国会通信 No.530
【参議院議長 辞任】
2002/4/22 (マンデーレポート530の要旨)
●井上参議院議長が辞任することとなった。
三権の長であり、院の代表者が辞任。しかも公共事業に
からむ秘書の口利き疑惑である。
●議院運営委員会の野党側筆頭理事としてこのことには
最大の神経をつかってきた。
●その事実経緯については以下の週間記録を参照していただきたい。
●若干の補足をすると
議長の金銭疑惑についてはきわめて前例が少ない。
戦前に1件(星衆院議長)戦後に1件(山口衆院議長)である。
議長は、そもそも院の代表者であり、院のすべての議事のベースに
議長の議事主宰権がある。だから一点の曇りがあってもならない。
●議長の疑惑と、議員の疑惑はこの点で本質的に異なる。
普通の議員の疑惑であるなら、委員会での通常の疑惑追求の手順が
踏める。しかし、議長は違う。疑惑が顕在化した瞬間、すべての
議事進行の基盤が失われることになるのだ。この点が本質的に
異なる。だから議運としては最大の神経をつかわざるを得ない。
●一部マスコミ、あるいは民主党の内部ですら、参議院は「及び腰」
「仲良しクラブ」などと参議院の対応を批判する向きもあった。
しかし、これらの考え方は、議長の疑惑と議員の疑惑を同一視
している点でわれわれの対応を見誤っていると考える。
●疑惑が顕在化した瞬間、本会議にしろ委員会にしろ、すべての審議の
基礎が消滅する。まさに院自体の存立が問われる。したがって、速やかな
異常時解消のための急速な対応が要求される。
●戦後 山口衆議院議長のときは、イカサマ手形を乱発した男の媒酌人に
なったということだけで、衆議院はすべての審議が止まった。そして
議長は辞任したのである。
●それと比較すると今回の井上参議院議長の問題は金銭疑惑の程度は
よほど濃密である。
●したがって表に出た瞬間、それは参議院のすべての審議と機能自体を
停止させる問題にたちまち発展するのである。
●与党にはこのような認識があったであろうか。また一部のマスコミも
通常の疑惑追求のレベルで見ていたのではないか。
●すくなくとも私自身は、表に出た瞬間、議長は自ら引責辞任するのが
当然の事例だと考えていた。しかし、議長の対応は、私の想像とは異
なっていた。残念である。
【有事法制閣議決定】
●16日(火) いわゆる有事法制3法案が閣議決定され衆議院に
提出されました。
しかし 今回の政府提出の法案は
1 冷戦時のソ連仮想敵視政策を背景にして準備されていたものを
ベースにしている。完全に時代錯誤の法案だ。
2 もっとも大切な国民の権利保護規定については
今後に作成する法案に先送り。自衛隊の有事活動の法制作りを
最優先にしている。これは本末転倒である。
3 小泉政権の求心力回復という政治的な思惑が、準備不充分の
ままで法案の提出を急がせた。不純な動機は問題である。
民主党の最終的な対応はまだ決まっておりませんが
私個人としては賛成しかねるというのが本音です。
【先週の活動記録】
■4月15日(月)
8:30AM 県連・リーダー養成塾 大学生への呼びかけ行動。(白鴎大学)。
10:30PM 民主党国対控え室で議長関係の情報収集。
★先週金曜日の議運理事会で議運の委員長に以下のような
申し入れをしました。
「議長に対して野党代表者が申し入れた疑惑についての釈明会見の要請、
これに対する議長からの回答がまだない。今週がギリギリのタイム
リミットだと思う。来週になっても会見のセットがない場合は
『いままで淡々と進んできた道が突然途絶える』こともありうる。
重大な関心をもって議長の対応を注視しています。」
山崎正昭議運委院長は「これは議長の対応如何では本会議の審議拒否も
ありうるとの示唆とうけとめました。確かに議長に伝えます。」
こんなやり取りを先週金曜日にしたところです。これは一種の最後通牒的
申し入れでもありました。そんなわけで議長の対応によっては議運の理事
すら欠席しなければならない場合もあり、そんな緊張感の漂う中、
国対控え室に待機をつづけました。
サンデー毎日の記事が出て以来、議運では議長の権威も尊重しつつ、
まずは議長の自発的な対応を見守るという基本姿勢をとりながら、
議長の信頼性に一点の曇りが見えたら、瞬間的に議会のすべての機能を
停止させ、議会の権威を守るという、薄氷を踏む思いの緊張感で対処
してきました。疑惑の報道があってから2週間。もうそろそろ限界です。
6:00PM 国会コーラスリサイタル練習
■4月16日(火)
10:00AM 経済産業委員会
★特定機器に関する、日本とシンガポールの2国間貿易についての
新たな取り決めに関する法律。
11:00AM 経済産業部門・エネルギー政策WT合同会議
