国会通信 No.462


 【アリーナ(闘技場)型国会とはなにか?】

2000/10/23 (マンデーレポート第462回の要旨)


【先週の出来事】 10月16日(月)  8:00〜9:30 MR461を行いました。 10:21 新幹線に乗って上京。  12:00 国対役員会。 14:00 議員総会。 15:30 常任役員会。  議長斡旋案がこの日、午後1時に提示された。国会の  空転を打破できるような内容を期待する雰囲気もあっ  た。しかし、1時に示された案をみて唖然とした。  これではとても国会の正常化どころではない。  それどころか、さらに混乱を深くする、、、  率直な感想であった。  まず、議会の適正な運営を司るのが議長の役目のはず、  しかし、その権限を超えて、選挙制度の中味まで提案し  ているはないか。あきらかに議長の権限を逸脱している。  しかも、その中味がとても納得できるような代物ではな  いのだ。これでは正常化などできっこない、こう感じた。  議長の斡旋案は、議会正常化のための協議会の設置を  提案しているものの、さらに具体的な選挙制度の中味に  まで立ち入って提案している。しかもその中味は、「拘  束・非拘束名簿混合方式」という複雑でわかりづらい内  容である。しかも全国に金権選挙をばらまくという、  旧全国区制度の本質は何も変わっていない。これでは  とてものめない。 ―――――――――――――――――――――――― 10/17   9:30 国対役員会。   10:00 北朝鮮問題について意見交換会。     米朝関係や南北関係の新らしい展開について     外ム省をヒアリングしました。 10:30 警察法改正PT。      警察法改正案の内容を検討しました。  12:00 常任役員会。  14:00 議員総会。 15:30 民主党1T革命推進PTが立ちあがりました。     自民党のIT戦略の不充分な点を徹底的に追及します。     私は、幹事長に就任しました。 ―――――――――――――――――――――――― 10/18(水)  9:00 国対役員会。     斎藤議長の斡旋案が与党からも批判され、    議長は辞任の意向であるとの新聞報道。    緊張感は高まりました。    議長が辞任となれば、必ず「辞任の承認」と    「新議長の選任」のために本会議を開かなければなりません。    野党の徹底抗戦姿勢に対し、議長の辞任にかこつけて、    本会議出席を強制する作戦を考えているのではないか    いわば議長の首を飛ばして一挙に本会議を開催し、    一気に公選法改悪案を強行採決する作戦なのではないか、    そんな予測のもとに緊張は高まりました。 12:15〜13:25 ナイドウ首相と鳩山代表懇談。  会談の直前に、議長が副議長宛に正式に辞任願いを  出した旨伝えられました。  先日 ナイドウさんにお願いした鳩山代表との  懇談が実現しました。  しかし、参議院議長の辞表提出という緊急事態。 12:30 議員総会開催との連絡が入り、会場をあとにする。     ナイドウさんには大変失礼をしてしまった。 13:30 議員総会。   「議長の権威を保つこと叶わず」という異例の理由で  議長は辞職願いを提出したことが報告された。  17:30 有楽町のマリオン前で野党4党による街頭演説を行い、     私は司会を務めました。 20:30 常任役員会。   宿舎に戻り、少々風邪気味なので早く寝よう、  などと考えていたら国対事務局から電話。  急きょ常任役員会開催。  明日 議長人事のみならず選挙制度の法案採決の動きが  急に出てきたため対策を協議しました。 ―――――――――――――――――――――――― 10/19(木) 9:15 国対役員会。      新議長選出直後に、公選法の採決の緊急動議が出された  場合にどうするか、検討。  その際は、直ちに議場を退席する指示を出す事を決めました。 9:30 議員総会。 10:00 参本会議。  1 議長の辞職について「異議なし」  2 議長選任  投票総数 239 、井上 裕 222票 で新議長に選ばれました。  3 副議長は「休憩」を宣告しました。   12:00 広報委員会。 12:30 議員総会。   野党は、新議長から新たな話し合いの余地を模索する動きが  出てくる事を期待していました。  しかし、その一方で、話し合いをする努力を放棄し、  強行採決を前提とした「開会のベル」を押してきたらどうすべきか。  その場合の事をいろいろ考え、最終的には「開会ベル」が押されたら、  出席しただちに新議長不信任の緊急動議をだすことに  野党4党は一致しました。 15:45 参 本会議。   恐れていたとおり、新議長は与野党間の話し合いのための  新たなテーブル作りをする事もなく、「開会のベル」を押しました。  野党は入場し、新議長が着席するや否や直ちに議長不信任案を提出しました。  議長の不信任案は、議会のもっとも重要な人事案件であり、  これが出されると、その採否が最優先の議題となることが議事法で  決まっています。  議長は「開会します」の一言を言っただけで、  「休憩」を宣言せざるをえませんでした。  16:30 本会議再開。   休憩中に用意された「不信任の提案理由書」が各議員の席に配布。  