国会通信 No.517

 【沖縄視察・民主党定期大会】

2002/1/21 (マンデーレポート517回の要旨)


【経済産業委員会 沖縄視察】   ◆1月15日午前9時、参議院経済産業委員会の視察団の一員として、  羽田空港から沖縄に出発した。今回の視察の主な目的は、9月11日  のテロ発生後 大きな打撃を受けている沖縄観光産業の現状を視察し、  対策をたてることであった。 ◆現況  到着後、直ちに説明会が開催され、知事の稲嶺さんや、沖縄県の観光  産業の主だった方、ホテル業界の会長さんや国際通り商店会の会長さん  ほか関係者の皆さんから現状の説明を受けた。 1)テロの影響   修学旅行、一般旅行者ともに 対前年約5O%減と言う厳しい状況にあるとの   説明があり、その影響の大きさを実感した。   このままでは国際通りの半分が店じまいになる(国際通り商店会長談)などの   厳しい現状を訴えられた。 2)12月27日現在の状況 ★修学旅行 校数 799校  (昨年/1596校)       人数 193076人(昨年/303672人) ★一般団体のキヤンセル件数 1250件:51324人  3)風詳被害への怒り   9月は横ばいだったのに、急に翌月から減りだした。   テロ後一ヶ月経過してからの激減と言う事実は、風評による影響との   現地の認識であった。 4)風評のもとは文部科学省と警察?   沖縄は危ないと言う風評を増幅させたものとして、出席者が指摘したのは   二つ。そのいづれもが政府の対応。政府の配慮不足が観光客減少に拍車を   かけたようである。  1 文部科学省や教育委員会の過剰反応。  2 基地警備のために派遣された警察官が、初めて自衛隊機で搬送。    その際のテレビの過剰報道。 5)制度融資の窓口での対応が徹底していない。   以上の対策として緊急に決定された「セーフティー融資」(無担保・無保証の   制度)の手続も、現場では徹底されていないとの実態が指摘された。 ◆ 特別自由貿易地域視察   観光関係についての現地説明会の後、次の視察ポイント中城(なかぐすく)   湾港新港地区にある特別自由貿易地域(以下「特自貿」)に向かいました。  《特自貿とは》、沖縄の歴史的・地理的な特色を生かすために特別に設けられた   企業立地、貿易振興のための沖縄県にだけ認められている地域。   域内では、国内の関税法の例外を認め、税制・金融上の優遇措置が講じられ   ている。  《評価》鳴り物入りの沖縄振興策として認められた特自貿ではあるが実際はどうか。   まず優遇措置は10年が限度。さらに関税上の特典といっても、原料課税か製品課税の   低いほうを選択できる「選択制」であるなど、完全に免税になっているわけではない。   鳴り物いりであったはずなのに意外と中途半端。ちまちましている。やるならやるで、   どーんとやれと言いたい。 《実効税率比較》以上の結果として一般地域と特自貿の実効税率を比較すると 一般地域  40.9% 特自貿  22.9%(設立後5年間)        27.4%(〃 6〜10年間)    意味がないとはいわないが、やるならもっと鮮烈に、、、というのが率直な印象。  これではあまりインセンティブがつかないのでは。 《がんばれ「スピード」》 こんなかでがんばっているのが視察した「スピード」という若い企業。 案内してくれたのは工場長の滋野(しげの)靖穂さん。彼は、全日本ロードレース 優勝、選手権2回獲得、世界選手権第5位(125CC)という輝かしい実績を持つ 昭和40年代の日本のトップレーサーだった人。ヤマハを脱サラした岩間さんと ともにスピードを創業した。 眼を着けたのは、沖縄の地理的な優位性、中国の安価な労働力、東南アジアの 膨大なバイク市場。 中国の素材製品を沖縄に、そこで技術的なチエックと最終組み立て をし、ベトナムや東南アジアに輸出。それが大雑把に言ったスピードの仕事内容。  中国のバイク製品の質もいまや急上昇。アジア市場を席巻している。 (昨年実績 日本車 5-10万台 中国車 160万台)  しかし、中国製は依然として信頼性の点で劣る。  そこをついて、中国製品よりは高いが台湾製よりは安い製品を出荷し、かつ  日本の技術的な最終チエックを行う等日本のブランド性を付加する。これが  スピードの狙っていめである。 (価格  日本現地生産車  1800ドル           台湾車      1300ドル      ★スピード    850〜900ドル★          中国車      600〜800ドル)    町工場のよさを再現したと語る滋野さん。その言葉どおり、一人で数工程を 担当しながら、10名前後の若者がエンジンを組み立てるラインで生き生きと 働いていた。女性も楽しそうにエンジンを組み立てていた。みんながバイク好き といった感じがとても良かった。がんばれ「スピード」。 【民主党定期大会 対決色鮮明に】 ◆1月17日(土)民主党定期大会が都内ホテルオークラで開催された。  今までは大会行事の各種会合もすべてホテル内で行うのを例としたが、  今回は経費節減の意味もあって大会のみをホテルで行うといった緊縮型の  スタイル。 ◆注目の鳩山代表の演説。小泉首相の構造改革を、リストラや倒産をなんとも  感じない「冷たい構造改革」、民主党の構造改革を「温かい構造改革」と規定  するなど、いままでとは打って変わった対決色を鮮明にした。 ◆この点は評価するが、少々遅きに失したのではとも思う。昨年来、私は  機会あるたびに「改革のスピード」で競っても意味はない、「改革の質」の  違いで勝負すべきだと主張してきたのだが、残念である。 ◆小泉構造改革の危うさについては最近さらに鮮明な批判論調が出現している。  