国会通信 No.441
【4年間の通信簿】【小渕前総理の死を悼む】
2000/5/15 (マンデーレポート第441回の要旨)
【先週の出来事】
■8日(月)
8:00〜9:30 マンデーレポート第440回。
16:00〜16:30 交通情報通信委員会 理事懇
■9日(火)
8:00〜9:00 知的財産権戦略PT 最終の取りまとめ。
10:00〜17:30 交通情報通信委員会。
交通バリアフリー法案についての質疑・採決。
全会一致で成立。附帯決議を全会派を代表して提案しました。
■10日(水)
10:00〜10:10 参議院本会議。 あがり法案2件。採決。
10:10〜12:00 金融特別委員会。
12:00〜12:30 国対・理事 合同会議。
17:00〜17:30 交通情報通信委員会 理事懇。
■11日(木)
8:00〜9:00 商工部会。全国電機商業組合連合会から要請。
ソニーのプレステ2販売について 二重価額問題。
10:00〜17:00 交通情報通信委員会。 電機通信事業法の改正案。
日米間の問題になっている通信事業者の接続料金問題について。
午前中東西NTTの社長と持株会社社長の3名に付き参考人聴取。
採決。
インターネット・ユーザーの負担する通信料と、長距離事業者が負担すべき
接続料金は直接的には連動していないことが明かとなった。
また米国の主張する接続料金の原価計算に付いての長期増分費用方式、
(=もっとも効率的な機材を使った事を仮定して計算する方式)は世界でも
実施例の少ない計算方式である事から、実態に応じた見なおしを検討する事も
■12日(金)
8:00〜9:00 日米欧総合安全保障議員 協議会の年次総会。
在日米軍司令官のヘスター将軍の講演を聞く。
10:00〜12:30 参議院本会議。あがり法案の採決。
「昭和の日」法案が自民党公明党の賛成多数で可決。
自民党と公明党の右傾化路線はますます顕著になってきた。
13:00〜14:30 民主党全国幹事長・選対責任者会議。
総選挙対策について、政策Q&Aの発表、檄と意見交換。
■13日(土)
10:00〜10:20 栃木県 司法書士定期総会。
10:30〜11:00 栃木県 看護の日 大会。
14:00〜15:00 宇都宮市 行政書士定期総会。
16:00〜17:30 やなせ進後援会大会。
■14日(日)
7:30〜8:00 第31回西部地区学童野球大会 開会式で挨拶。
10:00〜11:00 栃木県オストミー協会で挨拶。
11:30〜12:30 水島広子後援会事務所 開所式で挨拶。
13:30〜16:30 栃木市内で福富健一 5区候補予定者の街頭演説。
17:30〜18:30 大塚氏の結婚式に出席。
19:00〜20:30 水島選対懇談会。
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【4年間の通信簿】
●前回の総選挙が行われたのは4年前の1996年の10月。
12日に行われた、民主党の全国幹事長・選対責任者会議では、この4年前と現在を
比較した数字が発表された。
それはこの間の自民党政権の客観的な評価を雄弁に物語っている。
● 以下この数字を紹介したい。
(項目) (現在) (4年前) (増減)
1 GDP 495.2兆円 504.4兆円 ▲9.2兆円
2 GDP成長率 −0.4% 3.0% ▲3.4%
3 国地方の借金 645兆円 449兆円 △196兆円
4 国債残高 364兆円 244兆円 △120兆円
5 厚生年金給付額〈30歳〉
5000万円 6100万円 ▲1100万円
6 完全失業者 349万人 226万人 △123万人
7 完全失業率 4.9% 3.4% △1.5%
8 企業倒産 15352件 14834件 △518件
9 自己破産 122741件 56494件 △66247件
10 自殺者数 32863人 23104人 △9759人
11 凶悪犯罪 14682件 11286件 △3396件
●特に1と4を比較していただきたい。
4年間で国の借金を1.5倍にし、120兆円も借金を増加させて、
結果としてGDPをのばすことはできず、逆に9.2兆円も
マイナスさせた。自民党流の景気対策の破綻をこれ以上
雄弁に物語っている数字はないと思う。
