国会通信 No.430
【憲法調査会での発言が朝日の論説に】
2000/2/28 (マンデーレポート第430回の要旨)
■ 22日(火)
8:00 商工部会 開催。
産業技術力強化法案等の審査。
相変わらずの小出し先送り法案。政府は危機感がないのか。
仮に危機感があったにしても、小手先の対処に終始するその姿は
無責任の極みである。
9:00 循環社会PTに出席。
循環モデルを明確にし、企業の排出者責任を明確にした民主党案が
まとまりつつある。
10:00 常任幹事会。
11:00 運輸部会役員会
民主党の交通バリアフリー法案の国会提出作戦について打ち合わせ。
同種の内閣提案の法案もすでに国会に出ている。
すべての人の交通の自由を、実質的に保護し拡大しようというのが
この法案のねらい。
しかし、政府案は、以下の点で不充分。
1)対象者が狭い。
身体的欠陥を理由にしているので、「妊婦」や「乳幼児づれ」の乗客
は政府案では対象にならない。
2)対象空間が狭い。
交通関係の施設内が前提。
しかし民主党案は「家を出てから、帰るまで」の
「ドア ツー ドア」を対象にしている。
など民主党案のほうが格段に優れている。
せっかく作るのなら、政府案はもっとふみこむべきである。
■ 23日(水)
11:00 通産省を呼び半導体産業の現状についてヒアリング。
12:00 音楽議員連盟の総会に出席。
副会長に選任された。
ようやく落選前の状況にもどった。
音楽を通して、日本文化を、しなやかに、たくましく育てて行く事こそ、
わが国の将来にとって重要である。
こう考える私にとって、副会長復帰はひとしおの感慨がある。
13:00 参議院 国民生活調査会 開催。
少子化をテーマに以下の3名の参考人の皆さんの意見を聴取した。
岩男寿美子さん(慶大名誉教授) 椋野美智子さん(日本社会事業大学)
鈴木光司さん(作家)。
参考人から、厳しい時間の制約なく意見を聞くことができるのが
「調査会」の長所である。
この日もとても有意義だったが、特に出生率の低下の大きな原因は
「未婚率の上昇」であるとの指摘は強く印象に残った。
■ 24日(木)
10:00 雇用・新産業育成PTに出席。
テーマは「介護の産業化を考える」。
ニッセイ基礎研究所の主任研究員 長沼建一郎や郷一尚さんから
ヒアリング。施設部門での産業化は営利企業的なアプローチは難しそう。
11:00 拡大政治改革部会。
選挙制度改革にのぞむ民主党の基本的な主張について検討。
改善すべき課題を7点ほどにまとめた。
主要なポイントは
1 重複立候補の場合の比例の足きり基準を、「供託金没収」基準の
投票数の1/10とする。
2 くら替え立候補の禁止(同一選挙区内)
3 比例当選後の政党の所属変更の禁止
4 在日永住外国人の地方選挙権
(民主党はすでに98年衆議院に提出済み)
5 インターネットの選挙利用解禁。
など
■ 25日(金)
8:30 自然エネルギー促進議連に出席。東電側からヒアリング。
この日 栃木県塩原での越智金融再生委員長の発言が問題化。
地元のことながら、このことを朝のテレビニュースで知る。
早速 岡田克也衆議院事務所からテープの反訳書をファックスしてもらい、読んだ。
まさに自民党の本質である情実・談合体質がはっきりと出ている。
金融と大蔵の癒着の中で、金融破綻が起きた。
それを防止するために、大蔵から金融の監督機能を奪い、新たに設置したのが
金融再生委員会だ。
この委員会の本質がまったく分かっていない。
第二大蔵省の気分で、「私に言っていただければ調査の厳しさも十分考慮します」など
と言っている。その感覚は信じられない。
辞任は当然である。
■ 27日(日)
14:00 墨田区主催の「5000人の第九」に出演。
私にとっては4回目の参加。
しかし今年は「国会コーラス愛好会」を立ち上げ、
その事務局長としての参加なので少し気分が違う。
自民党の林芳正さん、民主党の今井さん、公明党の若松さん、そして
地元で自由党の西川さん、も参加してくれた。
国会コーラス愛好会の紹介は後日に。
●先日大学時代の恩師、憲法学の樋口洋一先生(東北大教授から東大教授に。)
からうれしい葉書をいただいた。
内容は
「朝日の2/19付けの論説を読んだ。そこに憲法調査会での君の発言の紹介があった。
押し付け憲法の論議をするなら、その前になぜ押し付けられたのかを考えるべきだと
する君の論議を評価する。」
との内容である。
● 実は朝日の論説は見落としていた。
先生の葉書で、あわてて探し出し読んで見たら、「聞くべきものはあった」との見出しで
の論説があり、その中に、自由党の平野さんと私の意見が対比されて書かれていた。
憲法の制定は日本人の自己決定能力が問われる事がらであり、
過去の「呪縛」から解放されるためにも、なぜ軍部の独走を止められなかったのか、
といった憲法制定前史の徹底した見なおしをすべきである等々の発言の骨子が
触れられていた。
●朝日の論説で「聞くべきものはあった」として、一定の評価を受けたのは
始めのこと。大変うれしく思う。さらに、尊敬する憲法学の大碩学樋口先生から
わざわざ励ましの葉書をいただいたのも始め。本当にありがたいことである。
