国会通信 No.521
【追求の照準がずれていないか】
2002/2/18 (マンデーレポート521回の要旨)
◆先週は衆議院の予算委員会で与野党の質問戦が始まった。
しかし、どうもしっくりこない。野党の攻め方は本当に焦点が
あっているのか。
◆確かに外相更迭問題で小泉首相の支持率は激減した。攻めの
チャンスであることは間違いないのだが、攻めの照準がどこか
ずれている。
◆田中対宗男という、現在の政界では際立ってキャラ立ちしている
二人の確執は、面白い。しかし、野党の追及が二人がらみに
なればなるほど、ほくそえんでいるのは小泉さんである。
本丸は首相その人であることを忘れてはならない。
◆人気取りのマスコットとして使い、外相としての改革遂行を
妨害し、外相としての実権を事実上奪い、使い捨ての更迭を
したのは小泉さんその人であることを忘れてはならない。
◆国民が期待している追求は区々たるスキャンダルではない。
小泉さんの構造改革が本当に日本の危機を救うかどうかなのである。
経済問題を主戦場として堂々たる論戦を挑むべきである。
◆永田町では、多くの人が「史上最強の野党は自民党だった」
とよく言われている。確かに、当時の自民党は、法曹出身の
国会議員を予算委員会の質問バッターに立て、総理を刑事法廷の
被告人のように扱い、執拗なまでの細部の追求を行った。
◆このやり方は、気位の高い細川さんを相当腐らせたという。
そしてとうとう深夜の退陣劇。このようなそのやり方こそ、
政権打倒の最強手法と信じている人は案外多いようだ。
◆しかし、私はそうは思わない。まず細川さんと小泉さんでは
キャラクターが違いすぎる。また低下したとは言え、並みの内閣
よりもかなり高い支持率を維持し、半信半疑ながら国民の改革
期待を受けている点、国民福祉税の腰ダメの数字で下り坂を転落
し始めていた細川さんとは違うのである。
◆そして何よりも国民が一番聞きたいのは経済なのである。
この国民の疑問にずばり答えられるような質問戦を展開すべき
である。
【金融政策のみでデフレは救えるか】
◆いよいよ18日(月)に小泉・ブッシュ会談が行われる。これに
先立ってブッシュ大統領は朝日新聞や韓国・中国・香港の主要紙の
インタビューに応じ、17日付の朝日新聞でその内容が報道されていた。
一点気になることがある。それはデフレ対策としての金融政策に
触れ、日銀に対し一層の金融緩和を要請している点である。
◆金融政策への過剰期待。ブッシュ大統領のこの考え方は、日本の
現状をあまりにも知らなすぎる発言ではないのか。
◆日銀の調査部が昨年11月4日に発表した「資金循環統計から
見たわが国の金融構造」という報告書がある。そのなかの
「3 1990年代における金融構造の変化」の冒頭に以下のような
記載がある。
「非金融法人企業部門(=金融機関以外の一般企業)は、
90年代前半には旺盛な設備投資意欲を背景に大幅な資金不足と
なっていたが、90年代半ばにかけて、設備投資等の実物資産への
投資抑制から資金不足が縮小し、98年以降は資金余剰主体に
転じている。」
◆さすが頭の良い人の書く文章で、一読してもなかなか頭に
入ってこない。もっとありていに言えば現在は金余りになって
いるということである。リチャード・クー氏の最近の著書
「日本経済生か死かの選択」でも力説されているところだが、
10年前にはGDPで10%、すなわち50兆円も金を借りて
設備投資していたのに、99年ではGDP比で4%、すなわち
20兆円の資金余剰の状態になっているのである。これはなにを
意味するかというと、ここ10年間で企業は70兆円の金を
借金返しに使ったことを意味しているのである。
◆企業は本来「利益を最大化」しようとする。しかし日本の
企業の現状はそれとはまったく逆の「債務の最小化」を
最優先の課題と考えている。
◆このような状況で金融緩和しても企業活動が活発化するとは
到底思えない。これは私の実感でもある。なにしろ、歴史的に
いっても世界でもっとも低い金利を永年続けながら、一向に
設備投資の意欲は起きてこない。今日本の置かれている状況は
おそらく経済学の常識では判断できないような事態に陥っている。
◆アメリカの常識は、金融政策の舵取りだけで不況対策は
充分と考えている。しかし、果たしてこの常識が現在の
日本で通用するのだろうか。
