の午前8時から急きょ全員で議論することになりました。    この議論の後、私は小宮山議員に「反対の署名活動をやりませんか」と提案しました。  彼女は即座に賛同しました。 ●本会議 開催。 住民基本台帳法についての趣旨説明と質疑が行われました。 【29日(火)】 ● 知的財産権の戦略小委員会(8:00AM)   経団連の立花常務からヒアリング。  同団体は昨年「知的財産権」についての経団連の考えをまとめた経緯があります。  そこでヒアリングとなりました。  私は、同時刻 参議院の全員総会で国旗国家法案の意見交換をする日程が組まれたので  中座しました。  ●参議院全員総会開催(8:00AM)。議題は「国旗国家法案について」。  この法案についての各自の意見をそれぞれが述べました。  私は知的財産権の小委員会の座長なので若干遅刻しました。  そしてころあいを見計らって発言しました。  私の発言の趣旨は以下のとおりです。   「特に 君が代の法制化には反対であること。    国家について立法化を避けているイギリスの知恵に学ぶべきであること。    法制化すれば、立法者は言葉の解釈を明らかにしなければならないこと。    その結果、好むと好まざるとを問わず、思想統制をすることになること。    歌への多様な思い入れを失わせ、結果として歌を死なせてしまうこと。」    等の議論をしました。  会議は発言者の意見を聞くにとどまり集約するまでにはいたりませんでした。  反対論が続いた後、賛成論も出され、賛否は相半ばしているといった印象でした。      会議は1時間で一応切り上げられましたが、小宮山議員、桜井議員、そして松崎俊久   議員との間で反対の署名活動を断行すべきだとの意見が一致しました。そして  文案を桜井議員が作ることになりました。     最初の文案は、賛同者を多く募るため、国旗国家反対の意思表示と、  党議拘束をはずすべしとの意見の二つを分けて聞くような形になっていました。  しかし、それではなんとなくアンケート風になってしまい、反対の意思が明瞭に  伝わりません。    この種の運動をするときいつも悩むのが、運動論的な明確性と、賛同者の多寡です。  両者はだいたい相反関係です。明確になればなるほど賛同者の数は減ってくる、  賛同者の数を増やそうとすれば、運動の趣旨をあいまいにすれば良い、しかし  運動のインパクトはかならず低下する。この調和をどうするかがポイントです。    しかし、国旗国家の問題は憲法の保障する人権の中でとりわけ重要な  思想信条の自由に密接に絡んだ問題です。民主主義の根幹にあるのは、  自由な意思です。そんな重要問題の取り組みは明快であるべきです。  運動論的にも結果としてベターであると思います。  そこで文案を、もう一度練り直しをしました。  そして「党議拘束をはずす要請書」といった内容に統一し、  本文も「法制化に反対し、採決の際の党議拘束をはずすよう要請する」と単純明快に  しました。よびかけ人は上記三名のほかに千葉景子議員、竹村泰子議員、も加わって   いただけることになりました。     各自忙しい日程をこなしながら、午後5時過ぎに小宮山議員の部屋に、簗瀬、桜井が  集まり、文章を最終決定。また署名は参議院会館の各階に署名を集める担当者を  明記(ちなみに私は5階担当)、ファックスで各議員の部屋に送付完了しました。    ●経済再生PT(10:00AM)。 連合の代表者から雇用問題を中心にヒアリング。 【30日(水)】 ● 組織犯罪対策委員会(8:00AM)   組織犯罪対策三法案についての対策会議。  菅代表も出席して開催。衆議院側からも国対・法務委員会の幹部が出席。  廃案に追い込むための綿密な打ち合わせを行いました。 ● 法務商工合同部会(9:00AM)  分社化や企業分割を促進するための法整備について 経団連の要請を受ける。  経済界の要望の強い法案。政府与党は、盗聴法案、国旗国家法案等の不純な動機・唐    突な手続きの問題法案を提出する前に、この法案を先に処理すべきなのに。  法案の遅れの最大の責任は政府与党にあるとアピールしました。 ● 文教商工合同部会(10:00AM)  最近、本当に商工部会は忙しい。