国会通信 No.509

 【テロ特措法の欠陥】

2001/11/12 (マンデーレポート第509回の要旨)


●11月9日(金)9:00AM民主党の外交・安保合同部門会議が行われた。  この日朝、インド洋に向けて佐世保から自衛隊の調査船3隻が出発。  いよいよパキスタンへの自衛隊派遣が現実味を増してきた。  そんな状況の中、ヒアリングが行われた。 ●政府側の出席者は、  内閣官房青木参事官、防衛庁防衛政策課 石川班長、  外務省南西アジア課 大野担当官など。 ●席上、私はかねて指摘していた点を質問した。それは、自衛隊派遣の後に、  もっとも重要な事情変化の際の対応についてである。すなわち派遣先国の  パキスタンの政情変化である。 ●今ムシャラク大統領は英仏と回ってニューヨークの国連会議に出席している。  だからより現実的に想像できるのだが、それは「もしクーデターが起こったら」  どうなるかと言うことである。 ●パキスタンへの自衛隊派遣は、ム政権の同意があることを理由にしている。  しかし、もし政権交代が起きたり、クーデターが起こったり、あるいは  そこまで行かなくとも内乱状態に陥ったりしたら、そのとき自衛隊はどうすべきか  ということである。また、内閣はどうすべきか、あるいは国会がどう関与できるの  かという疑問である。そして、このような重要な問題がテロ特措法ではどのように  規定されているかということである。 ●この質問を青木参事官にぶつけて厳しくやり取りをさせていただいた。  結論を言うと、テロ特措法上は規定がおかれていないと言うことが、  明らかになった。 ●同参事官は解釈上は、当然撤退させることになるのではないか、などと言って  質問の矛先をずらそうとした。しかし、法文上明らかなことと、解釈のうえ  明らかになることは、全く意味が違う。 ●派遣先国の同意が事実上消滅したときの政府の対応が一切書かれていない。  これは重大な欠陥である。そのとき自衛隊がどうすべきかも、解釈上の問題でしかない。  まさに、テロ特措法は、欠陥法であることがこの点からも明らかである。 ●なぜそうなるのかということを以下説明する。  重大なポイントは「相手国の同意」は、「基本計画の内容」でないということである。 ●外国の領域で自衛隊が活動する場合には、当該外国の同意が必要である。  (同法2条3項3号) ●しかし注意すべきは、ここにいう「外国の同意」は法適用の「基本原則」  としての重要な位置付けを与えられながら、その原則が崩れたときの  具体的な規定がテロ特措法は一切用意されていないということである。 ●また、国会の承認・報告の対象は、いづれも「基本計画」とされているが、  基本原則にかかわる部分は「基本計画」の内容にされていないのである。  〈参考〉   (5条1項)国会の事後承認の対象→「基本計画に定められた自衛隊の活動」  (11条1号)国会への報告の対象→「基本計画の決定または変更があったとき」 ●このようになっているから、例えばパキスタンの政情が急激に不安定になってき  たときに、国会がチエックしようとしても法文上はなんの手がかりもないことになる。  こんなことでよいのだろうか。 ●先週レポートしたように、例えば西ドイツ基本法では、議会が戦争を中止する権限を  もつことを規定しているが、そんな考慮はテロ特措法には一切ない。  テロに対する戦いという大義名分のもとに、緻密な議論なしで実に雑駁な法律を  作ったものである。 ●ちなみに国会承認の規定の第5条は、  「基本計画に定められた自衛隊が実施する協力支援活動、、、を開始した日から  20日以内に国会に付議して、対応措置の実施についての国会の承認を求め  なければならない。」となっており、いかにも迅速な承認が予定されているように  読める。しかし、その後の「ただし書き」が曲者である。 ●但し書きはこうだ。「ただし、国会が閉会中の場合は、、、  その後最初に召集される国会において、速やかに、その承認を  求めなければならない。」 ●となると、  通常国会は毎年1回招集(憲法52条)。  「常会招集は1月」(国会法2条)。  「常会の会期は150日」(国会法10条)。  だから、通常国会が会期延長なしで終った7月前後に自衛隊を派遣し、  臨時国会を行わないとすると、国会の承認を求めるのは、翌年でも  かまわないのである。  半年以上も国会は自衛隊をチエックできないことになる。  なんと危ない法律なのか。 【先週の主な活動記録】 ■ 11月5日(月) 8:00AM 507回マンデーレポート 1:00PM 総務省自治政策課レク 1:20PM 総務省国会連絡室 福本様 法案審議日程等レク 1:45PM 財務省主税局大武局長と懇談。 6:00PM 国会コーラスリサイタル練習 ■ 11月6日(火) 1:00PM 故角田ふみえ様(角田義一参議院議員会長ご母堂様)告別式 3:50PM 国対委員長打合せ 4:00PM 議運理事会 6:30PM 仙谷由人新たなる挑戦へのステージへ「日本大転換」 6:30PM 近藤昭一君と21世紀の国づくりを考える集い 7:30PM 民主党・新緑風会経済産業委員懇親会 ■ 11月7日(水) 10:30AM 音楽議員連盟特別委員会 芸術文化振興基本法について     ★超党派の議員立法がようやくまとまりつつある。      民主党の主張も不充分ながら入っている。 特に 1 文化権の主張が不充分ながら入った。 2 実演家(俳優、指揮者、音楽家等々)にとっての関心事項   著作隣接権の規定も入った。 3 文化の国家支配につながりかねない「文化水準の向上」という   文言を訂正させた。 点である。                (詳細は後日) 11:15AM 常任役員会 0:00PM 国対・理事合同会議 1:00PM 議運理事会 1:30PM 庶務部長・議員課長・人事課長レク 5:30PM 連合栃木「緊急雇用対策の実現」に向けた街頭宣伝に参加。     (JR宇都宮西口) ■ 11月9日(金) 9:00AM 外交・安保合同部門会議。     (前記) 10:00AM 文部科学部門会議。     ★上記の文化芸術振興基本法案が了承されました。  0:30PM 連合栃木第7回定期大会 2:10PM 国対委員長打合せ 2:30PM 議運理事会     ★子どもちに対する参議院体験プログラムの実施を決定。      参議院の別館5階にある講堂を改装。本会議場の議長席や      委員会室を模した設備をし、そこで子どもたちに議会体験や      委員会体験をしてもらう計画。1日3回。先着順で行う。      改装のための予算は1億3千万円。 2:40PM 議運委員会 3:00PM 本会議     ★この日、補正予算が提出。      財務大臣の財政演説。それに対する質疑。       そして条約1件、法律案4件の採決。      「塩じい」はずいぶん原稿を読み違え。      「公債」を「国債」に、「剰余金」を「余剰金」にと      担当大臣としてはかなりお疲れ気味。 5:30PM 東京電力(株)桝本副社長 訪問 ■11月10日(土) 10:10AM 第10回栃木県トランポリン競技選手権大会 11:00AM 東京新聞・北島記者 取材 0:00PM 戸邊家・川野家 披露宴 5:00PM 獅子の会例会 6:00PM 佐藤信県議生活10周年記念感謝のつどい ■11月11日(日) 11:00AM 小杉始著「まあまあ人生」出版記念祝賀会