国会通信 No.505

 【湾岸トラウマと政権パラノイア】

2001/10/15 (マンデーレポート第505回の要旨)


【テロ特措法案への対応】 ◆先週の金曜日の午後5時半から、民主党の党本部において、  テロ特措法案への最終的な対応を議題とする合同部会が開催されました。  同時刻、宇都宮で上記の県連大会が開催されるため出席できなくなった  ため、自分の態度を明らかにしておく必要を感じ、以下の意見書を  主催者である鹿野道彦、伊藤英世両部会長あてに提出しました。 ◆今回の法案について、私の基本的な考え方の一部が書かれていますので、  以下そのまま引用します。 ■意 見 書             01年 10月 12日                  参議院議員 簗 瀬   進 本日開催される外務部門・安全保障部門合同会議には、同時刻に民主党 栃木県連の定期大会が開催されるため出席できませんので、書面をもって テロ対策特措法についての、私の考え方を表明させていただきます。 1 結論 ●基本的に重要と思料する以下の諸点についての修正を求め、修正できれば賛成。  修正できなければ反対すべきである。 ●修正を求めるものうち重要なもの 1)国会の「事前承認」  (理由)自衛隊を海外派遣する際の最大の原則が、「国会事前承認」である。  これは軍隊に対するすべてのシビリアンコントロールの出発点であるから。   なお、首相答弁は「立法の過程で国会の意思が表示されている」ことを理由に  国会の事前承認を不要としているが、これは法案の成立過程と法案の中身の  問題をあえて混同させた誤った議論である。  もし自衛隊の海外派遣について国会の事後的な承認でもよいとしたら、  国会の自衛隊に対する指揮監督権を、国会自らが最初から放棄することになろう。  これは未来に大きな禍根を残すことは間違いない。 2)任務の場所的範囲の限定 (理由) 被災民の救援であるとしても、紛争地に近接した隣国の領土内に  入ることは、「国際紛争を解決する手段として」「武力を行使する」可能性に  自衛隊を限りなく近づけることになる。被災民救援のためであるとしても  自衛隊を紛争に巻き込まれる危険性を限りなく高めることになる。あるいは  そのような危機を想定した法案は、憲法9条違反を最初から予定している  法案である。これは許されない。      2 附言 ●今回の法案の歴史的意味  今回の法案は、21世紀の日本の外交的進路はもちろんのこと、経済的な発展  の方向性まで規定する重要な法案である。その観点にたって民主党の判断すべき  ポイントを以下の2点に絞り主張したい。 1)外交上の進路決定の観点から   21世紀の世界の重要な課題は、貧困と、そこから発生する熱狂的な宗教・文化   に対し世界が、ひいては我が国がどう対処していくかということである。   ビンラディーンおよびタリバンは、このような背景を前提として、世界を   イスラム対米国の対立構造におとしこもうとしている。   一方アメリカは、テロリズムに対する対応を理由に世界の秩序をアメリカ中心の   一極支配構造に持ち込もうとしている。いずれにしても、アメリカも、   ビンラディーンもこのような南北の対立構造を予定している点では、   実は共通しているのである。   従って今回の法案で問われているのは、実は日本がこのような南と北の対立   構造の中でどのようなスタンスをとるかなのである。日本は、アメリカを頂点   とする「富者連合」に位置づけることをもって良しとするかどうかなのである。   結論として私は、アジアという地勢上の日本の位置、歴史的な経過、文化的な   特色等を総合的に判断すれば、わが国は、困難を覚悟の上で、「富者」と「貧者」   の橋渡し、西洋と東洋の緩衝国の立場を目指すべきであると考える。   このような見地から、今回の法案によって日本が熱狂的な米国の同盟国の   役割に徹することは適当ではない。日本はアメリカにとってクールな同盟国で   あるべきである。 2)経済的な21世紀戦略の観点   今回の、わが国の対応によっては、21世紀の世界市場における、わが国の   ポジションが大きく変動することも意識しておくべきである。   言うまでもなく、21世紀の世界経済の市場的な拡大の方向性は、紆余曲折は   あるにしても、中国、東南アジア、インド、 中東、アフリカ等々であることは   間違いない。この方向性を考慮すれば、わが国が米国一辺倒の国であると認識   されることのマイナスも当然考慮しながら、今回の対応を考えるべきである。 3 法案についての若干の懸念 1)同意国の政権が交代したり、あるいは内乱状態になり政権として   機能不全になった場合はどうなるのか。 2)この場合に改めて国会がチエックできるようになっているのか。  ◆以上が私が提出した意見書の中味です。  その他 若干の私見を補足します。 1 自衛隊を海外に派遣する法的根拠について ●今回の海外派遣の根拠は憲法前文の国際協調主義に求めるべきである。  すなわち、米国の報復戦争を支援するのではなく、国際社会に対する  テロの無差別攻撃を防止するための行動に対して、わが国として協力  するのである。 ●テロ対策特措法案の冒頭に、国連決議が明記されているのは、以上の  趣旨を明らかにするためである。しかし、この決議は、今回のアフガニ  スタンに対する個別的な行動を容認するまでの内容はもっていない。  したがって、さらに明瞭な国連決議を必要とすべきである。  