国会通信 No.498

 【靖国問題:続/初盆まわり】

2001/8/20 (マンデーレポート第498回の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【靖国問題 続】【初盆まわり】 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【靖国問題 続】 ●首相は、15日に参拝すると公約しておきながら、「熟慮」のすえ  13日に前倒しで参拝したそうだ。なんと姑息なと言いたい。 ●そもそも参拝に「前倒し」はそぐわない。  「参拝」は、もとより人の心情の純粋な発露である。そこに日程の都  合や職務のにおいのする「前倒し」という観念がはいる余地はない。  前倒しで参拝することの基本的な違和感である。 ●今回の騒ぎで明らかになって、初めて気づいたことがある。  それは総裁選挙のさなかで小泉さんが軍恩連の会長に電話した一件  である。電話で「8月15日に靖国に公式参拝する」と言明したそうだ。  彼の公約は、国民に対する公約であると同時に、軍恩連に対する  約束だったのである。 ●軍恩連のみなさんは、靖国神社国家護持法案の推進者であると同  時に、靖国公式参拝の運動を真剣にやってきた。また新聞によると、  15万人の自民党党員を持つ自民党の最大の支持勢力。  さらに派閥的には従来から橋本派と密接な関係を持っていたと報道されている。 ●とするなら、小泉さんの総裁選挙での橋本必勝戦略として、軍恩  連の支持を得ることは重要なポイントであったと想像する事が出来  よう。小泉さんは、じつにしたたかである。 ●靖国問題にてついては先週も触れた。しかし、反対の理由につい  ての、私の言葉は不充分であった。以下のようなご指摘をいただき  そのことに気がついた。 ●松田正一さんからいただいたメールの全文を紹介する。 《《《 FNETD の書き込みについてどうしても納得できませんので、     失礼とは思いましたが私の疑問に耳を傾けていただければと思い     メイルをださせていただきました。 >1 総理は、総理になった瞬間か私人ではなくなる。 >小泉さん自身もライオンハートで述べている通り24時間公人 >である。したがって、彼の靖国参拝は、国家機関としての参拝となる。 >2 靖国神社は、「神道」というひとつの宗教の施設である。    そこに総理が参拝することは明瞭に政教分離を定めた    憲法20条3項に違反する。  という書き込みを FNETD で行っておられます。  憲法20条1項に「信教の自由は何人に対してもこれを保障する」とあっても、  総理大臣には保障されないと解釈されているようですが、  なぜ、3項を1項より優位に解釈されるのですか。  私は「公人」も「何人」には該当するが3項でいう「国家機関」には  必ずしも該当しないと考えています。  もし簗瀬さんの解釈が正しいとすると仏教徒は総理になれば  その在職中お寺に参拝したり墓参りにいけなくなる。  クリスチャンもクリスマスに教会でミサを受けられない。  イスラム教徒であればモスクに行ってアッラーに祈ることもできない。  宗教を信仰している人はそれを捨てないと総理になってはならないと  言っているのと同じです。  信仰を捨てろと言うのが信者にとってどういうことであるか考えたことがありますか。  まともな信仰心を持った人間は総理になる資格がないと言っていることになります。  もし憲法20条3項がそういう規定であるとすれば世界に類を見ないバカげた規定であり、  そんなことは有り得ないと私は考えています。  簗瀬さんは信教の自由についてどう考えておられるのですか。  総理には無神論者あるいはいわゆる日本人的ないいかげんな信仰心を  持った人間でなければなるべきではないと考えておられるのですか。  この件につきましては FNETD でもアップしていますので、  もし FNETD で回答いただければ私の最大の喜びとするところです。    平成13年8月14日     マツマサこと松田正一 拝   》》》 ●松田さんのご指摘は正しい。