国会通信 No.483

 【米国リハビリテーション法508条の衝撃】

2001/4/16 (マンデーレポート第483回の要旨)


●4月13日(金)午前8時から、私が座長を務める情報バリアフリー  ワーキングチーム(WT)と人権部門会議の合同会議が開催された。  そして株式会社ユーディット(http://www.udit-jp.com/)代表の  関根千佳さんのレポートを聞かせていただいた。 ●米国のリハビリテーション法(以下リハ法)508条は  昨年12月21日に成立し6ヶ月の準備期間をおいて、いよいよ  今年6月21日から施行される。関根さんは、その施行直前の米国の  状況を視察してきた。 ●その内容はたいへん刺激的かつ衝撃的であった。  もしこの法律への対処が遅れれば、日本の電子産業は、北米市場  のみならずEU市場から締め出されることになりかねない。  日本の電子製品の輸出に対して、新たな非関税障壁を設けられるのと  実質的には同じ事になるであろう。 ●しかし、この問題について日本の対処は著しく遅れている。  政府のみならず、産業界の対応もきわめて鈍い。さらに、この  問題に気づいているマスコミの存在を私は知らない。 ●さらにこの問題の背景にあるのは、わが国の障害者に対する  考え方の基本的な誤りである。健常者を原則に置き、障害者を  例外的に扱ってきた日本社会の根本が問われている、そんな  奥深い問題につきあたる。 ●以下に関根さんのレポートをもとにしながら、リハ法508条の  ポイントや、問題点を紹介する。 ●関根さんは、今年日程3/18〜25にロサンゼルスで開催された  第16回「障害者とテクノロジー」大会、そしてワシントンで  開催されたフェデラル・IT・アクセシビリティー・イニシャチブ  (FITAI)(http://www.section508.gov/)主催の会議に  出席してきた。 ●FITA(ファイタイ)は、508条実施のための技術支援を行なう  政府機関等の連携委員会であり、教育省、法務省、防衛省、  アクセスボード(※)、NSFなどの機関がメンバーである。そして  6月21日の施行日を前にして、全米10ヶ所前後で精力的に  説明会を行っているのである。 ●まず リハ法508条は、どんな法律か?  「連邦政府が調達するIT機器は障害者にアクセシブルでなければ  ならない」=これがこの法律の最大のポイントである。 ●言うまでもなく米連邦政府は世界最大のIT機器の消費者である。  そしてその調達基準が「障害者にアクセシブル」と定められたことは  IT機器の製造や販売そして使用にとって重大な意味を持つ。 ●508条はこの基準を、障害を持つ職員のみならず、サービスを  受ける市民にまで適用されるとした。役所の内部のみならず、公共施設  での国民へのサービスに使用されるIT機器のすべてが、障害者に  アクセシブルでなければならないとしたのである。 ●さらに508条は、調達基準の目標を定めるにとどまらず、  違反した場合に、職員や市民は調達部門を提訴する権利があるとした。  日本のような努力目標ではない。きちんとした法律上の義務規定とした。 ●508条は適用範囲が広い。   1)現在役所に障害者がいなくても、将来障害者が配属される可能性が     ある以上、すべてのIT機器の新規調達に適用される。   2)Tech Act(1998年)のファンドを受けている全ての機関も含まれる     ので、アメリカの全ての州政府や、 大学・研究機関等にも適用は拡大される。 ●ところで、アクセシビリティ指針を作成するのはアクセスボード。  Access Board(アクセス委員会)( http://www.access-board.gov/)は  障害者のアクセシビリティ問題を専門とする独立の連邦機関のこと。  アクセシビリティ指針を作成したり、技術支援、トレーニングなどを行う。  連邦の各省庁の高官と大統領により指名された公共メンバー約30名で  構成されています。 ●アクセスボードはすでに80品目のアクセイシビリティ指針に適合した  IT機器のリストアップを終えたといわれている。しかし、その中に  日本製品はほとんど入っていないようである。 ●さらに、2003年1月からはLOGOフェーズが開始される。への準備は?  すなわち決められたロゴがついていない機器は入札に参加することすら  できなくなる。それまであと1年半しかない。 ●ワシントンのFITAに参加した400名以上の各国政府や  企業の参加者。しかし、日本の関係者は、関根さん、キャノン(2名)、  NEC(4名)しかいなかったそうだ。この問題の日本側の認識不足を  象徴している。このまま行くと、わが国のIT機器は、「障害者への  アクセシビリティ不足」というレッテルをはられ、北米市場を失って  しまうのではないか、そんな危機感を持たざるを得ません。 ●関根さんは以下のような日本の問題点を指摘していました。   1) 障害者が高等教育を受けることが難しい   2)IT産業に障害者がいない   3) 企業や官公庁に障害をもつ社員がいない。   4) アクセシビリティの重要性を企業が理解できない。   5) 508条の重要性やインパクトをトップが理解できない。  このようなことから、政府機関にしろ、企業にしろ、トップにいる  障害者の数は圧倒的に日本は少ない。障害者対応が当然のアメリカ  その配慮が欠けている日本。両者の差異が、IT機器の使用という  新しい課題で、さらに際立ってくる。たとえば、アメリカのアクセス  ボードの指導者的な存在ダグ・ウェイクフィールドさんは全盲の教育省  次官である。  障害者に冷たい日本という烙印が押されかねない、そして  その結果として日本の21世紀を担うべきIT関連企業で  国際市場から排除されるとしたら、こんな恐ろしいことはない。 ●今までは障害者を例外的な存在としてあつかってきた日本社会。  しかし、アメリカではまったく正反対。この問題が、IT機器の  政府調達基準という新たな課題のなかで問われてくるのだ。  早急な取り組みが必要である。 ……………………………………………………………………………… ……………………………………………………………………………… 【先週の主な活動】 ■4月9日(月) マンデーレポート 10:00AM 真岡市長選に関する政策協定調印 2:45PM 警察庁生活環境課吉田課長 風適法の件 3:00PM 広報委員会インターネットチーム会議 4:00PM 内閣委員会理事懇 6:30PM 黒岩秩子議員と会食 ■4月10日(火) 9:20AM 国対役員会 10:20AM 内閣委員会理事会 10:30AM 内閣委員会 終了後 内閣委員会理事懇 0:00PM 常任役員会 ■4月11日(水) 9:10AM 国対役員会 9:30AM 議員総会 10:00AM 本会議 0:00PM 国対・理事合同会議 5:00PM 男女・人権・消費者部門/プライバシー保護法WT合同会議    「個人情報の保護に関する法律案」民放連よりヒアリング 6:30PM 第1区総支部幹事会 8:00PM 選対委員会 ■4月12日(木) 9:20AM 国対役員会 3:30PM 裁判官訴追委員会 ◆最高裁判所 刑事局長をヒアリング。  福岡高裁判事に対する訴追請求案件について  熱心な議論が続いた。  来週は いよいよ被訴追者本人を聴取することに  決定した。 ■4月13日(金) 8:00AM 男女・人権・消費者部門/情報バリアフリーWT合同会議 ◆米国のリハビリテーション法508条は6月21日から施行される。  その施行直前の状況を視察してきた関根さんから衝撃的なレポートが。  (前掲) 11:00AM〜7:00PM 町議選挙を15日に控えた粟野・塩谷町。      推薦したり関係のある各選挙事務所を激励して回る。 ■4月14日(土) 6:00PM 柴病院花見会