国会通信 No.467
【鳩山代表訪中随行記】
2000/12/18 (マンデーレポート第467回の要旨)
【鳩山訪中団に参加してきました】
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●先週11日から14日まで、鳩山代表に随行して
訪中しました。鳩山さんとしては民主党の代表となって
はじめての海外訪問であり満を持したものでした。
またこの計画自体も、私が国際交流委員長として根回しして
きたものですから、その実現は大変うれしくありました。
●今回の訪中の目玉をざっとあげると、
◇国家主席の江澤民さんとの会見
◇北京人民大学での若い学生たちとの対話集会
◇ゴールデンタイムで視聴率の高い報道番組
「チャイナ・レポート」への出演
◇ 中国のシリコンバレーと言われ始めた中関村での
民間企業視察などでした。
●国家主席の江澤民さんにしても、2002年の人民大会で
いよいよ交代する事が確実になってきたのではないか、
そんな観測が流れています。朱首相やそのほかのトップリーダー
の多くが交代する気配が強くなっています。
そんなかで鳩山代表と新しいリーダー予定者との
信頼関係を強くするのも今回の目的のひとつでした。
●江主席や、温家宝副総理を初めとしてすべての会見で
鳩山代表が一貫して主張したのは、以下の事項です。
そして、このことは北京人民大学やテレビでの発言でも
同じでした。
1 歴史については「過去を鑑(カガミ)にして未来を
見つめるべきである。」
2 日中は協力して東アジアにおける
「不戦の共同体」を作るよう努力すべきである。
3 「一つの中国」を正しいと考える。
したがって台湾の独立には反対である。
しかし大陸が台湾に対して武力を行使し
自らの考えを強行する事にも断固反対である。
4 これからは武力以外の文化や科学技術などの
国の総合的な魅力が問題になる、
いわゆるソフトパワーの時代である。
5 このような考え方に立って、日中は「環境」や
「情報」そして「安全保障」などの側面での取り組みを
共同で行うべきである。
●特に「不戦の共同体」構想は、重要な提案でした。
クーデンホフ・カレルギーというハンガリーの学者が
提案した「友愛」の観念をベースにしての「不戦の共同体」構想。
これが出発点になって現在のEUが誕生しました。
現在、日本への輸出総額の1位はアメリカですが、
EUを抜いて中国が第2位になっています。
日中はもはや切っても切れない経済的な関係が出来上がっています。
第2次大戦後、ドイツとフランスはまず経済の密接な関係を
出発点にして、政治的な新たな関係を築きました。
日中もこれを見習うべきである、、、、このことを
鳩山さんは江主席を初めとしてすべての要人に説きました。
●「不戦の共同体」を日本と中国の協力で作ろうとの
提案は歴史的な意味を持つ提案だと思います。
●戦前の日本は、軍事力を背景にした「大東亜共栄圏」と
いう妄想的な構想に自己陶酔してしまいました。
そして、アジアに大変な惨禍をもたらし、日本は自滅していきました。
●江主席ほか中国の要人たちは、この忌まわしい記憶を
間違いなく持っているはず。
そんな皆さんに鳩山さんの提案がどのように受け取られるか、
私はその点が大変興味深かったのです。
しかし、江主席はじっと鳩山さんの話に耳を傾けていました。
また、会見予定の45分を30分以上上回る大変良い
雰囲気で会談が行なわれました。
さらに中国共産党の外交面での総責任者である
中央対外連絡部長の戴秉国(たいへいこく)さんは、
ドイツとフランスの関係を日中関係に直ちになぞらえる
事はできないとコメントしながらも、
「不戦の共同体」構想については一定の理解を示しました。
●もちろん、単なる経済的な関係のみがEU誕生のキッカケが
できたわけではありません。
ドイツの、自らの過去を冷厳に自己批判する継続的な
努力があったことは忘れてはならないと思います。
この点での日本の取り組みはまだまだ甘いなと思います。
しかし、「不戦」の旗印をきっちりと掲げながらの
「共同体」構築が両国のリーダーの間で冷静に話題と
なったということは、日中の歴史が新たに新しいレベルに
乗ったものと評価できるのではないかと考えています。
●北京人民大学での学生集会も、鳩山さんの学生の質問に
率直に応える姿勢に、学生たちは大変好意を持ったのでは
ないでしょうか。
●次週は、シンガポールの視察で考えた事をレポートしたいと思います。