国会通信 No.520

 【野依教授の話】【緊迫の院内交渉】

2002/2/12 (マンデーレポート520回の要旨)


【野依教授の話】 ◆ノーベル化学賞を授賞した野依さんのお話を聞いた。 1月28日(月)、参議院議長サロンでのことでした。 (ホームページのs-yanase.comトップ「今週の一枚」を参照。 中央で立って挨拶しているのが野依さん。私はその正面に 着席しています。) ◆この日、衆参でノーベル賞受賞に対する祝意を申し上げる 日程がくまれており、私は議運の筆頭理事としてこれに 立ち会いました。 ◆議長が祝辞を述べた後、しばし懇談の時間があり、先生のお話を 聞きました。20分前後の短時間であったが、とても勉強になりました。 特に、私は、民主党の知的財産権戦略プロジェクトチームの座長 もしており、知識のコーデネートに触れられた以下の部分は、とても 参考になります。以下にその部分を引用いたします。 ◆(野依博士 談)  ★私は日本の化学というのはレベルが高いと思いますし、個人としては 相当立派な研究があると思います。しかし、産業技術ということにな りますとそれだけでは駄目なんですよ。いろんな技術的な要素を束ね て総合的にしないと技術になりませんね。何かぽっと見つけたらそれ でできるというものじゃなくて、飛行機を見たって自動車を見たって その他を見たって、非常に組み合わせて総合的なものでございますね。 これを束ねる、総合するそのリーダーといいますか、コーディネーター といいますか、ディレクターというか、そういう人が欠けているんですね。 ★ ですから、大学というのは、私は音楽に例えればやっぱりソリストを 育てるあれだろうと思うんですね。ソロのシンガーだとかソロのプレー ヤーは相当いると思うんですね。しかし、技術というのはやっぱりオーケ ストラで、プレーヤーはみんなちゃんとしていなきゃいけませんけれども、 コンダクターが小沢征爾さんみたいな方がいらっしゃらないと立派な演奏は できないわけですね。これをどういうふうに育てるか。本当に育てることが できるのか、育つのかよく分かりませんが、難しいですね。 ★ これを評価、評価、評価、評価でやりますと、どんどん狭くなってきますね。 余計なことをやっていたら余裕がなくなってしまいましてできませんわね。 そういう仕組み。今、議員の先生方はどうか知りませんけれども、みんな普通の 人たちは忙しいですよ。ほかのことに目を向ける時間がほとんどございません ですね。これではリーダー、コンダクターはなかなか出てこないんじゃないか。 ここにやっぱり日本の問題がありますね。 ★ 私はおかげさまでノーベル賞をちょうだいいたしましたけれども、ノーベル 賞に近い業績を上げていらっしゃる方はたくさんいらっしゃると思います。 しかし、それは即産業の創出にはつながらないと思いますね。これはもう基礎 ですから大事ですけれども、イギリスが1980年代がそうだったんじゃない でしょうかね、たくさん出た。これをつくると同時に、どうしたらいいんで しょうかね。 ◆面会予定時間は、ここで終ってしまった。残念。 ◆しかし、教授の言いたかったことを語ろうとしたことを 私なりに想像すると、 1 最近文部科学省の研究助成には確かに力が入っている。 2 しかし、助成の前提となる「評価」を近視眼的に細分化してやっていくと 大事なことを見失うのではないか。 3 21世紀の大きな産業創出のインパクトになるような研究のためには 細分化と同時に総合化や全体的な方向付けが重要になる。 4 この点にいつも注意を向けておいてほしい。 ◆研究の深化・細分化と総合化、この二律背反をどうこなしていくか、 これが本当に大きなポイントだと思う。ますます細分化していく科学の 分野を超越し総合できるような、別の文明的視点・哲学的視点・芸術的視点、 宗教的視点を持ちうるかどうかが大きなポイントであろう。 【緊迫の院内交渉】 ◆議運の仕事の一つに「院内交渉」がある。 ◆本会議での質疑応答の中で、例えば質問に対する答弁が漏れていたり、 不充分であったりするときに再答弁を求めることがある。また質問時間の 限度内で「再質問」「再々質問」を求めることがある。 ◆もちろん答弁をするほうは、再答弁などしたくない。十分に答えたと つっぱる。また、答えずらい質問にも「はぐらかし」たり「婉曲表現」を したり、あるいは法案の中味をそのまま読んで答弁に代えたりなど、 充分に答えたはずだと開き直る。だから再答弁はすんなりと認めら れるものではない。 ◆それを壇上に上って交渉し、答弁が続く限られた時間の中で、瞬時に 結論を出すのが議運理事の院内交渉である。 ◆ちなみに、壇上に上ることが認められているのは、正副議長のほかに、 答弁者と質問者、そして議運理事のみである。それ以外の議員が壇上に 上れば、それは直ちに懲罰の対象となる。このような議運の権限を 院内交渉権という。 ◆先週も緊張の瞬間があった。7日木曜日、江田議員の質問に対する 総理の答弁である。 ◆7日、午前10時からの本会議。江田五月さんが総理に対し質問を挑んだ。 ◆総理の答弁は「はぐらかしの名人(田中前外相の)」の評価通り、 逃げに終始。特に総理が、参議院予算委員会で、野党側が欠席を予定した かのような言いがかりをつけている点を江田さんがただしたのに、 正確に答えなかったのは許せなかった。 ◆3人の更迭があったから国会が正常化したのではない。 総理のそのような認識は誤っている。また誤った事実をテレビの前で 述べ立てて、あえて野党の予算委員を侮辱していることにもなる。 ◆真実は、更迭がなくとも翌日の予算委員会は出席し、そのうえで 厳しく追及するつもりだったのである。 ◆この点の総理の認識を江田議員は問いただしたのだが、これについての 答弁を総理は完全に無視した。この点は見過ごせない。 ◆総理の答弁漏れについて、ただちに国対委員長と協議。その結果、 まずは議運理事の郡司議員を壇上に。「答弁漏れだ」。 そして壇上で与野党の院内交渉係が協議。与党側理事は 「議運の理事会に持ち帰り協議」を主張。平行線。 ◆持ち帰りではクレームをつけた意味がない。結局は先送り、お茶を にごすだけになってしまう。本会議の席上で白黒の決着をつけなければ 政治的な意味はほとんどなくなってしまう。 ◆次は筆頭としての自分の出番である。私も壇上に上る。 「事実認識についての答弁だ」「解釈の問題ではない」などと主張し、 結果として総理が「補足答弁」をすることになって一応の決着。 与野党の議運理事は壇上を降りた。 ◆院内交渉の結果が官房長官から総理に告げられた。しかし、総理は 明らかに再答弁をいやがっている。なかなか立とうとしない。 ようやく官房長官から渡されたメモを手にして腰をあげた。 ◆議長が総理から補足答弁がある旨告げ、総理は答弁に立った。 しかし、先ほどの交渉結果とは明らかに違うことを言い始めた。 そして手にしたメモを投げ捨てるように放り出す。院内交渉の 協議結果を無視しようとする。瞬間再び壇上に。場内は騒然。 ◆その声にかき消されるような小声で、総理は「衆議院の状況だけで 判断した」という趣旨の答弁をようやく行った。 ◆この間のやり取りの写真は、「総理に詰め寄る野党理事」として、 翌日の朝日新聞の2面にのることとなった。 【先週の活動記録】 ■2月4日(月) 8:00AM 519回マンデーレポート 2:00PM 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 2:30PM 議運理事会 2:40PM 議運委員会 3:00PM 本会議 5:00PM 国会コーラスリサイタル事務局会議 6:00PM 国会コーラスリサイタル練習 ★14時30分より参議院議運理事会が開会。 次回の参議院本会議は2月7日の木曜日、午前10時より開会 各会派代表質問を行うことを決定。冒頭、民主党・新緑風会の 江田五月副会長が40分行った後、自民・保守の代表質問を行い、 概ね所要時間は2時間20分程度。 さらに、翌8日の金曜日も午前10時より本会議を開会し、午前中に 公明、共産、午後に国連、次に民主党・新緑風会の柳田稔政審会長が 20分間行い、その後、自民党・保守党、社民党がそれぞれ、代表質問 を行うことも決定。8日の終了予定は概ね15時半頃。 ★本会議終了後、総理の施政方針演説の末尾に、昭和天皇の御製を 引用したことについて、議運委員長に面会を求め、新憲法下の議会で 大臣演説中に御製引用した前例があるか調べるように要請。2日後の 水曜日の理事会で調査結果を明らかにすることになった。 ■2月6日(水) 0:30PM 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 1:00PM 議運理事会 7:00PM 故井上良平様 通夜 ★13時より参議院議運理事会が開会。次回の7日8日の参議院代表質問の 日程について正式に決定。 ★月曜日の総理の施政方針で問題となった昭和天皇御製和歌の引用の件について 論議。過去の政府演説中で天皇御製の引用の例は皆無であったことが報告。 私は「国民が改革の痛みに耐えることを納得させるために、昭和天皇の御製を 引用したとしたら、それは皇室の政治的利用にほかならない。以後厳重に 注意されるよう総理に申しいれるべきではないかと、議運委員長に要請。」 山崎議運委員長もほぼ同意してくれた。 ■2月7日(木) 9:00AM 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 9:30AM 議運理事会 9:40AM 議運委員会 10:00AM 本会議 ★江田五月さんが総理に対し質問を挑んだ。(上記) 1:00PM 議運理事会 6:30PM 第19回エネルギー政策フォーラム 8:00PM 大畠議員、海江田議員との懇談 ★9時30分、13時より参議院議運理事会が開会。明日の本会議の日程を決定。 各会派の代表質問の後、大橋議員辞職後の繰り上がり当選、ツルネン マルテイ 議員の紹介と所属委員会の決定を行うことを決めた。 ■2月8日(金) 9:00AM 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 9:30AM 議運理事会 9:40AM 議運委員会 10:00AM 本会議 0:00PM 議員総会 0:45PM 議運委員会 午後の本会議で、ツルネン・マルテイさんの新議員としての 紹介や委員会の決定が行われた。それに先立つお昼の議員総会で ツルネンさんは挨拶した。旧さきがけのころからツルネンさんとは 旧知の仲。宇都宮で外国人の地方参政権推進のパネルを行ったときも ツルネンさんにパネラーとして参加していただいた。 そんな関係の深い方の初登院を、議運としてお迎えするのも「奇しき 因縁」。議運理事会では、ツルネンさんの氏名を戸籍名の「弦念丸呈」 ではなくカタカナ表記の通称使用とするすることも決定した。 日本の国会に、母国が外国の方がはじめて登場する。私の愛唱歌は フィンランディア、初めて歌った第九の指揮者が渡辺暁雄先生で、彼の 母国もフィンランディア、そしてツルネンさんの母国もフィンランド、 日本の国会が、ヨーロッパのみならず世界に開かれるよう、今後の活躍を 期待したい。国政挑戦4度目にしての当選。おめでとう。 ■2月9日(土) 6:30PM 中山カッティンググループ新年会 6:30PM やなせ進後援会河内支部新春懇談会 ■2月10日(日) 4:00PM 小林守鹿沼新年会 ■2月11日(月) 2:00PM 宇陽飲食組合総会 2:00PM 栃響定期演奏会 7:00PM 民主党県連役員会