国会通信 No.515
【宗教とテロリズム】
2001/12/25 (マンデーレポート515回の要旨)
●12月22日(土)、宇都宮市内で開催された新宗連設立50周年
の記講演会に参加、またその後の懇親会でスピーチをした。
講師は、日本でただ一人の枢機卿(ローマ法王の投票権を有して
いる人。世界で388人?。)の白柳誠一さんだった。
●新宗連は、昭和26年にPL教団や立正佼成会など、いわゆる新興
宗教といわれる宗教団体が大同団結して設立された団体。
現在では
1 信教の自由、
2 宗教協力、
3 世界平和への貢献
を3つの目標に掲げながら、「異体同心」(体は違っても心は同じ)
を合言葉に活動を続けている団体である。
●宗派を超えた取り組みには心からの敬意を表したい。
特に今年は狂信的な宗教の存在が世界中を大きく揺さぶった年である。
9月11日の自爆テロ。その背景にある狂信的な宗教が、世界を大きく
混乱に陥れたのが今年である。
●宗教が「唯我独尊」となり、自身の優越性を盲目的に信じて、
さらに「人命軽視」に陥ったとき、すべての宗教は「カルト」化する。
わが国のオウム真理教や、タリバン、アルカイダなどがその好例だと思う。
●21世紀は「心の時代」であり、ある意味で「宗教の時代」とも
言えるが、つねに宗派間の違いを超えた普遍性の理解に務めなければ、
宗教が原因となった紛争が絶えない悲惨な世紀になりかねない。
●私は、懇親会でのスピーチのなかで、自分自身のささやかな宗教体験
の話をさせていただいた。
●私は、長かった司法浪人の時代、コンプレックスにさいなまれながら
救いを音楽に求めた。特にバッハの宗教曲のすばらしさには、その時
はじめて気がつかされ、それゆえかなりのめりこんだ。手元にあった
リコーダーで懸命にバッハの曲を吹こうとした。現在も私はバッハ大好き
人間だが、その傾向はこの浪人体験が原点である。
●バッハの音楽を通じて、彼が終生賛美し献身しようとしたキリスト教の
神についてそれなりの理解を深めて来たつもりである。
●そんな私が、キリスト教であろうと、仏教であろうと、神秘への畏敬と
それゆえに生じる「祈り」と言う点では、共通点を持っているのでは、と
感じたことがあった。それは、司法試験に、またまた落ちて永平寺の参禅堂
に逃げ込んだときのことであった。
●永平寺では10日間参禅した。毎日午前3時起床。3時半から参禅2時間。
6時から大本堂で朝の勤行(「ごんぎょう」)。そんな生活を経験した。
永平寺は、もちろん曹洞宗の大本山。信仰の頂点にあると同時に全国の
若い修業僧が集まっての修行の場所(=教育・研修機関)でもある。
そんな僧たちが300人以上参加しての大本堂での勤行は、とても感動的であった。
お経のメインは「般若心経」である。荘厳な読経の声に包まれながら、
仏教の核心にある色観と空観に触れられたような気がした。
般若心経の根本は一言で言えば色即是空、空即是色と言うことである。
すなわち、「かたちあるもの(=色)」は、かたちあるゆえに、やがて必ず滅び、
空虚となる。滅ぶからこそ、かたちが認識でき、かたちとして存在しうる。
このような考え方が基本にあるようだ。
また朝の勤行の中でひときわスペクタクルだったのが「大悲心陀羅尼
(ダイヒシンダラニ)経」である。勤行も半ばすぎたころ、僧たちは
一斉に立ち上がる。そして、ご本尊を取り囲むようにして円陣を組むのだ。
円陣は確か内回りと外回りの二重の円陣だった。そして合掌の両の手の平に
包んだ数珠をジャラジャラ鳴らしながら、かなりの速度で歩く。
「ナムカラタンノー トラヤーヤー」ではじまる「大悲心陀羅尼経」は
落語にも出てくるので知っている人もあるであろう。大変リズミカルな
私なりの勝手な解釈では2拍子系のお経である。見ていてとても面白い。
参禅者はこれらの勤行に一緒に参加し、読経に加わる。とにかく300人を
修行僧の声に、私たち参禅者の声が加わり、本堂は読経の声に隅々まで満たされる。
