国会通信 No.428
【異例の「やり直し審議」】
2000/2/14 (マンデーレポート第428回の要旨)
【先週の出来事】
8日(火) 10:00 常任幹事会
11:00 運輸部会
14:30 「もうひとつの予算委員会」開催。
年金関係について議論。
9日(水) 衆議院本会議 首相の所信表明演説について、実質的なやり直し質疑。
10日(木) 8:00 山口二郎北大教授の講演を聞く。
10:00 参議院本会議
首相の所信表明について実質的なやり直し質疑。
●2週間の空転国会後、議長裁定を受けてさしぶりに国会の審議が再開された。
●マスコミの一部は、野党は結果として何もえるところはなかったと指摘した。
しかし、その指摘は正しくはない。
なぜなら、与党は、9日の衆議院、10日の参議院と首相の所信表明に対する野党の
質問を認めざるを得なかったからである。
さらに、予算委員会の質疑も野党の時間を確保して、最初から行われるのである。
また、与党が強行しようとしていた憲法調査会も、白紙の状態でスタートする事
になっている。
● 野党欠席のままで行われたのであるから、野党は本会議場で首相の所信表明演説を
当然聞いてはいない。
聞いていない演説について、その質問を認めることは、まさに与党が自らの非を認めた
ことに他ならないのである。
まさに、それは「やり直し質疑」であり、野党の国会欠席が正当な抵抗手段であった
事が認められた結果であると、評価して良い。
●自自公三党の横暴は危険水域に達している。
たとえば、参議院では、憲法調査会のスタートから、野党欠席のままで当然のように
開始されようとしていた。
民主党の江田理事をはじめとして野党の理事が一致して抗議し、その暴挙は止められた
が、事柄は国の基本法である憲法についての論議である。
このような重大な事柄でさえ、野党不在のままで断行しようとする自自公の感覚は、
そら恐ろしい。
● 定数削減を含む選挙制度の改正について、与党だけの強行採決が行われた事は
なかったという。
なぜなら、これが許されると、与党に有利な制度改正が限りなく行われる事に成る。
その行きつく果ては、野党不在の政治、批判勢力が抹殺された独裁政治の誕生を
意味する。
かつての自民党ですら、この最低限の良識だけは備えていた。
しかし、小渕政権は、この最低限の良識すら軽く捨て去ってしまっている。
庶民的な笑顔の裏に潜んでいる専制的な体質を見逃してはならない。
●今週から衆議院の予算委員会が開始される。
(1)まず歳入歳出の概要であるが
その概算額は、82兆円。
歳入の内訳は 税 収 49兆円 (構成比 57.3%)
公債金 33兆円 ( 〃 38.4%)
となっており、歳入の4割が公債(=借金)である。
歳出の内訳は 国債費 22兆円 ( 〃 25.8%)
地方へ 15兆円 ( 〃 17.6%)
一般歳出 48兆円 ( 〃 56.6%)
なんと、歳出の4分の1は借金返しである。
(2)国及び地方の長期債務(国債、地方債、借入金等)の残高
今年度末で 合計645兆円。(国485兆、地方187兆)
対GDP比で129.3%。
平成2年度末の残高は266兆円だから、10年間で400兆円弱もふえている。
ちなみに先進各国の対GDP比の数字を比較すると
アメリカ 57.1% イギリス 51.2% ドイツ 61.7%
フランス 64.6% イタリア 115.2% カナダ 82.5%
日本の129.3%は、悪いほうでイタリアと双璧である。
世界の借金王と嘲笑されながら、景気対策と財政再建を二者択一としか考える事
のできない貧困な発想で予算を作っていたのでは、景気も良くならず、
財政状況も泥沼化。
そして改革、改革と叫びながら、その中味は各種審議会に丸投げする。
ハルマゲドンならぬ小渕マルナゲドンにまかせていては、
それこそ日本は地獄に落ちてしまう。
解散・総選挙によってこのような状況を一刻も早く打開すべきである。