国会通信 No.526

 【120分の質問】

2002/3/25 (マンデーレポート526の要旨)


◆先週の20日(水)の経済産業委員会は予算委員会の委嘱審査。 私は民主党を代表して平沼経済産業大臣を中心に120分の質問を 行いました。 ◆120分という質問時間は、私の質問では最長記録となりました。 ◆印象に残る過去の質問の時間を振り返ってみると ※対宮沢総理(1993年4月 衆 政治改革特別委)=30分(往復) ※対小渕総理(1999年10月 参予算委) =20分(片道) ※対森総理 (2000年10月 参予算委) =20分(片道)  ※対村上正邦(2001年2月 証人喚問)     =17分(往復)  と大体に短い。今回の120分というのは相当に長いほうです。 ◆余談ですが、国会での質問時間の決め方には二つのやり方があります。 片道方式は質問時間のみを決定すること。 往復方式は質問と答弁の両方の時間を合計して決定すること。 それぞれで、質問者の心得は微妙に違ってきます。 例えば往復方式では、答弁者に余計な答弁をされると、その分だけ 質問者の持ち時間が食われることになります。したがって、 質問も、逃げられないように焦点を絞っておく必要があります。 いづれにしても、あいまいな答弁に逃げ込まれないよう、 簡潔明快な質問が望ましい。 ◆ところで先週水曜日の経済産業委員会は、予算委員会の委嘱審査 として行われました。 ◆委嘱審査(衆議院では予算の分科会)とは、 各常任委員会が予算委員会の「委嘱」を受けて、予算関連の質問を 行うことを意味しています。 ◆予算委員会は、通常 一般質疑→委嘱審査(衆では分科会)→公聴会→総括質疑→採決 といった段取りで終結に向かいます。よく新聞が「分科会の日程が 決まったから、予算の出口が見えてきた」などと書きますが、 これはこのような通常の段取りを前提にしているわけです。 ◆私に120分の質問をしてくれないかとの要請があったのは月曜日の 夕刻、経済産業委員会の民主党理事、本田良一さんからでした。 120分という経験したことのない長さ。また議運理事の職務に集中する つもりでしたので、経済産業委員会での質問の準備もあまりして いませんでした。 ◆しかし、前半は小泉改革の矛盾や誤りの追及、そして後半は 持論の知的創造革命の提案をする良い機会にしたいと考え、 要請を受けました。 ◆昨年から小泉改革の間違いを鋭く指摘する著作が相次いでいます。 最近では文芸春秋4月号の元大蔵省財務官榊原英資氏の指摘が 印象に残っています。彼のいう政党・官僚・業界の癒着構造の改革 こそすべての改革の最優先課題であるとの指摘はその通りだと思います。 このことも質問の中で触れたいと考えました。 ◆癒着構造の打破を、通常は政争マターととらえます。しかし、 それだけには止まりません。 それは、癒着の構造の中で作られる経済政策は 以下の傾向を必ずもってくるからです。 1 経済政策に一般的に見られる供給側視点の優位性 2 過度の生産者保護(=消費者軽視・生産者重視) 3 生産効率の低位安定  ◆すなわち =生産性の低い業界ほど政治を「活用」、 政治家に「票」と「金」を集中、 行政に圧力をかけ業界利益や既得権保護の政策作り。 =行政も業界と癒着。天下りによる利益共同体が出現。 ということになるのです。 ◆癒着の構造は日本の経済政策を根本的に歪めてきたことを 忘れてはなりません。 ◆しかしこれも結局は一時凌ぎ。 業界は生産性の低いままで温存されるが成長力を徐々に失い 活力喪失。それどころか日本経済全体の足を引っ張ることになる。 例えば不良債権問題の根本原因もこのへんにあることを 忘れてはならないと思います。 ◆後半は日本経済の将来ビジョンとして、私の持論である 知財立国についての質問をすることに決めました。 1年半前にまとめた民主党の「21世紀知的財産権戦略『はばたけ 知的冒険者』」をベースに、してポイントを整理すると 以下のようになります。 ◆21世紀の日本の鍵を握っているのは、わが国の知的創造力、、、。 これは私の信念です。そのための具体的な戦略を考えると たんなる経済産業省だけに止まらない総合的な戦略を考えね ばなりません。したがって以下のように質問は多岐にまたがります。 