国会通信 No.528

 【李鵬氏と会見 弁理士法改正】

2002/4/8 (マンデーレポート528の要旨)


【李鵬さんの話】 ●先週火曜日訪日した全人代常務委員長李鵬さんをはじめとする 訪日団の代表と議長サロンで懇談しました。 ●参議院議長の挨拶を受けて、「私もあなたと同じ中国全人代の 議長ですよ。」と切り出した李鵬さん。原則論一点張りの人という 印象で見ていましたが、ずいぶん柔らかな応対でした。 ●その態度から、昨年11月にWTOに正式に加入した中国の、 緊張と不安を感じ取りました。以下は李鵬さんの話の要約です。 ご参照ください。 ▼▼▼  ▼▼▼  ▼▼▼  ▼▼▼  ▼▼▼ 主な出席者  李鵬委員長 周正慶 副主任委員(財政経済委員長) 徐敦信 副主任委員(元外交委員長) 王毅  外交部副部長 李鵬氏の発言要旨 ■中国は今年もGDP7%のびる予測  昨年11月にWT0に加盟  一段の開国解放  中国経済の一部に衝撃が走るかもしれないが  メリットが大になるよう願っている ■中国脅威論について  かつての日本もそうだったように  成長期にはスピードは速いがやがて 減速する。  また日中間では依然として、国民生活のレべルでの  格差はかなり大きい。  WT0のルールを守りながら、摩擦の解消に努めたい。  ■日中の教育や文化の交流について  中国の教育は、今までの「試験教育」から「素質教育」に  改革しているところだ。  21世紀は情報ハイテクが中心。  技術・科学の発展のため教育はその重要な基盤をなすものとして  力をいれているところだ。 【弁理士法と特許法の改正】 ●参議院先議の上記二法案が、先週の4日(木)に参議院経済産業委員会で  可決、さらに翌5日(金)の参議院本会議で可決され衆議院に送付されました。 ●主な改正点は以下の通りです。 (特許法等の一部を改正する法律案) 1 プログラム等が 特許法上の「物」に含まれること。 2 侵害範囲の拡大   侵害に用いられることを知りつつ部品を供給することも   特許権の侵害になる。 3 公知の発明   出願する発明の特許申請に必要な詳細な説明に「公知」の発明を記載   できるようにし、申請の手続きを簡便にする。    ※プログラム=電子計算桟に対す子指令であって一の結果を得ることができるよう組   みあわされたもの (弁理士法改正案) 1 国の行う侵害訴訟代理業務試験に合格した弁理士は、弁護士と共同で受任している   特許権の侵害訴訟事件に限り訴訟代理人になることができる。 2 法廷には弁護士とともに出頭するのを原則とするが、裁判所が相当と認めるときは   単独で出廷できる。 ●私はかねて、21世紀の日本の経済戦略の軸は「知的財産」戦略であると主張してきた。  二法案の今回の改正は、この戦略の一環でもあり、遅きに失するとはいえ、改正自体は  評価したいと思います。 ●しかし、あまりにも遅すぎますよね。アメリカで、コンピュータープログラムを  はじめて特許を認めたのは1980年代初頭の判例。それ以後アメリカはプロパテント政策の  道を驀進し現在にいたっているのです。もちろん日本でもすでに運用の現場では、  プログラムにも特許を認めてきたのですが、ようやく今回の改正で特許法の特許として  法律の正面から認知したわけ。アメリカとの時差は、20年。日本の改革のスピード  の驚くべきのろさ。呆然とします。 【弁理士法改正につけた付帯決議】 ●上記の弁理士法改正も画期的です。日本では訴訟代理権は弁護士が独占していました。  その一角を破ったのが今回の弁理士法改正です。「弁護士と共同受任・共同出頭」や  「特定の侵害訴訟代理業務」などの限定はついていますが、弁護士以外のものに  訴訟代理権を認めた点は画期的です。 ●しかし、知的財産権の大きな戦略から言えばまだまだ残された課題はたくさんあります。  今後の課題を大雑把に整理し、これからの立法指針にしてもらいたい、そんな気持ちで  私たちが中心になってまとめたのが以下の4項目の「付帯決議」です。 ●弁理士法改正についての「付帯決議」 ■附帯決議 1 わが国産業の国際競争力の強化及び活性化の観点から、知的財産の重要性が高まって   いることに鑑み、広汎かつ多様な分野にまたがる知的財産権にかかわる弁護士、弁理士等   の各種専門サービス業においては、利用者の利便性に配意して、柔軟かっ円滑に対応でき   るような制度を検討すること。 2 弁理士の侵害訴訟代理権付与の条件となる研修・試験については、訴訟実務に即した信   頼性の高い能力担保措置となり得るようにするとともに、地域の弁理士が受講しゃすくす   るための環境整備に努めること。 3 特許権等の侵害訴訟の迅速かっ効率的な処理を図るという本法改正の趣旨に沿って、弁   理士と弁護士が専門的知見を相互に活用し、連携して訴訟に対応できるよう、制度の運用   に十分配慮すること。 4 今後の弁理士制度の在リ方については、多様化、複雑化及び総合化する知的財産権をめ   ぐる内外の動向及び利用者からの要請等を踏まえて、訴訟受任の在り方や訴訟代理業務の   範囲などについて引き続き検討すること。   また、知的財産権紛争が近時急速に国係化している動向を踏まえ、弁理士の訴訟代理権   が国祭的な整合性を確保できるよう、更に検討を深めること。 ●付帯決議の各項目について、補足します。 