私の説明は不十分であった。   この指摘をうけたうえで、改めて総理の靖国参拝と信教の自由、  政教分離の意味を考え、以下のように整理してみた。  ご批判をいただきたい。 1 まず信教の自由(20条1項)と政教分離(同条3項)の関係であ   る。私の考えでは、両項に優先・劣後の関係はないと思う。両項は   対等であり、相互補完の関係にある。これが自分の結論である。 2 次に総理の信教の自由である。もちろん総理の「個人的」な宗教   行為については当然信教の自由が認められる。これは憲法上認めら   れた信教の自由からいって当然のことである。総理になったから、   宗教を捨てろと言うわけではない。(20条1項) 3 しかし、個人的でない宗教行為には政教分離の原則が働く。 4 問題は、総理における「個人的」な宗教行為と、   その余の宗教行為あるいは宗教活動との区別をどうするかである。 5 私は、総理になった以上、基本的には私的生活が厳しく制限され   ると考える。なぜなら総理は属人的に総理の職務を背負っているから   である。 6 たとえゴルフ場でプレイしていても、えひめ丸沈没の報告を受けた時点から、   芝生の上だろうと、ゴルフウエアを着ていようと、   瞬時に国家の最高責任者にならねばならない。   それが24時間「公人」という意味である。 7 このように考えると、明瞭な個人的な宗教行為を除いて、   その他の宗教活動については、公人として政教分離の原則に従うべきだと考える。 8 もし靖国参拝が、総理の個人的な関係のなかで行われるなら、   それは当然20条1項の信教の自由の範囲内である。   しかし、その意味は、特定の個人に対する宗教的な行為でなければならない。 9 8月15日という特別な歴史的意義をもつ日を選び、   戦没者をはじめとする戦争で亡くなった不特定多数の人を参拝する行為は、   私の理解では、とても個人的な宗教行為と理解することはできない。   このことは、多少日をずらして行っても同じである。だから今回の靖   国参拝は政教分離の原則に反する。 10 また、総理の靖国参拝は、神道形式の宗教活動を他の宗教活動の   上位におく印象をもたらす。結果として、神道を他の宗教よりも優位   に扱うことにつながる。これは、日本国民の持っているそれぞれの信   教の自由を間接的に侵害することにもなるのでないか。 【初盆まわり】 ●敗戦の時期とお盆が重なるのはなぜなんだろう。初盆まわりを  しながらいつもそんなことを考える。 ●今年も妻と手分けして 3日間であわせて200軒前後をまわる。  お線香を手向け正座して仏壇で手を合わせる。今年はそんなに暑く  なかったが猛暑の時期、初盆まわりはしんどい作業である。あせもが  出来たり、膝がすりむけたりすることもあった。しかも個人的に  親しいお宅のときは簡単に辞去できない。そんなわけで、夜中まで  かかってまわることも多い。今年も帰宅時間は3日間とも夜の10時を  過ぎてしまった。 ●供養に持っていくお供え物にも頭を悩まされる。  今年も名刺1枚で回ったが、仏壇の前に重なるお供えものには  政治関係者の名前が見えたりする。宮城県でお線香配り失職した  代議士がいたが、国、地方を問わず議員関係者の配り物も後を  たたない。政治家の寄付行為禁止も、現実にはなかなか徹底しない。 ●そんな状況で、初盆回りそのものをやめてしまえという動きもある。  しかし、私はこれを止める気にはなれない。なぜなら、一種の宗教的な  気分の中、親戚知人が集まっており、けっこう真面目で率直な話を聞く  ことが出来るからである。 ●景気の話や、農作物の収穫見通し、選挙の話から介護の話まで、  本当にいろんなことが勉強できる。名刺一枚でまわる気構えさえあれば、  貴重な情報を収集するできる大変有意義な機会が「初盆」である。 ●特に今年は、一人残された高齢者のさまざまな姿が印象に残った。 ●「初盆会(え)、愛する人は、向こう岸」  仏壇に手をあわせようとしたら、この句が目に飛び込んできた。  妻に先立たれた方の自筆の色紙が祭壇に飾ってあったのである。 ●「初盆会、妻はどこまで行ったやら。」     