1 法的インフラの整備   知財立国についての憲法規定     ↓   知財基本法の制定     ↓   特許法の大改定(=「特許」概念の再検討) 2 行政インフラの整備     知財戦略会議の設置(内閣府に常設される知財戦略の総司令部)     ↓     知財庁の設置(戦略会議の決定事項を実行に移す実施官庁の新設)     ↓   知財スポークスマン (有意義な発明や発見を内外に効果的にアピールする内閣補佐官の常設) ※ ちなみに小泉内閣が新設した知財戦略会議は、常設ではありません。 単なる総理の私的な諮問機関にすぎず、6月に提言を終えたら解散 することになっています。もちろん提言が実行に移される仕組みは なく、なんの権限も与えられていません。これではダメです。 私に言わせれば、小泉さんに対する批判=将来のビジョンがない= に答えるために、あわてて作られたものとしか見えてきません。)  3 司法インフラの整備 裁判所の知財紛争部門の強化   ↓ 知財専門裁判官の養成   ↓ 知財紛争のワンストップサービス化   (弁護士、弁理士、税理士、行政書士など、 広義のリーガルサービス提供者の提携・相互乗り入れ) 4 教育改革(後掲「質問要旨」参照) 5 大学改革(    〃     ) 6 外交戦略(外交戦略の大きな柱の一つとして知財戦略を位置づける) ◆2時間の質問時間も実際にはとても短く感じました。質問項目も 残念ながら教育改革以後は時間不足となりかなりはしょることに。 自説の開陳にちょっと時間をかけすぎたかなと反省。しかし久しぶりに 充実した質問が出来たような気がしています。 △▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼ 参考 質問要旨   経済産業委員会 委嘱審査 02/3/20 △▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼ 第1【政官業癒着の混合政体の解体こそ、不況脱出のための最優先課題ではないか】 1 不況脱出ができない原因について大臣の認識を。(大臣) 2 小泉構造改革で日本経済の危機を救えるか。(大臣) 1) サプライサイド経済だけでは不充分ではないか。 2) 小泉構造改革のおおきな柱に、財政構造改革や不良債権問題があげられている。  しかしいづれも自民党長期政権のつけ回しにすぎず、その実体は単なる戦後処理で  しかない。構造改革の名に値しないのではないか。 3) 不良債権の処理がなぜ景気回復になるのかメカニズムを明らかにしてほしい。 4) 金融検査庁の基準を変えない限り、制度融資を充実しても無意味ではないか。 5) 信金・信組は相互扶助の理念からスタートしており、これらについても国際  決済銀行の審査基準である自己資本比率を持ち込むことはふさわしくないのではな  いか。大臣の所見を求める。 6) このままいくと資本の論理で貫徹した金融機関のみになり、地域の中小企業  主体の経済を支える金融機関が消滅してしまうのかのような危惧を持つ。望まし  い地域金融のあり方についての大臣の所見を聞きたい。 7) 2月27日に発表された政府のデフレ対策は結局のところ「金融政策」と  「株価対策」だけある。金融政策だけでデフレ対策になりうるのか。マネタリストの  常識が通用しないわが国の現状をどう理解するのか。 3 文芸春秋4月号で榊原英次氏は、政治と官僚の癒着構造をパーティー・ビューロクラ   シーコンプレックスと名付け、「低生産性セクターで既得権益を維持したい企業や団   体は、豹と金で族議員に結びつき、規制や補助金の権限を持つ官庁と結びつく」と指   摘。そして不況から長年にわたって脱出できない原因を、癒着による低生産性セクタ   ーの温存にあると断言しているが、この見方について大臣はどう思うか。 4 小泉構造改革は、癒着の混合政体を解体しない限り、なにをやっても成功しないと考   える。経済構造改革の前提問題が自民党の構造改革ではないか。かつて鈴木宗男さん   も10年前は選挙制度改革論の急先鋒、加藤紘一さんも自民党改革を旗印に昨年は加藤   の乱を起こそうとした。その二人の相次ぐ離党は、長期政権自民党の内部改革が不可   能に近いことを示しているのではないか。自民党改革の一番の近道は自ら政権の座を   降りることである。自民党は日本経済のためにみずから政権の座を降りるべきである。   国家国民のために下野をおすすめし、次の質問に移ります。 第2【知的戦略の重要性について】 1 80年代のアメリカに学ぶべきではないか。(大臣) 2 特許権や著作権についてわが国の現状を聞く。   (経済産業省および文部科学省) 1) システムLS1 2) ビジネスモデル 3) 生命科学 4) ナノテク 5) ゲームソフト・アニメ(文部科学省) 3 総合的な知的戦略の必要性についての大臣の所管を聞きたい。(大臣) 4 知財法の体系化について 1) 米国憲法1条8項8号にならって憲法に知財立国の理想をかかげたらどうか 2) IPR(知財)基本法の制定を   ―著作権・特許権などの知的財産を統括する法体系を― 3) 特許概念(法2条)の拡大が必要ではないか。発明と発見 5 知財のための行政インフラ整備を 1) 知財戦略会議によって横断的かつ総合的な戦略の決定せよ。 2) 戦略遂行のために「知財庁」の設置を 3) 知財関係の国民に対するアピールを行う専門職として、   知財スポークスマン(知財補佐官)を置け 6 知財のための司法インフラ整備を 1) 特許紛争の係属の内外比較はどうか 2) 紛争処理にかかる時間はどうk 3) 権利の存在問題は特許審判、権利侵害は訴訟という二元的体系は   そろそろあらためるべきではないか 4) 賠償額の算定方法を改めるべきではないか 5) 知財専門裁判所の設置を 6) 知財専門裁判官の養成を 7) リーガルサービスの充実を  @ 弁理士への法廷代理権の付与を  A ロースクールでの知財教育の充実を  B 知財ワンストップサービスをめざせ(たてわりの弊害を除去せよ) 7 知的創造のための教育戦略 1) 日本版バイドール法施行の成果 2) TLO法施行の成果 3) 学学交流と学産交流の活性化について 4) こどもたちの科学的思考能力の育成 8 知財の外交戦略 1) 先願主義と先発明主義の調和をどう図るか 2) ゲノム地図と特許の関係をどう考えるか 3) エイズ特効薬問題 以上 【先週の活動記録】 ■3月18日(月) 8:00AM マンデーレポート 6:00PM 国会コーラスリサイタル練習 ■3月19日(火) 11:50AM 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 0:00PM 常任役員会 0:30PM 議運理事会 0:40PM 総務省官房政策課長レク 1:00PM 経済産業委員会  ★平沼産業大臣の所信表明演説。これについての各党の   質疑。同両議員の質問を聞きながら、翌日の120分の   質問の準備。 5:30PM 水島広子議員来訪 6:00PM 翌日の質問メモを経済産業委員会の委員部に連絡。  6:30PM 質問の打ち合わせ。  ★明日の委嘱審査の質問事項について質問先の各省担当者に   提示。質問の趣旨を伝える。質問事項が多岐にわたるため   打ち合わせは難航。終ったのは午後10時過ぎ。 ※議運記録 次回の参議院本会議は明日20日(水)の12時から。 案件は 1 地方自治法改正案の採決 2 特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法案(衆委員長提出・全会一致) の採決 (所要時間は10分程度) ■3月20日(水) 10:00AM 経済産業委員会(1:00PM〜質問)  ★私の質問順番は、午後1時から3時まで。 実は、11:30から議運理事会が設定されていたため、私の質問の順番は 午後にまわり、自民共産に次ぐ3番手ということになった。 午後1時から午後3時まで、120分の長丁場の質問。終ったときは 若干の疲労感もあったが、あっという間に終わってしまった感じ。 11:30AM 議運理事会 11:40AM 議運委員会 0:00PM 本会議 本会議散会後 国対・理事合同会議 3:00PM イギリス大使館コリン・ロバーツ様来訪 ※ 議運記録 11時30分より、参議院議運理事会が開会。 次回の参議院本会議は来週25日(月)の12時より行うことを決定。 案件は、都市再開発と都市再生両法案に対する趣旨説明・質疑。 質疑者を民主党・新緑風会・池口修次議員とすることを決定。 所要時間は55分程度。 ■3月21日(木) 7:50AM 第7回高嶋とおる杯さよなら6年生学童野球大会  ★ 私が顧問を務める「西部学童リーグ」の森田会長を中心に  はじまった小学生生活最後の野球大会。県内外から多くの チビッコたちが参加。激励の挨拶にもつい力が入りました。 ■3月24日(日) 11:00AM 問屋町ビックリ市 1周年記念式典 応援  ★不況の風をぶっとばせ! そんな意気込みではじまった   宇都宮繊維協同組合主催のビックリ市も早くも1周年。   問屋町の皆さんの気合いに感動。私も志願して「売り子」   の役を務めたこともあります。がんばれ問屋町。