第1項目 → (知財ワンストップサービスの提言)   知的財産にかかわる各種専門サービス業は、弁護士や弁理士だけではありません。  例えば税理士、公認会計士、司法書士、行政書士、不動産鑑定士等々広汎ないわゆる  サムライ(士)業があります。これらの各種サムライ業が、縦割りではなく、利用者  本位になって、横断的に連携する必要がある。そんな制度を検討すべきだとの意図を  もった付帯決議です。 第4項目前段 → (弁理士業務の拡大)  わが国の、知的財産権における紛争解決能力を早急に高めていく必要があります。  確かに今回の改正は画期的ですが、しかしアメリカのパテント・アトーニーと比べると   総合的に非力。弁護士・弁理士双方とも能力向上のための急速な努力が必要です。 第4項目後段 → (国際的な調和)  弁護士法には守秘義務が明記されています。したがってアメリカの法廷に立っても  依頼者の秘密を守ることは出来ますが、この点弁理士は不明確です。このように  今回の改正では、海外の法廷で充分通用するようにするためにはまだまだ不足  していることがあります。今後引き続き検討を加える必要があります。 ●小泉内閣になって知財戦略がかなり表に出てきました。しかし、政府が新設した  同戦略会議の実態は、総理の私的諮問機関でしかありません。6月に知的財産権  戦略をまとめて発表する予定のようですが、さて発表後どうなるか。同会議は  発表後は解散するようですし、発表された戦略案をだれが責任を持って実施  させるのかもはっきりしていません。今までの小泉改革の大半が、掛け声だけに  終ってしまっています。知財戦略もそうならないよう厳重に監視しましょう。 【先週の活動記録】 ■4月1日(月) 8:00AM マンデーレポート427 9:30AM 全逓栃木県連絡協議会からの陳情を受けました。 17:00PM 国会コーラスリサイタル事務局会議 18:00PM      〃     総会 18:30PM      〃     練習 ■4月2日(火) 10:00AM 経済産業委員会  特許法、弁理士法改正案趣旨説明 12:00PM 常任役員会     ★参議院議長井上氏のサンデー毎日の記事について議論。      マスコミへの釈明のみでは足らないのではないか。      議長は全会一致で選出。したがって各会派の代表等に対し      正式な説明の機会を持つべきではないかと提言。      与党は当面、司直の対応を見守るべきではないかと主張。      委員長は各会派の論議を議長に伝える旨約束しました。 15:00PM 財務省理財局国庫課長 法案レク  議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 15:30PM 議運理事会     ★中国全人代委員長李鵬氏と議長サロンで懇談。(前掲) ■4月3日(水) 9:00AM 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 9:30AM 議運理事会   9:40AM 議運委員会 10:00AM 本会議     ★国立学校設置、自然公園の各法案の採決。 12:00PM 国対・理事合同会議 16:30PM 政治改革推進本部 ディベート勉強会  講師 国際ディベート学会長 松本道弘 氏 18:00PM 両院議長主催 中華人民共和国全国人民代表大会  李鵬常務委員長来日レセプション ■4月4日(木) 8:00AM 全議員政策懇談会  選択性夫婦別姓制度について 10:15AM 経済産業委員会 特許法、弁理士法改正案  質疑。その後採決。(所要 280分) 13:00PM 議運理事会     ★野党が提出見込みの農水大臣問責決議案の取り扱い。      本日の各委員会が終了する午後4時半前後に問責決議案の提出が      予想される。 17:00PM 議運理事会     ★午後4時38分に提出された問責決議案は委員会の質疑を省略して      明日の本会議で採決することに決しました。  18:30PM エネルギー政策フォーラム ■4月5日(金) 8:30AM 民主党憲法調査会役員会 10:00AM 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 10:30AM 議運理事会 10:40AM 議運委員会 11:00AM 本会議     ★人事案件の処理、つづいて武部農林水産大臣問責決議の提案理由説明、      討論、採決(動議提出により記名採決)そして4委員会5法案の      採決を行った。(特許、弁理士法改正案については前傾)      問責決議での提案理由説明は輿石東国会対策委員長、会は代表の      賛成討論は和田洋子国会対策委員長代理が行いました。 ■4月7日(日) 9:45AM 陸上自衛隊宇都宮駐屯地創立52周年      新生宇都宮駐屯地1周年記念行事で挨拶。     ★自衛隊の活動についてもっとも大切なのは「国民の信頼」      に応えること。シビリアンコントロールは単なる      「文民統制」ではなく、国民の代表である国会の「民主的      統制」に従うことであるなどと挨拶しました。   11:30AM 宇都宮ライオンズクラブ花見例会 17:00PM BSU練習 オケあわせ