2 時限立法について ●2年間の時限立法だから問題ないのでは、とする意見は賛成できない。  多くの時限立法が、延々と継続され半永久的法律に変身している例は、  あげたらキリがない。しかも、時限であることを理由に拙速を大目に見て  よいのではなどと、とんでもない議論になりかねない。 ●時限を1年にすべきであるという民主党の主張ももっと強調すべきである。 3 反対することを恐れるな。  党内の一部に、もしこの法案に反対したら、今後政権をとってもアメリカが  相手にしてくれないのでは、などの政権妄想強迫観念論者が存在する。  自民党に「湾岸トラウマ(悪夢)」患者がいると同様、わが党には  「政権パラノイア(妄想)」患者がいるようである。しかし、これは  誤りである。  ブッシュ大統領は、テロ対策の美名のもと、21世紀の世界を、唯一の  超軍事大国アメリカによる一極支配の構造にもっていこうとしている。  このことを是認するなら、自民党と同様の歩調をとればよい。  しかし、別の選択肢もある。それは、上記意見書でも触れているように、  21世紀をザ・リッチとザ・プアーの新たな南北冷戦構造ととらえ、その  中でわが国を南と北のモデレーター(Moderator)(仲裁国家、調停国家)  と位置付けていくべきである。  民主党は、21世紀の日本の進路をこのように考えていることを国民に  きちんとアピールすべきである。それでこそ、自民党に変わる政権の  受け皿として、はじめて国民からの期待にこたえうるのだ。私は、  このように考えている。 【県連代表としての決意】  先週12日(金)に開催された民主党県連の臨時大会において  民主党県連代表に選出されました。また幹事長は渡辺県議に決定。  小林代表のバトンを受け継ぎ民主党の党勢拡大に全力をあげる決意を  述べました。  そしてそのために二つの目標を掲げました。  一つは「政策力」のアップ、  二つは「組織力」のアップです。  政党の魅力はなんといっても政策づくり。このための市民との対話を  行う各地域ごとの政策懇談会の実施や、未来の議員を目指す「リーダー  養成塾」を組織するなどしながら、党員拡大に全力をあげていきたいと  思います。ご支援よろしくお願いします。 【先週の主な活動記録】 ■ 10月9日(火) 9:00AM〜予算委員会 ★わが党の質問バッター、平田、大橋、浅尾議員を応援。 0:00PM 常任役員会 2:30PM 文部科学省国会連絡室 牧山室長 大臣出張の件 3:00PM 経済産業省総括審議官 大臣主張の件 ★平沼大臣は土日にかけてのWTO閣僚会議でシンガポール、  遠山大臣は来週14日(日)から18日(金)までユネスコ  総会でパリ。国会開会中の大臣の海外出張については議運の  承認が必要。遠山大臣については、日程の組み方が若干ルーズ  だったので短縮するように要請。 6:00PM 故 関冨蔵様 通夜 ■10月10日(水) 8:00AM 504回マンデーレポート 9:00AM〜予算委員会 0:00PM 国対・理事合同会議 1:00PM 議案課長来訪 ■10月11日(木) 9:20AM 国対役員会 0:00PM 議員総会。 ★政調会長代理の枝野氏から、テロ対策特措法についての説明を受け、  その後、一人一人意見を述べ合った。  私も発言。  発言内容は、政権党になるために反対してはならないと考える党内の  一部の論調は誤りであること。自民党に変わって政権を担うためにも、  アメリカ一極支配的な21世紀の姿には、距離を置くべきこと。  むしろ新たな南北対立構図の中で、わが国はモデレーター(調整者・  仲裁者)のスタンスを取るべきことを訴えました。(上記3参照) 3:30PM 議運春日井様と打合せ 3:50PM 国対委員長と打合せ 4:00PM 議運理事会 ★この日の議論の焦点は、テロ対策特措法案等の審議を  する委員会をどうするかであった。  衆議院と同様の特別委員会設置でいくか、また関連する  常任委員会の合同審査方式にするか、さらに後者の場合でも  主幹の委員会をどこにするかがポイント。  与党側は、3つの常任委員会、すなわち  「内閣」、「外交防衛」、「国土交通」の合同審査会とし、  さらにその主幹の委員会を「外交防衛委員会」にするよう  提案してきた。  私は民主党を代表して、法案の提出は  官房長官が行っているのだから、常任委員会の合同審査に  するにしても、主幹の委員会は「内閣委員会」で行うべきで  あると主張。結論は次回に持ちこしになった。 ■ 10月12日(金) 0:15PM 内閣官房総務官室 日下様 同意人事の説明 0:30PM 朝日新聞 池田記者 来訪 チャリティーコンサートの件 3:30PM 電機連合栃木改革フォーラム第6回総会 挨拶 5:30PM 民主党県連 臨時大会 ★民主党県連代表に選出されました。(前記) 6:30PM 谷ひろゆき総合選対解散式・感謝のつどい ■ 10月13日(土) 1:30PM 第48回宇都宮地区労定期大会 ■ 10月14日(日) 9:00AM 第14回栃木県アームレスリング選手権大会 ★私は県連盟の顧問。力自慢のみなさんを激励。     10:00AM 佐野市長選挙に立候補する飯塚候補の出陣式で激励演説 ★同候補からの支援要請はないものの個人的に応援したい。 0:00PM ゼンセン同盟の定期総会で挨拶(足利市)。 2:00PM 第34回宇都宮西部地区学童軟式野球大会閉会式で挨拶。 ★すばらしい好天に恵まれ、子どもたちもとても楽しそうだった。