◆アメリカの常識では説明できないような様々な事象が日本で
起こっているのである。
1 超低金利なのに、日本国民の貯蓄は減らない。
2 超低金利なのに、企業は金を借りない。
◆例えば前述の資金循環統計によると、個人の家計部門は
90年代を通してあまり変化はないのである。常にGDP比
6〜8%の資金余剰主体になっている。すなわち個人としての
日本人は、超低金利時代であるにもかかわらず、貯蓄を続け
ているのである。
◆2つの日本では当たり前の現実ですら、金融政策の見地
からは説明できない事態である。
◆人は、経済合理性を持つ。したがって預金してもほとんど利息
がつかないのだから別の投資を日本人は考えているだろうか。
決してそうではない。不安になればなるほど自己抑制し倹約と
貯蓄に励む。これは欧米の常識とは異なる行動である。
◆結論から言えば、アメリカの常識を背景にした金融緩和のすすめは
デフレ脱出の決め手にはあまりならない。
◆さらに言えば、デフレ対策の矢面に日銀を立たせることは、
一種のスケープゴートの意味を持つ。財務省が気にするのは
財政の健全化だけ。財政あって経済なしが大蔵省の伝統である。
◆今の日本のデフレを避けようとすれば金融政策だけではまったく
不充分である。金融政策は、財政政策と連動させてはじめて有効性を
発揮することを肝に銘じるべきである。
もちろん、無駄な公共事業をやれなどと言っているのではない。
また、利権家を喜ばそうと思っているのでもない。
しかし、日本の危機的な経済を救うためには、金融政策だけやって
いては意味がない。必要な、そして新たな社会的投資は、この際
積極的に行っていくべきである。「30兆円」にこだわり自縄自縛に
なって日本を沈没させてはならないと考える。
【先週の活動記録】
■2月12日(火)
8:00AM 520回マンデーレポート
連合栃木 全国一斉「相談ダイヤル」街頭宣伝
★連合は、全国いっせいに、雇用問題の電話相談窓口を設置。
JR駅頭での連合のアピールにマンデーレポートの合間を
ぬって激励にかけつけました。
0:00PM 常任役員会
1:30PM 議運図書小委員会「国立国会図書館・国際子ども図書館視察」
★議運の図書小委員会主催の視察に参加しました。
国会図書館を視察した後、5月5日にオープン予定の、上野にある
こども図書館を視察。素晴らしい施設です。子どもたちをつれて
ぜひ訪問してください。安藤忠男さん設計の建物が戦火にあわず
焼け残った国立図書館の古い建物を包んで、近代と現代の素敵な
調和を作っていますよ。
5:00PM 個人情報保護法PT打合せ会
★民主党の修正案として、表現出版の関係を法案のすべてから
排除する方向でほぼ合意しました。少し心配しているのは
マスコミの人権侵害についてどうするかです。結論として
人権侵害については民法の個別救済措置で充分であると考え、
個人情報保護法案への規定はあえて完全に排除すべきである
と考えました。
6:00PM 国会コーラスリサイタル練習
■2月13日(水)
10:30AM NHKより平成14年度予算レク
10:45AM 農林水産省官房総務課長より提出法案レク
11:00AM 内閣府より同意人事レク
11:15AM 国土交通省都市地域整備局長・住宅局長よりレク
11:40AM 総務省情報通政策局よりNHK予算レク
0:00PM 国対・理事合同会議
■2月14日(木)
3:00PM 議運委員部と打合せ・国対委員長と打合せ
3:30PM 議運理事会
★本日の議運で17日(日)に来日するブッシュ大統領が、
19日(火)午前10時半から参議院本会議場で行う演説についての
具体的な接伴要領(スケジュール等)が決定されました。
■2月15日(金)
6:15PM 下都賀西地協第7回定期総会
6:30PM 谷ひろゆき合同新年会
■2月16日(土)
0:00PM 葬儀(福田重男様)
1:00PM 二宮町長選挙候補者と面会
7:00PM いいづか昭吉後援会新年のつどい
7:00PM 栃木県武術太極拳連盟新春指導員懇親会
■2月17日(日)
10:00AM 葬儀(大森利一様)
11:00AM 〃 (中里栄一様)
1:00PM 〃 (太田芳一様)
2:00PM 〃 (斎藤藤四郎様)
★土日にかけて葬儀参列5件。それぞれかけがえのない
方が亡くなりました。御冥福をお祈りします。