部会長は忙殺されそうです。    新産業創出PTの座長松沢成文氏から議員立法の中味についてヒアリング。  とくに大学教育の関係で論議続出。文教部会のほうからの突っ込みに十分な  対応、説明ができていない印象。商工関連は了承したが、文教関係は  再度説明することになった。 ● 経済産業委員会の理事懇談会(12:10)  2日後に予定されている、PRTR法案の合同審査。その合間に衆議院送付の  「基準・認証の合理化法案」の趣旨説明をさせるかどうかで自民党理事と対立。  1時間近く押し問答を繰り返しました。原則論を頑固に主張。  盗聴法案をめぐる闘争の一環でもあります。  午後三時に再会された理事懇。  結局基準認証合理化法案の趣旨説明は来週火曜日の6日に持ち越しになりました。  ●これらの合間を縫いながら、署名を募る電話をかけつづける。  参議院会館5階の民主党議員は8名。  5階は、議員会長、幹事長、国対委員長党の参議院民主党の幹部がそろっている。  そんなわけで書名をいただいたのは川橋幸子議員ただ一人でした。  ただなかには立場上名前は出せないが考えは同じだよと激励してくれる幹部もいたり、  実際のところここでも賛否相半ばしているといった感じでした。 ● 菅代表への要請(5:00pm)。   署名活動の結果、法制化反対、党議拘束反対の署名をしてくれたのは17名に  のぼりました。  これを集約し各署名のコピーを添付して、菅代表に直接手渡しすることになりました。  そして党本部7階の代表室で菅代表に面会。  小宮山、桜井、簗瀬の三名が、党議拘束をはずすよう要請しました。      菅代表は、党議拘束をはずすことの議会慣行上の難しさを説明してくれました。  というのも、かつて党議拘束をはずしたのは臓器移植法案の採決のときのたった1回    であること。しかもそのときは党議拘束をはずしたのは一会派だけではなく全会派で  あったこと、議会では会派内の意見を統一して採決することが前提になっていること、       また今回の国旗国家法案について党内の意見がまとまらないのが民主党だけであると  すると、全会派一致で党議拘束をはずすような事態にはならないであろう事、  したがって党議拘束をはずせとの要請は、その実際においては  「党議に反して採決しても党としての処分をしないでほしい」との事になるんですがね、  と説明してきました。  虚をつかれたような感じ。いかにも管さんらしい受け答えでした。  しかし、そのあと、党内の意見をもう一度確認するように幹事長に指示して  ありますからと付け加えてくれました。  私たちの行動は一定の効果を表しているとの実感を持ちました。 【1日(木)】 ● 経済再生戦略PT 慶応大学教授 竹中平蔵氏をヒアリング。(後日報告します) ●経済産業委員会 PRTR法案について国土環境委員会と合同審査。 ●「介助犬の法案を作る議員の会」に参加。設立第一回に出席しました。  60種類の指示をしっかりと聞き分け、車椅子に乗った木村さんを愛情豊かに  介助している5歳のラブラドル「シンちゃん」(シンシア)は本当にすばらしい。  法案を作りまだ10数頭しかいない日本の介助犬をもっと増やしていくべきです。 【2日(金)】 ●高度情報化PT 「高度情報化社会における福祉について」  プロップステーション代表竹中なみこさんからヒアリング。 ● 栃木県執行部との朝食会 ●夏季研修実行委員会 開催。  インターネットワークショップについての別枠をもらうことを了承してもらった。 ● インターネットワークショップの持ち方について情報企画委員会の古賀委員長  島委員と広報委員会側の簗瀬、内藤で打ち合わせを行いました。 ● 商工部会 「サマータイム法案についてヒアリング」 議員連盟側の広中議員から。 ●連合栃木との連絡協議会(4:00pm)。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【君が代について】 ●(先週の6月30日、東京都の23歳の吉島さんから、君が代の法制化に反対する  メールをいただきました。  私は直ちに返事を書き、そのあと同趣旨のメールをSNETと「原人クラブ」の  みなさんにおくりました。  