やはり妻に先だたれた夫。達筆の筆で大書してあった。  自分を鼓舞するために、あえて帰ったら誰もいない家に向かって  大きな声で「ただいま」と言う。最初は、その一声を出せる勇気が  湧き上がってこなかったそうだ。孤独と懸命に戦う姿に感動した。 ●栗山の山村、29戸の集落で、一人住まいを続ける76歳の女性。  毎日4時に置き、畑を耕し、できた大根やとうもろこしを軽トラックで  鹿沼の農協に運ぶという。なんという決意。そして静かにして  して大きな覚悟。心から敬服した。 ●私と妻には、子どもはいない。  自分たちの老後を想像したり、  さらには日本の高齢者問題のさまざまを考えながら、  今年も初盆回りを終えた。 【先週の活動記録】 ■ 8月13日(月) 8:00〜9:30 マンデーレポート497回 10:00AM〜10:15PM 初盆まわり 第1日目 ★主に県南地域をまわる。途中で、小泉総理が靖国神社に「前倒しで」参拝したことを知る。 ■ 8月14日(火) 9:00AM〜10:30PM 初盆まわり 第2日目 ★主に県北地域をまわる。  栗山村の「土呂部」という29戸の集落をたずねたときには豪雨と雷に遭遇。  時間は大いにロス。河内町で訪問する予定の5軒は、  同時刻に上河内地区をまわっている妻に依頼。  引き受けてもらう。  妻は風邪気味で微熱。妻に感謝。 ■ 8月15日(水) 8:00AM〜11:00PM 初盆まわり 第3日目 ★3日目ともなると、仏壇に正座が続くので、膝も痛くなってくる。  午後8時過ぎにお訪ねした、喜連川の八木沢さん宅で靖国論議。  滞在時間は40分余になる。  気ばかりあせれど、時間はどんどん遅れ、帰宅したのは午後11時過ぎ。  今年の初盆まわりがようやく完了した。 ■8月16日(木)  午前中は自宅で休養。  午後、半月板の手術をし小山市内の病院に入院中の弟豊を見舞う。  経過は良好。14日に手術をし18日には退院できそう。よかった。 ■8月17日(金) 10:00〜1:10PM 映画鑑賞。「パール・ハーバー」。  ★久しぶりに宇都宮の映画館ヒカリ座に行く。妻を誘ったが、3日間  の初盆まわりで完全にダウン。残念ながら一人自転車で出かける。  ヒカリ座は「ジュラシックパーク3」「AI」も併映。意外なことに  開場前に入場者の列が出来ていた。そういえば新聞では今年夏の映画  の入場者は昨年同期の倍以上と書いてあった。  朝食代わりのハンバーガーを「お持ち帰り」で買い込んで定刻に入館したらほぼ満席。前列には空席  もあるが、首が痛くなる。ひとつだけの空席に割り込むのも、  お互いに窮屈。そんなわけで一番後ろで立ったまま見ることに。     ■8月18日(土) 10:00AM〜11:00PM 南那須町 「いかんべ」祭に「国賓」として出席。 ★井上ひさしの「吉里吉里国」(?)という小説に触発されて建国されたのが  南那須町の「いかんべ共和国」。「いかんべ」とは土地の方言  で「よ(良)かんべ」(=良いよね)の意味なり。この日は、共和国  の第15回建国記念日。その主唱者の塩田大統領から「国賓」として  紹介され挨拶。「国賓となったのは初めて。この栄誉に心から感謝します。」と挨拶。遊び心あふれる愉快な地域おこし。 11:00AM〜12:30PM 烏山町の「川の駅」訪問。 ★吉田公平さん発案の文化発信活動。そばを打ちながら、ついでに  パソコンも打ってしまおうという面白い企画。相槌を打ちながら、  そばに舌鼓を打つ。西田さん、加瀬さん、藤田さんと今後の活動につ  いて相談。 5:00PM 城東地区サマーフェスティバルで挨拶。 ★地域手作りの「城東龍」はいつ見てもすばらしい。連合自治会長の  山口さんと地域と小学校の連携について意見交換。塚原市議も設営に  朝から大汗をかいていた。 6:00PM〜9:00PM 盆踊り3会場をはしご。 ★宇都宮の御幸地区、今泉地区、そして益子町の(社)明照協会主催  の盆踊り大会に参加。簡単なスピーチとともに踊りの輪に加わる。  今年の盆踊りの踊り納め。最後の益子町では保育園の子どもたちと一  緒に「ニンタマ音頭」も踊った。