久保亘 民主党参議院議員会長が野党四党を代表して堤案理由書  を読み上げる。  自民党の反対討論のあと、江田五月、山下芳生、日下部きよ子の  4氏が賛成討論をしました。  「討論」の場合は、時間制限のない、いわゆる「フィリーバスター方式」  (※)がゆるされています。  三氏とも工夫をこらし懸命の弁論に取り組みました。 17:50  本会議場での記名投票が開始されました。 投票総数 222。賛成 96 反対 126。 不信任案は否決されました。 その後直ちに野党四党は退席。その後 与党は野党退席のまま、公選法の改正案を採決。 残念ながら、比例区を金まみれの残酷区、銭酷区に 変えてしまう最低の法案が成立しました。 (※)フィリーバスター方式。   質問時間に制限を設けない場合のこと。  野党の抵抗手段として認められている。  「スミス街に行く」という映画で、スミス議員が  ワシントンの連邦議会で延々と演説を続け、  決まりかけていた環境破壊につながる法案を  ひっくり返したストーリーが印象に残る。 ―――――――――――――――――――――――― 10/20(金) 10:00 両院議員総会。 ―――――――――――――――――――――――― 10/21(土)  10:00 渡辺文雄 拡大役員会 護国会館。  18:00 とちぎ4区 総支部 発足式 須賀神社。 19:50 日産労連 新旧役員会 いたや。 ―――――――――――――――――――――――― 10/22(日)  8:00 簗瀬整骨院 ゴルフコンペに参加。     午前中の半ラウンドだけお付き合い。     2年近くやっていないゴルフ。     各ホール10打数以上の大たたきをする。     ゴルフの才能はまったくない事がよく分かりました。 14:00 富屋地区の国政報告会を水島代議士とともに実施しました。  会場からは、野党の欠席戦術に対して  強い批判の声もありましたが、選挙制度は、通常の  法案と違い、国民主権の行使の仕方を決める憲法に次ぐ  重要な法律であること、だから与党が数の力に訴えて  強引に可決してはならないこと、また選ばれる側すなわ  ち議員の側の都合で決めてはならず、選ぶ側に立った  選挙制度審議会のような第三者機関の関与が必要な事、  そしてそれを無視した与党のやり方に対抗するために  は今回のような欠席戦術は許されるのではないかと話  しました。  15:30 西部学童野球の閉会式。(石那田町磯辺建設) ―――――――――――――――――――――――― 【アリーナ(闘技場)型国会とはなにか?】 与野党の妥協のない国会の状況をどう見るか。 マスコミは「新しい国会のルール」を作るべきである との論調が多かったが、そんなかで私の目を引いたのは 10月19日付の日本経済新聞の「討論型へ転換必要」と いう見出しの編集委員芹川洋一氏の記事である。 記事の内容を私流に意訳しながら紹介すると、 「単独政権当時は、、、野党折衝をする余裕が自民党に はあった。しかし、連立の時代となり、自民党は他の 与党との協議をまとめるのがやっとで、野党との『のりしろ』 を残した話し合いの余力など失ってしまった。」 「さらに議会のあり方という制度上の理由もある。」 として議会のあり方に「変換型」と「アリーナ型」の 二通りがあるとする。変換が他の代表はアメリカ議会、 アリーナ型の代表はイギリス議会。 変換型は議員提出の法案を委員会で練り上げて行く が、アリーナ型は議会を与野党対決の劇場あるいは 古代ローマのアリーナ(闘技場)のように見たて、 与野党が双方の主張を徹底討論し、最終的には劇場の 観衆が「選挙」によって試合の決着をつける。 党首討論や、副大臣制度の導入など最近の日本の 政治はイギリス型への傾斜を強めている。そう考えると 野党が筋書きなしで真正面から激突する国会の状態 は、決して不正常ではない、、、、、、、、、。」 「アリーナ型」「変換型」という言葉ははじめて知り ましたが、この考え方は面白いと思いました。 今回の欠席戦術については党内でもかなりの異論が あったことも事実です。そんなかで私たちが常に意識し たのは国民の皆さんへのメッセージの伝わり方でした。 仮に、通常の法案審議のように委員会審議に参加して も結局質問時間や審議日程は数の力で決まってしまい ます。正常なかたちで淡々と審議が進み、与党が充分と 判断するタイミングがくれば、簡単に採決されてしまう。 こんな状況の中で果たして我々の指摘する改正案の問題点が 国民の皆さんにしっかりと認知されるでしょうか。 私はとてもそう思えません。異常なほどの抵抗をし てはじめて強いメッセージが国民に伝わるのではない でしょうか。 今回の法案を自民党がしゃにむに通そうとしている 理由はなんでしょうか。それは自民党の支持率低下への 対策であり、久世問題の隠蔽であり、さらには新たな火 種KSD問題が燃えひろがる前の緊急避難であり、政党 名ではなく個人名を書かせる事での締め付け強化であ り、そのどこをとっても国民本位の視点は欠落していま す。 我々は、批判覚悟の上で、あえて「不正常」を選びま した。そしてできるだけ鮮烈な形で主権者としての国民 に訴えたかったのです。そしてその審判は、「選挙」に よって明かにされるのです。その一点に集中するのです。 このように考えて参議院の民主党は動いてきた。まさに 対立型国会、あるいは決闘型の国会に変わりつつあると いえるでしょう。