またFNETDの会議室にも同様のコメントを出しました。以下はその原文です。) ●民主党の右傾化(^^)に悩んでいる簗瀬進です。  昨年、4月の拡大のときに、  民主党の基本的な性格についての議論をしてこなかったから  現在の混乱につながっているのです。  参議院選挙の準備のため、何もできなかった自分に切歯扼腕しています。  とにかく、今日から民主党の参議院議員に対して反対の署名運動を  はじめることにしました。  私は、憲法のすべての人権の基礎に「内心の自由」があると考えます。  民主主義は、一人一人の「内心」が自由であることから始まります。  立法化とは、「歌詞」の内容を国定することです。  すなわち国歌の法制化とは、  その瞬間から国民の内心の自由を奪うことにほかなりません。  私は個人的には「君が代」も「日の丸」も大好きです。  異国の地で「日の丸」がへん翻と翻っている姿を見るとき、  胸を熱くします。  また国際競技で日本人が活躍をし、表彰台に日の丸が掲げられ、  君が代が奏されるとき、自然と涙がこぼれます。  私は日の丸と君が代の存在と重みは十分に尊重します。  しかし、そのとき、心には天皇家のイメージはありません。    あるのは、    同朋の人々への共感であり、    ふるさとの山河であり、    妻子であり、父母であり、兄弟であり、    日本の歴史であり、    日本の文化であり、    そしてもろもろの、総合した感情です。    それは、一人一人の内心の思いです。  「君が代」を  「天皇の治世」と考えても結構ですし、  「おらが代」と思っても結構、  さらには「愛する人々の生命が永遠なれ」と思っても結構、  「ふるさとの山や川」と思っても結構、  いづれにしても多様な人々の思い入れを受容することで  初めて国歌たりうるのだと考えます。  法制化は、必然的に立法者の解釈を明らかにすることに通じます。  政府は質問されれば、言葉の論理の範囲内で破綻なき説明をすることになります。  そして結果として歌詞の解釈を制限し、同時に思想も統制することになります。  だから憲法のもっとも基本的な人権=「内心の自由」を制約することに  なるのです。  たしかに世界では国旗や国歌を法制化しているところは  アメリカをはじめとしてたくさんあります。  しかし、その多くは、国の誕生が比較的あたららしいことに注目すべきです。  すなわち、国を人工的に創出した結果、象徴的機能を必要以上に強調せざるを  得なかったのです。  出来立て早々の国の分裂を避けるために、国旗や国歌の法制化が行われ、  そしてことさらにその存在が強調されてきたのです。  明治維新以後の日本の歴史と、日の丸君が代の関連はそうした一面を  持っていますが、  さらに、それ以上の長い歴史を有するわが国の象徴としての国旗と国歌は、  むしろ実定法によって制定することよりも  慣習法の世界にその根拠を求めるべきであると考えます。  日本は、英国を見習うべきです。  英国は日本よりも明瞭な立憲君主制の国ですし、  それゆえに国歌も「GOD BLESS QUEEN」と、  君が代よりも明快に女王の存在を歌い上げますが、  他方で国歌の根拠は慣習法によるとされ、  ことさらな立法化の対象にしてはいません。  これこそ英国の国民の知恵というべきです。  内心の自由の拘束を避ける、たくまざる知恵というべきでしょう。  そして日本もそうあるべきだと考えます。  私は以上の理由で「君が代」の法制化には反対です。  そして、  仮に民主党として、法制化に賛成の決定をしても、  私は本会議場で反対の意思を明らかにするつもりです。  また、党議拘束をかけて賛成の採決を強制することには反対します。  内心の自由が問われるテーマには  党議拘束をかけるべきではありません。  署名運動は  「国旗・国家の法制化に反対し、党議拘束をかけないよう要請する」  との趣旨に賛同する議員の署名を求めるものです。   呼びかけ人は     「小宮山、桜井、松崎、簗瀬、千葉、竹村」の6名です。  できるだけ多くの署名を集めて、  菅代表、羽田幹事長、にお届けしたいと考えています。