国会通信 No.465


 【参議院予算委員会で質問】

2000/11/27 (マンデーレポート第465回の要旨)


【予算委員会で質問】 *********************************************** ●20日 月曜日の衆議院における野党共同提案の不信  任案の決着をヤキモキしながら見守りました。なぜかと  言えばその結果によって、その直後に予定されている  参議院の予算委員会での質問戦のトップバッターが私に  内定しており、質問するかどうか、やるとして相手が誰  になるか、これらの肝心な事がすべて不信任案の成否に  よって変わってしまうからです。 ●もし、衆議院において不信任案が可決されたら、  憲法の規定によって、10日以内に衆議院を「解散」する  か内閣を「総辞職」するかの決断を、森総理は迫られま  す。そんな事態になれば、参議院の予算委員会どころの  話ではありません。当然予算委員会の開催自体、なくな  り、私の総理質問も幻になります。 ●しかし、不信任案が否決されると、衆議院で補正予算  が可決され、直ちに参議院に送られてきて、参議院の  予算委員会での質疑が開始される事になる。すなわち  私の出番がやってくることになるわけです。  そんなわけで不信任案の成否を、私自身も固唾を飲んで  見ていました。   ●結果は、ご案内のとおり、加藤派は宮沢、池田のオールド  ジェネレーションと加藤のニュージェネレーションに  分裂し、また主流派からの強烈な切り崩しにあって  瓦解して行きました。「憲政史上最悪のだらしなさ」  (小沢一郎氏)と酷評されても仕方ない愁嘆場を見せて  終りました。 ●「一人でも(不信任)賛成したい」(加藤)。いや「あ  なたは大将なんだ。そんなことはさせられない。」(谷  垣)との涙のやり取り。あの光景を見ながら、なにか  時代劇か歌舞伎の世界を連想してしまった。それがなに  かいままで意識しませんでしたが、キーボードをたた  きながら、だんだんと忠臣蔵の「松の廊下」だなと、  イメージが集約して行きました。   浅野たくみの守が加藤紘一さん、吉良上野介が「森」   さん、梶川殿が谷垣さん、、、こんな感じです。   「お待ちくだされ浅野様」「止めてくれるな梶川殿」   とのあの光景。うんざりするほど古臭い光景をみせて   終ってしまいました。芝居や映画では「上野介」は   翌年赤穂浪士の討ち入りで討ち果たされるのですが、   さて森「上野介」はどうなるのか、、、。加藤クーデター   は失敗しましたが、森さんの痛手は、吉良の額の傷よ   りもずいぶん深そうです。   結局、加藤さんも、また加藤派の皆さんも、自民   党の派閥の論理にガンジガラミに絡め取られ、あっけ   なく討ち死にし、また執行部も「離党しなければ一切   お構いなし」ときわめて自民党らしい懐柔策を示して   押さえこんでしまいました。「泰山鳴動、ねずみ一匹」。   あまりにも意気地なしの戦いでした。 ●私も7年前に自民党を離党し、そのとき涙を流しまし  た。もし、涙を流すなら、離党できぬ悔し涙ではなく、  離党後の決別の涙にして欲しかったと思います。 ●しかし、あの松浪議員の愚かな水掛ハプニングがあり、  補正予算が衆議院を通過したのが翌21日。その結果  参議院の予算委員会が開催されるのは、22日になるこ  とが確定しました。  ところが、各党の質問時間の配分で予算委員会の理事  会がもめて、話がついたのは質問前日の21日の午後8  時過ぎ。そこからようやく最終の質問準備にかかれるこ  とになりました。なにしろテレビが入るから、各党とも  時間配分にはとても慎重になります。  民主党の持ち時間は40分にようやく決定。それを私  が24分、関連質問を木俣議員が16分行うことに決め、  翌日の質問に臨むことになりました。そしてようやく  午後8時過ぎから質問通告。総理、大蔵、外務、法務、  など関連する省庁の担当者に質問の要旨を通告し、中心論  点のひとつに取り上げる予定の北朝鮮問題で法務省と  のやり取りを最後に、宿舎に戻ったのが午後11時すぎ。  それから、予算関連の質問事項をチエックし、加藤紘一  ホームページの最終チエックを午前3時に行い、布団に  もぐりこんだのが午前4時。テレビで全国に放送される  質問が始まるまでにもう6時間を切っていました。 ●質問のできは、自己採点すると、100点満点で  合格点すれすれの51点くらいかなと思います。と  にかく森さんが質問にちゃんと答えない。そして深  追いして行くうちに質問の持ち時間の24分はあっ  という間になくなってしまいました。予算について  の追求がまったくできずに終ってしまった事は大い  に反省しています。 ●反省点のひとつには、質問時間の使い方、特に  「片道方式」という参・予算委での独特なやり方に  うまくのれなかったことがあります。 ●一般に質問時間は、「質問」と「答弁」の両方の時間  を合計して決めます。これを「往復方式」と言います。  これに対して「答弁」の時間は入れず、「質問」の時間  を決めておくのが「片道方式」です。 ●双方には一長一短があります。  質問をする側に立って双方を比較して見ましょう。  往復方式では、答弁者に不用意に答弁の機会を与え  てしまうと、冗長な答弁によって持ち時間が削られ  てしまいます。だから、答弁者には最小限の答弁機  会だけ与えるようにし、質問者の意見や考え方を述  べる事を中心にして自説を展開したほうが、説得力  や迫力は出てきます。  しかし、片道方式でこれをやると、質問者の持ち時間が  決定されていますので、自分で自分の持ち時間を少なく  してしまうことになります。したがって、質問者と答弁  者が協調的なときは良いが、押し問答が続くような対立  的なときは、理詰めで相手を追い込んで行くのはなかな  か困難です。  たとえば、往復方式によって質問時間を一時間と設定  すると、極端に言えば59分間、質問をし続け、最後の  1分間だけ答弁を求める事も可能です。往復方式ではそ  うなります。  他方、片道方式では、おおよそ答弁時間を質問時間の  2倍と想定して計算し、全体枠の三分の一を目安に質問  時間を決めます。だから質問答弁あわせて一時間くらい  だなと考えたときは、質問時間20分と設定する事にな  ります。  その結果どうなるか。全体枠は一時間と設定した点では  同じでも、上述のように理屈の上では往復方式の場合は  質問者が59分も使ってもかまわないのに、  片道方式では20分が上限になってしまうのです。  追求する側は、どうしても理詰めの執拗な追及になりま  すから、質問時間が押さえこまれる片道方式はあまり  有利とは言えませんね。  質問当日も、悪戦苦闘しているうちに自らの持ち時間  がどんどんなくなり、結果として用意した予算関連の質  問のすべてを放棄してしまいました。    (なお、質問の詳細な要旨については後日ホーム  ページに全文掲載致しますのでご覧ください。) ●今回の質問のメインで取り上げたのは、総理の北朝鮮  の拉致問題についての「第三国発見方式」でした。 私の主張したかったのは 1 なにが問題かといえば「拉致」の事実を「行方不明」   にすりかえてしまうことである。それは「拉致」の事実   の隠蔽であり、相手国の不正に対する根拠のない免責に   ほかならない。 2 このような提案は、議員外交のレベルでは許されて   も、総理大臣としての提案では許されないし、それを   追認したと誤解されるような対応(=ブレアさんとの会   談で言及する事)も問題である。 3 さらに、総理としての不用意な言及によって、   秘密裏に行方不明者として発見する方法をとることを   不可能にしてしまった。 4 このような発言は、わが国のイメージを著しく   損なった。すなわち、日本という国は、現実問題の   解決のためには、国家の正義や国民の誇りを簡単に   捨て去ってしまう国だとの誤解を与えた。 5 まず「拉致」の事実を正々堂々と相手に訴える   事からはじめるべきである。 6 最後に、このような正々堂々たる対応ができず、   「行方不明者」として対処するなどの姑息な解決策   しか提案できない原因の根本がなんであるか考える   べきである。それは北朝鮮とわが国の過去の歴史の   総括をきちんと行ってこなかったわが国の対応にあ   るのではないか。侵略と言う大きな歴史的不正を認   めようとしない国に対しては、拉致の事実を明らか   にする必要もない、、、おそらくこれが北朝鮮の論理   であろう。自らの過去の不正に眼を閉ざす者は、   相手の現在の不正も指摘できない。 7 なお、総理はこの提案をもはや「周知の事実」に   なっていると強弁する。しかし、訪朝団の帰国直後の   記会見では「第三国(=日本・北朝鮮のいづれでもない   第三の国の意味)での発見などとは言っていない。   新聞の記事によれば、「気がついたら自分の家で   ビールを飲んでいた」という話であって、それは   第三国ではなく、自国(拉致された者の国=日本)   発見方式のことを言っているのであって、第三国   発見などと言うのは、その後の発言なのである。   したがってそのように提案自体いいかげんな、   到底周知の域に達しているものではないのである。   多くの皆さんから 激励や賛同のメールをい   ただきました。感謝します。 ●他方、予算についての質問がない、しつこすぎる、  質問の態度が高圧的でよくないなどとご批判のメール  もいただきました。かならず、今後の参考とさせて  いただきます。どうもありがとうございました。