国会通信 No.419


 【アメリカの21世紀戦略2】

1999/12/13 (マンデーレポート第419回の要旨)


【先週の出来事】 ■6日(月)  10:00 鄭夢準さん(韓国蹴球協会会長)と懇談。        ※田中甲衆議院の紹介で、FIFAの会議で来日中の同氏と懇談。         同氏は国会議員で、将来の大統領候補としても期待されている人。         アジア情勢や日韓関係の将来、歴史認識問題等について意見を交わした。         私が、自民党からさきがけ時代にかけてまとめた         「95年アクションプログラム」         を同氏の参考に供する事を約して分かれた。  11:30 「救援新聞」のインタビューを受ける。        テーマは「戸別訪問の解禁等政治活動規制の撤廃について」。        ※日本は、選挙活動ががんじがらめに規制されている国。         たとえば、戸別訪問はもっとも原則的な政治活動のはずなのに、         「現金買収の温床となる」等の理由で禁止されている。         こんなおかしな国、しかも有権者を「買収されやすい人々」と         愚民視している国は世界でも稀である。         政治活動を犯罪視する原因を作っているのが公選法。         選挙期間中の政治活動に対する多くの規制を撤廃すること、         これが重要である。         私の長年の夢、それは子供たちがボランティアできるような選挙の         実現である。         現状の公選法の下では事実上常に選挙と公選法違反は表裏一体である。         選挙と犯罪がきびすを接している状況では、親たちは安心して子供を         選挙事務所に送り出す事など不可能である。         かくして、永遠に日本の選挙と政治は特殊な世界に封印されたままで         ある。         これでは本当の意味での政治のレベルアップはとうていかなえられない。         こんな考え方を述べた。  12:00 運輸省鉄道局レク。        JR室蘭線のトンネル剥落事故についてヒアリング。        この路線は最近私も寝台特急で明け方通っている。        2tものコンクリート塊が落ちてきた。        恐ろしいことだ。        それにしても運輸省の対応は本当に後手後手にまわっている。  17:30 米国事情研究会。         来年の米大統領選挙についてのアメリカの世論調査など報告分析。        ゴア氏は本当に苦戦しているようだ。        ただ、シアトルのWTO閣僚会議決裂はむしろ、労働組合の支持がこれ        以上低下するのをおそれたクリントン政権の判断の結果であり        国内的にはあまり影響がでないとの指摘があった。        この点についての私の予測は訂正すべきである。 ■ 7日(火) 10:00 常任幹事会         代表選挙の選出方法について議論。        次回までにおよその結論が出そうな状況となった。  12:00 電子書籍コンソーシアム見学。        書籍やマンガを電子情報で送るシステムが開発され、実験的に        始まっている。        その本部を訪問。        出版の形態は多いに変わるであろう。        但し、まだ端末が重い(800グラム)、ソフトをしこむ為に書店に行かねば        成らないなどの改善点があるように感じた。        画像はモノクロだがとてもきれいで目も疲れない。   ■ 9日(木)  9:00 東チモール人道援助に関する視察報告会  15:00 街頭演説議員連盟(略称辻立ち議連)発足式。        今年7月、宇都宮で誕生した議連の拡大総会を行う。        新規入会者自民、民主、共産あわせて51名に拡大。        会長に選ばれた。        さらに記念講演として「演説とは何か」の著作もある        ジャーナリスト岩見隆夫さんの話を聞いた。         17:30 議員総会。   ■ 10日(金)   8:00 北大西洋条約機構議員会議に出席。   9:15 民主党北朝鮮訪問団の報告会に出席。   9:45 議員総会。 ※ 会期末を15日に控え、延長なしとの予測が急変。         自民党は、意外にも定数是正強行の姿勢を強くしてきた。         これが本音か、自由党向けのアリバイ作りなのか。         いづれにしても数の力で、会期延長、定数是正、再び年金法改悪の強行         となると、一挙に選挙モードとなる。         13日の月曜日がヤマとなろう。  10:00 本会議         年金法についての趣旨説明質疑。 ■ 11日(土)  15:00 衆議院選挙 合同選対。        特に栃木4区の候補者擁立について論議。        残念ながら、地元からの候補者が決められない。        再度地元で検討する道を残しながら、いったんは公募候補等を含めて        党本部の助力を仰ぐこととなった。        