代表的なものをあげると  山家ゆきお氏 「構造改革の罠」  リチャードクー氏 「日本経済 生か死かの選択」  小野善康氏  「間違いだらけの構造改革」 ◆彼らの主張はすべてが一致しているわけではないが  だいたい以下のような点では共通している。 ※不況の本質は、供給側に問題があるのではない。需要不足が不況の原因である。                (小野) ※したがって今やらなければならないことは、新たな需要の創出である。  行政は廃棄物処理や環境、介護などの分野で新たな需要を積極的に創出  すべきである。(小野) ※市場が「見えざる手」で「需要と供給のバランス」を作り出すという考え方は、  好況期には通用しても不況期には通用しない。(小野) ※不況の本質はバランスシート不況である。バブル崩壊によって我が国は  地価や株価など、ほぼ1300兆円の資産を失った。しかし負債は、もちろん  もとのまま。全企業が資産喪失の帳尻あわせをするために、借金返しを  最優先の課題とし、そのために投資が極端に落ち込んでいる。これが  不況の本質であり、小泉改革は、その誕生後、株価はさらに100兆円落ち込  むなど、むしろ不況の持続と深刻化に手を貸している。(リチャードクー) ※日本は現在深刻な「合成の誤謬」に陥っている。(小野) ※不良債権を処理しても経済はよくならないどころか、かえって悪くなる。                       (3者共通) ※好況期には余剰人員を吸収できる。しかし不況期にリストラしても余剰人員を  吸収するところはない。          (小野)   ◆鳩山代表のスピーチはアフガン問題で始まりそこに大きなウエートを置いていた。  もちろんその重要性は否定しないが、いま国民が野党第1党の民主党に期待するのは  外交問題だろうか。私は、国内問題そして特に深刻な経済問題や不況対策に全力を  尽くすべきであると思う。 ◆その観点で「冷たい」「温かい」の対比を出したのはよかったと思う。  しかし、惜しむらくは時間がなくなってしまったのか、会場で配られた演説草稿には  存在した具体的な中身が語られずに終わってしまった。 ◆私は、それらこそ強調すべき点であったと考え、以下に代表が語れなかった  草稿のうちの重要な一節を引用したい。 ――「総理が打ち出す財政改革は、財務省=旧大蔵族のそれであり、 もっぱら財政支出の抑制と効率を最優先させたビジョンなき構造改革である。」―― ――「われわれの示す道は、構造改革と経済の再生との両立であるが、 当面の金融危機回避や経済制作の充実とともに必要なのは、21世紀 に求められる新しい価値の発見と創造であり、それに基づく新しい需要、 新しい産業の創出である。公共事業の拡大といった従来型の需要創出政策 ではない、財政拡大に依存しない、新しい需要創出策とも言えるものである。 規制の改革を大胆に推し進めて、介護、教育、環境、情報など人間と人間を 結びつけ、人間と自然の共生を促進する【ヒューマン・サービスの時代】に ふさわしいビジネスを大いに創出していくべきである。」―― ――「成熟した産業社会では、いまやモノづくりだけではなく、 自然を再生し、人間のサイズに合わせた環境を創り出すことが重要だ。 人間を育て、その自立を支援し、人と人とをネットワークで結びつける 新しい産業の成長が望まれている、、、、、私たちは、「環境」と 「教育」を新しい日本の創造の戦略課題として位置づけ、これに 取り組んでいく。」―― ◆「新しい需要創出策」との言葉通り、この部分は、小泉構造改革が、  供給サイドの強化に力点を置きすぎていることに対する批判であり、  また需要創出こそ不況脱却のための最重要なポイントであるとの  民主党の考え方の宣言である。 ◆草稿にありながら、代表が言及しなかったのには他意がないと思うが、  私としてはこの点にこそ最大の力点を置いてほしかった。 ◆いよいよ今日から第154回通常国会が開催される。小泉総理の  施政演説は、2月1日に行われる公算が大きい。特に経済政策でどの  ように差別化できるか、それが最大のポイントである。 【先週の活動記録】 ■ 1月14日(月)成人の日 6:00PM 県連役員会 7:00PM 県連幹事会 ■ 1月15日(火) 経済産業委員会委員派遣(沖縄) ■ 1月16日(水) 1:30PM 議運・委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 2:00PM 議運理事会 5:30PM 栃木県交通労協新春旗開き ■ 1月17日(木) 0:30PM 議運・委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 1:00PM 議運理事会 1:45PM 財務省 比護審議官レク 2:00PM 国会図書館 レク 4:00PM 議運理事会5:00PM 議運理事会 5:45PM 議運理事会 ■ 1月18日(金) 1:00PM 議運・委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 1:30PM 議運理事会 1:50PM 議運・庶務小委員会 1:55PM 議運・図書小委員会 2:00PM 議運理事会 3:30PM 訪日ポンスレ・フランス共和国上院議長一行の参議院議長訪問 5:00PM 東久留米市長選挙 小坂きいちろう候補応援 ■ 1月19日(土) 9:00AM 両院議員懇談会 10:00AM 民主党 財政小委員会 1:00PM 民主党2002年度定期大会 4:00PM 栃木県税理士連盟賀詞交歓会 6:00PM 鈴木みつぐ後援会新年会 ■ 1月20日(日) 11:00AM 石井万吉後援会新年会 ■1月21日(月) 10:00AM 参議院本会議 議席指定、特別委員会の設置、    物故議員への追悼演説 13:00 開会式