国会通信 No.403


 【産業活力再生法案について】

1999/8/4 (マンデーレポート第403回の要旨)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【先週の出来事】   会期末。  盗聴法の廃案を目指す参議院民主党は、法案が継続している法務委員会を  中心に動いている。  経済産業委員会(私が野党側の筆頭理事)も、  産業活力再生化法案の審議をどのように行ったらよいか、  国対と協議のうえ日程闘争に明け暮れている。  月曜日には参議院の本会議で趣旨説明と質疑、  そして今日は委員会での趣旨説明と質疑。  いづれも私が質問に立った。  同法案は大変問題の法案である。  一見したところは、産業活力再生のために有意義に見えるが、  仔細に検討すると、企業のモラルハザードをひきおこし、  自立的な立ち直りに有害になる、、、、。  民主党としては反対の意思決定をすでに行ったところである。   以下 法案の概要と、二日月曜日の参議院本会議で  私が行った質問の主な内容を報告する。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【産業活力再生法案について】 ◇生産性の高い事業の創出を図るとともに、  生産性の低い分野から生産性の高い分野への  経営資源の移動を迅速かつ円滑に行うことは、  我が国産業の効率性・競争力を高め、将来にわたる  発展基盤を構築するとともに、  雇用機会の維持・創出を図る上で極めて重要な意義を有する。 ◆法案の三つの柱 (1) 事業再構築の円滑化 ◇「事業再構築」とは、設備、人材、技術などの経営資源を  より高い生産性の見込める中核的事業にシフトさせるための  取り組み。  設備処理などの事業縮小だけを意味するものでなく、  中核的事業の拡大・効率化、新事業の開拓や新たな事業方式の  導入など前向きの取り組みを含むもの(選択と集中)。 ◇事業再構築計画の認定等(主務大臣)事業者の策定した  産業再構築計画(平成15年3月31日までに申請)を、  生産性向上の目標の明確性、計画の実現可能性、  経営資源の有効活用などの基準に照らして主務大臣  (事業所管大臣)が認定。 ◇認定事業者への支援措置 @分社化等に係る商法等の特例  (検査役制度、簡易な営業譲受制度、債務の一括移転)  A 債務の株式化のための優先株発行限度枠の拡大  B 従業員・経営者による株式取得(EBO、MBO)への支援  C ストックオプションの対象を子会社の取締役・使用人に拡大 D 金融上の措置(政策金融・債務保証) E 税制上の措置(特別償却、買換特例、  譲渡益課税の繰延(共同出資子会社の設立時)、  欠損金の繰越・繰戻、登録免許税・不動産取得税の軽減等) (2) 創業及び中小企業社による新事業開拓の支援  創業者及び新事業開拓を行う中小企業者に対する支援措置の抜本的拡充を図る。 ◇「経営資源活用新事業計画」の認定(都道府県知事)  中小企業者が策定する「経営資源活用新事業」  (経営資源の有効活用による新事業の開拓)の計画  (平成15年3月31日までに申請)について都道府県知事が認定。  ◇主な支援措置  @中小企業への設備資金の無利子融資制度の拡充   A創業者、中小ベンチャー企業に対する信用保証  創業者向け無担保保険の特別保証枠の創設等  中小企業信用保険法の特例を設ける。 (3) 研究活動の活性化等 ◇国の委託研究開発に係る特許権等の扱い  国の委託研究開発(特殊法人、公益法人を通じて行うものを含む。)  に係る特許権等を受託者(開発者)に保有させることができるものとする。  これによって、開発者の研究意欲の喚起及び研究開発成果の事業化の  促進を図る。  *米国では、1980年にバイ・ドール法を制定。   特許権受託者(開発者)に帰属させることにより、   ベンチャーをはじめとする新事業創出の契機となっている。 ◇技術移転機関の活性化  大学の研究成果を産業界に移転する役割を担う機関(TLO)  の業務の活性化のため、特許料等の軽減措置を講ずる。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【本会議の質問要旨=私の問題点の指摘】 ●1 新規雇用の拡大策がいまもって十分に進んでいない原因を    政府はどう分析しているのか総理の認識を聞きたい。 ●2 新規雇用策が進まなかった過去の反省と教訓が、    今回の産業活力再生化法案にどのように生かされているのか、    総理および通産大臣の見解を聞きたい。 ●3 新規雇用創出策とIT革命についての認識を問う。 ●4 ナショナルゴールの提案を (1)日本国民が将来への展望を失い不安におののこうとしている    現在、もっとも必要とされるのは、難局に恐れずに挑戦    できるような国家的なビジョンないし目標の提示ではないか。    総理の見解を伺いたい。 (2)「情報平和主義の実現」こそわが国にふさわしい    ナショナルゴールと考えるがどうか。 ●5 法案の基本的な枠組みについて  (1) モラルハザード防止の工夫はなされているか。  (2) 事前コントロール行政の復活ではないか。  (3) 「認定」によるオールorナッシングの二分法は問題ではないか。  (4) 産業界に噴出する不公平感について。 ●6 個別優遇措置の問題点  (1) 過剰設備廃棄の場合の「欠損金」についての優遇措置について  (2) 過剰債務の株式化についてです。  ●7 リストラの不安にどう対処するか。 (1)この法案による事業再構築は、更なる雇用の削減に    つながるのではないか。  (2)努力規定ではなく、事業主に対する義務規定に    見直すべきものと考えるがどうか。  (3)企業組織の変更における労働者保護法の制定の必要性について。 ●8 中小起業・ベンチャー支援策について (1) 民主党提案の「起業家支援法案」に反対した理由は?  (2) エンゼル税制等の起業促進税制を一括提案しなかった理由は? (3) 新たな倒産法制の構築の必要性について?