いづれにしても、忘年会の年内に結論を出さねばならない。 ■ 12日(日) 10:00 民主党県連常任幹事会。        衆議院選挙への取り組み、知事選挙への対応等論議。  14:00 菅政調会長来県。        栃木5区で立候補予定の福富健一さんの応援のため        栃木市内2ヵ所で街頭演説を行った。 ◆ ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【アメリカの21世紀戦略2】 合衆国21世紀委員会は、まず21世紀の第1四半期の将来展望を以下の12の項目でまとめ ている(以下記載【1】参照)。 そしてその次に安全保障の観点に絞り14の変化を予測(以下記載【2】参照)、 その上で特に重要な意味を持つ安全保障面での《脅威》を四点にわたってまとめて いる(以下記載【3】参照)。 全般的な印象は、21世紀も引き続き「アメリカの世紀」と考えていることである。 この自身の裏づけが何なのか。 そこがもっとも重要なポイントである。 しかし、その事については、もちろんレポートは明らかにしていない。 さらに変化の予測もけっして自分に都合の良いものばかりではない点が、かえって レポートの信頼性を高めている。 いづれにしてもこのレポートは、日本自身の将来像を描く際も、大変重要になるので 以下長文ながら整理してみた。 【1】 まず、12の予測を私なりに、要約する。  1 経済的に強力な米国は、2025年まで主要な政治、軍事及び文化的勢力で    あり続ける。そして米国は今後も国際環境の形成に重要な役割を果たす。  2 米国の社会と政治の安定性と方向性は、米国の外交政策の目標であり、    外交能力の基礎である。米国が世界の将来に影響を及ぼす方途である。  3 科学と技術は進歩し続ける。そして広範に入手され世界中で使用される。    しかし、その利益の分配はより不平等となる。  4 エネルギー供給源は今後も基本的に化石燃料。  5 収入の不均衡は拡大する。貧困は広範に存続。  6 ビジネスや商業の国際化は進展しつづける。  7 NGOはさらに重要。参加人員や国際的役割は増大。  8 国際組織との連携は増えるが、ときおり主権に関する   重要な問題が発生する。  9 軍事力は世界第一であり続ける。 10 大量破壊兵器(核・化学・生物兵器)と大規模攪乱兵器    (weapons of mass disruption)は存続しつづける。 11 異なる文化に類する国々からの、衝撃的なやり方やレベルでの新たな紛争が起きる。 12 信頼できる同盟関係の形成および維持は困難となる。 【2】2025年を展望する安全保障についての見方   1 軍事的優勢をもってしても十分な防御を行えない事態の発生。  2 情報およびバイオテクノロジーの急進的な進歩は、逆に安全保障上の弱さを生み    出す。  3 新技術の二面性。(=世界を緊密化と細分化)    ※脱国家のサイバー階級(cyberclass)の誕生。     また生命技術における進歩は、道徳観のうえで矛盾を生じさせる。     反技術の反動(anti-technology backslash)の可能性が高まる。  4 「全ての先進国の国家安全保障は、発展中の世界経済インフラの虚弱性に次第に    影響されるようになる」  5 エネルギーは引き続き戦略的重要性を持つ  6 国境線はより浸透的(porous)になり、一部では変更され、一部では破綻する  7 「国家主権は圧力にさらされるが、維持される」  8 「国家の分断や破綻が生じ、周辺諸国に不安定化をもたらす」  9 「残虐行為や市民に対する計画的テロを伴う対外的な危機が繰り返される」 10 「宇宙は死活的かつ競争的な軍事的環境となる」 11 「戦争の本質は変化しない」 12 「米国の情報機関はより挑戦的な敵に直面する。    優れた情報機関であっても、情報の不知を回避できない」 13 「米国は、同盟が不確実であり前方展開の削減される可能性の高い世界で、    軍事的介入を頻繁に求められる」 14 「来る四半世紀に生じつつある安全保障環境では、異なる軍事能力と国家の能力が    要求される」 【3】米国の国家安全保障戦略の模索   ≪4つの脅威≫   ●通常戦争の可能性はあるものの、我々の安全保障に対する最も深刻な脅威は、    準国家主体による米国の都市に対しての宣戦なしの遺伝的に開発された病原体を    用いた攻撃である。   ●また、例えば200機からなる民間機が朝方の雨と雲の中で安全な着陸を試みるような、    米国東海岸の航空管制システムに対する計画的なサイバー攻撃も深刻な脅威である。   ●また、いかなる単一主体の統制力をも超越しているがゆえに、統合され複雑であり    かつ脆弱性の高い国際経済インフラの運営に対する急襲も脅威である。   ●さらに、国家意識の解体やその結果としての主要諸国の破綻や崩壊から、脅威が    迫り来る可能性もある。     以上を考慮すれば、米国の安全保障に対する脅威は、以前に比して多様化し     予測困難であり対処困難であることは明かである。     大規模紛争の可能性は減少したとしても、紛争自体の可能性は増大している。