【小渕前総理の死を悼む】
●本日午後4時すぎに小渕前総理が亡くなった。
追悼の思いで、インターネットの「国会会議録検索システム」を開き、
小渕前総理に対して行った私の質問を振り返って見た。
(→http://kokkai.ndl.go.jp/)
古い順から整理すると、
1 1998年 8月 21日 予算委員会
2 〃 10月15日 〃
3 1999年 7月19日 〃
4 〃 8月2日 本会議
と4回 対決した。
●特に思い出に残っている質問のひとつが98年10月の予算委員会。
金融国会で、不良債権に対する総理の甘い認識を批判したとき。
実はあまり数字に強くない小渕前総理、わが国の都銀の不良債権の総額を
再三変更することとなり大慌てさせた事だった。
(日本の不良債権の総額を
100兆円→77兆円→87兆円と変更。)
●そして以下に紹介する昨年7月19日の予算委員会での質問であった。
このとき日本の科学技術の振興策について質問。
岐阜県の神岡町にある東大宇宙線研究所(カミオカンデ)を、例に取り、
日本の行政や政治の科学的発見についてのアナウンスの弱さを批判した。
小渕前総理に「神岡町にいった事がありますか」と質問した上で、
クリントン大統領のマサチューセッツ工科大学でのスピーチを引き合いに出した。
質問の議事録は以下の通りである。
○簗瀬進君 さて、本当に残り時間が少なくなってまいりました。
先ほど通産大臣の答弁の中に、科学技術の重要性というようなことがありました。
総理に聞いてみたいんですけれども、岐阜県の神岡町にある東大宇宙線研究所に行かれ
たことがございますか。
○ 国務大臣(小渕恵三君) 大変関心を持っておりますが、残念ながらまだ伺ってお
りません。
○簗瀬進君 先日、私は行ってまいりました。(略)
実は、神岡でニュートリノについてのすばらしい実験を昨年やりました。そしてつい
先日も、つくば市から二百五十キロの岩盤を通してニュートリノを神岡の宇宙線研究所
に当てることに成功した。それによって、ニュートリノに実は質量があるのではないの
かなというふうなことが確認をされて、今実は世界がこの分野について大変な興味を持
っている。
私が一番残念に思っているのは、〈略〉 昨年の六月の実験直後にクリントン大統領
が、日本の神岡の実験成果についてマサチューセッツ工科大学の卒業式でちゃんと触れ
ているんですよ。
アメリカの大統領が、日本の総理大臣が知らない実験をしっかりと知って、しかもそ
れをアメリカの科学技術の一番盛んなマサチューセッツ工科大学の卒業式で、日本にも
しかしたらまた抜かれるかもしれぬよというようなことで話をするんです。
これが科学技術を喚起するための政治家のリーダーシップの一つのすばらしいあらわ
し方なんだろうなと私は思うんですね。
ぜひとも総理にそのような、科学技術というのは新しい知的世界に挑戦をする挑戦者
です。その挑戦者への称賛といいますか、それを社会的にバックアップするような、そ
ういうことをやっていかない限りは、私は、本当の意味で日本がすばらしい科学技術を
持って新しい新規産業を生み出していくという力は生まれてこないのではないのかなと
思います。
ということで、答弁はもう結構です、時間がおくれましたので。
以上でございます。ありがとうございました。
● 私のこの質問を真剣に聞いていた総理の表情を今でも思い出す。
この質問をしたあと、小渕さんは自民党の総裁選挙に臨む事になる。
そして、そのための全国遊説を始めるのだが、
なんとそのスタートは岐阜県と富山県の県境、カミオカンデの視察であった。
私の予算委員会での指摘が、カミオカンデに小渕総理を行かせることになったと
私は確信した。
そして正直心の中では「参ったなー」と思った。
与野党を問わず、指摘したものが良いと判断すれば貪欲に取りこんでしまう、
そのしたたかさに舌をまいた。小渕政権は、意外に手ごわいなとも思った。
● 小渕前総理は
率直な人だったと思う。
内心の動揺も、正直に表に出してしまう、人間らしい人であった。
もちろん、考え方や手法は異にする。
与野党と立場を異にすれば、厳しく追及もする。
しかし、人間として、まったく憎めない人であった。
そして、懸命に戦い、壮絶に戦死した人であった。
小渕前総理の死を悼み、心からご冥福をお祈りする。