国会通信 No.468
【シンガポールのIT革命】
2000/12/25 (マンデーレポート第468回の要旨)
【シンガポールIT視察】
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●12月13日から民主党のIT推進PTの調査団が
シンガポールのITの活用状況を視察に行きました。
私は鳩山訪中団に同行し、北京での公式日程を消化した後で、
この調査団に参加しました。
その際に気づいた点をご報告します。
(注 IT=Information Technology=
コンピューターを中心にした高度情報技術)
●シンガポールは人口320万人、そのうち8割以上が華僑の人々で、
残りはマレー人などです。
今回の視察で感じたのは、この少ないマンパワーを活用するために
ITを積極的かつ有効に活用しているということでした。
●シンガポールの議会は一院制です。
また首相は議会の多数派から選ばれ、議会に対して責任を負う
議院内閣制をとっています。
議院の任期は五年。
選挙制度は小選挙区と6名以内の比例選挙区の混合型。
そして少数民族や野党の議席確保のための特別な制度があります。
●1997年の選挙の結果は、与党の獲得した議席は80、
野党のほうは3。
(実際は野党は2。プラス1は、野党保護のための特別法
によるプラス分)
という圧倒的な与党優位の政治構造になっています。
●シンガポールの強い政治的な指導力には定評があります。
お土産用に売られているTシャツにも「罰金Tシャツ」があります。
背中一面、違法行為と罰金を図案化したもので世界広しと言えど
なかなかお目にかかれないものです。
これがどの観光客の立ち寄りそうなところには
どこでもおいてあります。
タバコの吸殻を捨てたら1000ドル、噛んでいるガムを
街路にはき捨てたら、3時間の強制労働などなど、
このような強い規制とその背後にある政治的な強固な指導力は、
この圧倒的な与党優位の構造にあるのだと実感されます。
●リー・クアン・ユー上級相(前首相)と
ゴー・チョクトン現首相の二人が強力な指導力を発揮しながら、
人口の圧倒的に少ない、シンガポールの経済的な発展を全力を
あげて追求してきたのです。
そしてこのシンガポールの経済的な政策の中心に
ITの活用があることを実感しました。
●ひとつはPSA(シンガポール港 運営会社)です。
PSAはもとをたどればシンガポールの港湾庁。
ここが100%出資して来年民営化する予定ですが、
すでにコンテナーの取扱量やコストにおいては世界有数です。
さらに、将来的には自ら開発した港湾経営のシステムの輸出や、
港湾自体の建設まで手がけようとしています。
●港湾のターミナルは、船積みされた貨物の搬入・搬出、
それぞれの通関手続き、国内やトランジットのための仕分け、
等々の複雑な流れがあります。
これを一貫してシステム化したところにPSAが
成功している最大のポイントがあります。
タテワリの行政や業界の壁を取り去り、効率化という一点に
絞ってシステム設計する、それこそITのもっとも得意と
するところです。
もし日本でこれをやろうとすると行政的規制の壁にぶつかって、
システム化は部分的にしかできません。
日本は、IT利用のための環境を整備するほうに勢力が
殺がれてしまいます。
●次にシンガポール・ポストもたいへん勉強になりました。
経営の形態を国営から、公社化し1993年に民営化、
そしてシンガポールテレコムは郵便局の集配作業等を
積極的に機械化していきました。
また同時に各種の支払い業務の代行業務に積極的に参入、
ヴァーチャル・ポスト(vPOST)の電子サービスとして
郵便局の新しい活路を開こうとしています。
●たとえば支払いの代行業務のメニューは60種類以上になっています。
税金の支払いも、たとえば所得税などの30%はすでに
vPOSTをとおして支払われているとのこと。
ただ、まだ経営的には完全にペイしている状況ではなく、
将来のデータベースとしての新たな活用のための
先行投資の意味合いがこいとの説明でした。
●続いて、運輸通信委員会に所属する二人の国会議員に面会しました。
そのときに彼らから聞いた言葉は少しショックでした。
「情報の活用の仕方では、日本は遅れているとの認識が一般的。
だからアメリカのいろんな取り組みを勉強している」との話で、
かつては高度経済成長の日本がお手本にされていたはずの
シンガポールでも、情報の面では日本が遅れていると認識されている
のはたいへん残念です。
日本が本当に遅れているかどうかは一言では言えません。
たとえば、シンガポールでも良く聞いてみると、
インターネットを本当に活用している人口は5万人ぐらいとのこと。
日本ではすでに2000万人近くがインターネットを使用しているのだから、
絶対数でも人口比でも決して遅れを取っているわけではありません。
問題は、インターネットを使用した新たな経済のチャンスを
奪っているいろんな要因だと思います。
ひとつにはずいぶん下がってきたものの、
まだまだ「湯水のように使えるほど安い」と意識されていない
通信料金、そしてもっと大きいのは、利用者サイドに立って、
もっともっと使いやすい仕組みを作ろうとしなかった行政や業界の体質、
さらにITのもたらす統合的な合理性の発揮を妨げている
いろいろな規制、これらを総合的に解決して行く事が
行なわれなければなりません。
●シンガポールは、リークアンユー前首相が中心になって
行政や政治の腐敗を徹底的に撲滅してきました。
そしてその反面として国民にたいへん厳しい規律を課しました。
哲人政治ともいうべき「権威」による強烈な指導、
そして指導の理念は「効率」であり、
タテワリの無駄は許さないという徹底した考え方に
ITは見事にマッチしたと言うべきでしょう。
●正直に言えば、シンガポール的な強圧政治は
あまり私の好みではありません。
しかし、見習うべき点はしっかり見習うべきです。
そしてその最大のポイントはITのメリットを発揮する
最大の方策のひとつは規制改革であり、
もうひとつはユーザーフレンドリー(=消費者第一主義)
であると思います。
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【主な視察先】
◇PSA(シンガポール港 運営会社)視察。
(※)ITを有効に活用した港湾運営の実態。
◇シンガポール国会議員と意見交換。
(※)運輸通信委員会に所属する陳清木氏、楊木光氏。
◇シンガポールポスト社視察。
(※)ITを活用したコスト削減の実態と60種類以
上の手数料支払い業務代行の実情。
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【先週の主な出来事】
○18日
7:00 シンガポールから帰国。
16:00 民主党県連幹部と連合栃木との連絡会議。
○19日
8:00 第467回 マンデーレポート実施。
○20日
13:00 六本木男声合唱団 チャリティコンサート:リハーサル及び本番。
○21日
18:00 雀宮地区やなせ後援会 忘年会。
○22日
9:30 毎日新聞社から取材。
〇23日 河内町やなせ後援会主催の国政報告会。