その瞬間、私は、その前年、目白のカテドラル教会で聞いた、フランスの
オルガニスト、マリー・クレール・アランの演奏を思い出した。
そして、永平寺の大本堂を満たす読経の声も、教会のミサも、人間の本性に
おいて共通点を有しているのではと実感した。
そしてその後、例えばマタイ受難曲やヨハネ受難曲の合唱経験をつんだり、
機会あってイギリスのカンタベリー教会のミサに参加したりしながら、人間の
宗教的な心情はその教義や作法の違いを超えて、大きな共通点をもっていると
の確信を持つに至っている。
●9月11日のテロ。狂信的なイスラム原理主義は、このような考え方と対極に
ある。自らの教義のみを最高と考え、他の教義を認めない。人類文化の共通の
すばらしい遺産であった磨崖仏を平気で爆破する。死によって神になれるとしても
その考え方を勝手に他人にも強要し、無差別殺戮を行う。そんな宗教は、宗教とは
言えないのではないか。
●しかし、イスラム原理主義は、大なり小なりすべての宗教がはらんでいる
危険性でもある。それは言葉を変えて言えば、人間のはらむ危険性の反映でもある。
このことを絶対に忘れてはならないと思う。
●またそのような危険性が現実化するためには必ず理由がある。それは経済的な
貧困であり、格差の中から誕生する差別であり、蔑視である。
●テロとの戦いにはもちろん負けてはならない。しかし、テロを生み出す根源にある
人間の危うさと脆さ、これを見落としてはならない。そのために一人一人が何が出来るか、
日本がなにができるかを真剣に考えていくべきである。
【先週の主な活動記録】
■ 12月17日(月)
8:00AM 514回マンデーレポート
6:00PM 国会コーラス愛好会。年内最終練習。
終了後 忘年会。
★ 国会コーラスは、来年6月19日、日比谷公会堂で行う
チャリティー・リサイタルを目指して猛練習中。年内最終練習の
この日は、超党派の議員と家族が30名前後参加。
ボニージャックスの西脇さん編曲による「翼をください」、
「見上げてごらん夜の星を」そして難曲の「ハレルヤ」などを
練習しました。岡村喬生先生や、ボニーの西脇さん、玉田さん、
ご指導ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
■ 12月18日(火)
10:00AM民主党憲法調査会。
★ 憲法調査会の中間発表案のとりまとめ。
■ 12月20日(木)
1:00PM 参議院民主党の研修会。大津市内。
★ 国際証券チーフエコノミストの水野和夫さん、
そして個性心理学研究所の所長 弦本将裕さんの
お二人の講演。
講演内容はとても対照的。それぞれ面白かった。
(水野さんの講演内容については前記参照)
■12月21日(金)
5:45PM NTT労組宇都宮分会のクリスマスパーティーに参加。
■12月22日(土)
2:00PM 新宗連設立50周年記念講演会に参加。
(前掲)
3:00PM 栃木県障害者フライングデスク協会設立記念式典に参加。
★県議のとき以来お付き合いしている栃木県フラインデスク協会が
だんだんと発展しているのはとてもうれしい。いまや宇都宮の
鬼怒川河川敷は、全国のアルティメットファンのメッカになりつつある。
また一昨年にはディスクゴルフ協会も誕生した。この盛況は、ひとえに
岡安氏、阿久津氏など多くのボランテイアの皆さんの献身的な努力に尽きる。
大いに拍手を送りたい。
(参考「アルティメット」とは、フライングディスクとアメフトが合体した
ような競技で、スピーディーであり、かなり激しい大学生クラブが中心の
競技。毎年全国の若者が鬼怒川の河川敷の広大な草地で予選大会を開いて
いる。)
(参考 ディスクゴルフとは、ゴルフとフライングデイスクを合体させたもの)
大人も子どもも同じように楽しめる。簡単だが奥は深い。)
この後忘年会三件。
■12月16日(日)
6:30PM 県連2区総支部懇親会