● 以下に、憲法調査会での発言の速記録の全文を引用させていただきたい。
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(フランス革命 以来 200年の言及は、私の直前の発言者である
海老原氏が「その気になれば七日間でこれだけ立派な憲法ができるんです。」
といったことへの反論です。)
○会長(村上正邦君) 簗瀬進君。
○ 簗瀬進君 発言の機会を与えていただきましてありがとうございました。民主党の簗瀬
進でございます。
まず冒頭に、七日間のGHQの論議ということでございますけれども、その以前、
一七八九年のフランス革命から始まる二百年の歴史がその前にそびえているという
ようなことを冒頭に指摘させていただきたいなと思っております。
そこで、私は過去のことと未来のことと三点にわたってちょっと発言をさせていただ
きたいと思います。
まず第一番目に、この憲法改正の議論をする際に、私はそれと必ず並行して、何人か
の委員の皆さんのお話にあるとおり、明治維新、それから明治憲法、そして太平洋戦争
として終わる、言うならば日本国憲法の成立過程前史の総括というものがやはり必要な
のではないのかなと思っております。
ワイマール体制の中でナチズムが生まれてきたように、明治憲法も決してまずい憲法
ではありませんでした。
当時の世界史的な比較の中からいっても大変すぐれた憲法であったと思いますけれども、
そういう中でなぜ軍部の独走というようなものが生まれてきたのかという、そういう
因果関係の分析、これもまた大変重要だろうと。
私はこれは二つの意味を持っていると思います。
まず第一は、対外的な意味でありまして、すべての外交関係の基礎である信頼の醸成、
特にアジアの日本に対する根深い不信感を払拭するためには、このような歴史の失敗と
いいますか、それの本質についての冷静な分析をする、それによって初めて本当の
意味での新しい安全保障等の日本の取り組みが理解をされるのではないのかなと
思います。
それから第二点は、国内的な意味であります。
憲法改正はまさに日本人の自己決定能力が問われるこの国にとって最重要な課題だと
思いますけれども、日本人の中にはまだまだこのような失敗の歴史のある意味での呪縛、
それから解放されていない人たちもたくさんいるのではないのかなと。
特に、例えば軍隊のコントロールということで言ってみますと、結果的には失敗の歴史
しかやっぱり我が国は持っていない。
そういう意味で、ある意味での自分の自信というようなものの根拠が、まだまだ歴史に
求めることができないわけであります。
そういう意味で、過去の歴史のきちんとした検証をしておくということは、
まさにみずから厳しく過去の歴史をみずからに問いかけることでありまして、みずから
のある意味での失敗の原因を明らかにする、それでしかこのような本当の意味での
自己決定能力の回復というのはないのではないのかなと思っております。
二番目に、今ある意味ではここで憲法改正の論議を国会が始めるということは
大変歴史的にも非常に重要な意味を持っているということ、それはある意味での
代議制民主主義の危機といいますか、そういう大変な歴史的な変換点に来ているのでは
ないのかなと思うわけであります。
最近も、言うならば吉野川の河口堰のあの住民投票の問題がございました。
まさにそういう意味では、いわゆる議会制民主主義あるいは間接民主主義というような
ものの一種の曲がり角に来ているのではないのかなと、こういうふうな一つの歴史的な
展望に立って議論をしていく必要があるのではないのか。
私は、ある意味では、情報革命というようなものは政治の姿あるいは憲法を制定する
場合にもこれからさらに衰えることなくこの傾向は続いていく、まさに自分で有権者は
本当に情報を発信できるようになる。
それに対して、政治あるいは法体制がしっかりとこたえていかない限り、いつまでも
そういうストレスがたまっていって体制自体が崩れてしまう、こういうふうな大きな
危機に差しかかっているのではないのか。
そういう意味では、ある意味で直接民主主義的な方向性をどのように考えていくのかと
いうこともこの憲法を考える場合の大変大きな論点になっていくのではないのかなと
思います。
そういう観点では、首相公選とかあるいは二院制とか、あるいは国民投票制等もあるの
ではないのか。
それから三番目に、最後に、私は前文の重要性というようなものを指摘させていただ
きたいと思います。
現在の日本国憲法前文の中で、大変崇高な国際平和主義への理想の宣言があります。
その部分を今度の憲法でどのようにとらえていくのか。
ある意味では新しい日本のナショナルゴールといいますか、国家的な、あるいは
国民一人一人の精神的な理想あるいは志にしっかりとこたえられるような、
そういう一つの目標というようなものを憲法の中でどういうふうに私たちが提案し得る
のか。
それも、後世の歴史の評価にたえ得るような新たなナショナルゴールというようなもの
をどう設定するのかということをやっぱり国会の中できちんと議論をすべきだと思って
おります。
以上です。