0:00PM 常任役員会
0:30PM 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ
1:00PM 議運理事会
★冒頭に議運委員長から、議長と各派代表者との会談が18日正午に
開催されることとなった旨の報告がありました。
先週金曜日の民主側の申し入れに対し議長からの正式な回答があったけです。
もし 回答がなければ本会議を立てることの論議には入らずに退席する決意
でしたが、各派代表者との会見が設定されたので、明日の本会議の設定の
具体的な論議に入りました。
そして
1 次回の参議院本会議は、明日の17日(水)午前10時開会。
2 防衛庁設置法案の趣旨説明、質疑(民主党・新緑風会 山根隆治議員 15分)
3 受刑者移送条約の採決
4 所要は40分程度。
とすることを決めました。
3:00PM 裁判官訴追委員会
3:30PM 日米欧総合安全保障議員協議会第21回総会・勉強会
■4月17日(水)
9:00AM 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ
9:30AM 議運理事会
9:40AM 議運委員会
10:00AM 本会議
10:40AM 連合の井上議長面会に同席
連合の笹森会長が、井上参議院議長に面会。健保法改正に反対する
780万人の署名簿を提出し要請することに議運の理事として同席
しました。井上議長は要請に対し、署名者の数のことを話題にしたのみ。
言葉少ない応対でした。
0:00PM 国対・理事合同会議
■4月18日(木)
9:30AM 経済産業委員会
0:15PM 常任役員会
★正午から各派代表者と井上参議院議長との会見が始まりました。
私は、報告書等の文書が示され、それを持ち帰って検討することに
なるのでは、などと予想していました。だから面会時間はそんなに
長くはないと予想。その後の役員会のセットも15分後としていました。
しかし会見は長引き、会長と直嶋幹事長が戻ったのは45分過ぎ。
なぜ長引いたかといえば、まず議長が「口頭」での報告にこだわった
ことにありました。は議長自身はすでに用意した文書を読みながら、
それを各派代表者にコピーすればよいのに配布せず、角田会長いわく
学生時代いらい久方ぶりに真剣にメモをとったとのこと。
またその内容も、
秘書の口利きで6400万円の金員をもらったとの業者の主張は明瞭に
否定しているものの、以下の点は議長自身も認めてている。
1 井上議長が議長になる前の平成11年の政治資金パーティーで、
2万円のパーティー券500枚分、1000万円の政治献金を受けたこと
は認める。
2 その1000万円は、井上側の要求ではなく、業者のほうから申し入れが
あったものである。(口利きの見返りではないこと。)
3 1000万円の収入は、政治資金の収入として計上し報告しているが、
業者の名前は、パーティ券の売り先をそれぞれ20万円以下に分散したため
政治資金規正法上報告の必要はなく個名は報告していない。
4 業者が倒産した後、1000万円の返還を執拗かつ暴力的に要求されたため、
政策秘書はやむなくこれを自分の預金500万円余をおろし、さらに秘書の
親戚から用立ててもらったお金をあわせて、昨年の9月に全額返還したこと。
5 政策秘書は自分に心配をかけてはならないと判断して、自分には事前に
なんの相談もなかったこと。また業者にも面会したことも話をしたことも
ないこと。
★角田議員会長から見解の結果の報告を受け、常任役員会のメンバーは
それぞれ意見をのべあったが、以下の通り議長の疑惑は見解の結果
さらに深まったとするのが多くの意見であった。
★12億円相当の公共工事の見返りとして6400万円の口利き料が支払われたか
どうか、この点については議長側と業者側に食い違いはある。
★しかし、1000万円の授受と返還には双方に食い違いがないことは明らかになった。
この不況の時代、1000万円のパーティー券の購入を自発的に申し入れてくれる
そんな有難い支持者が存在するのが不思議である。
また自分の預金と親戚の金を合わせ1000万円も用意してくれる献身的かつ
忠実な秘書の存在も信じられない。
さらに、20万円以下のパーティ券購入なら報告の必要がないから記載しなかった
などのことは、いうならば政治資金規正法の潜脱行為ではないか。
まさに議長の権威を著しく損なうものであると判断された。
★私自身も、議運としては、信頼を失った議長のもとでは本会議立ての議論すら
出来ないのではないか、すなわち本会議についての議運の理事会での議論に
参加することは困難であるとの意見を申し上げた。
★この日、午後2時には野党の各派代表者会談が行われ、野党間の意見を調整。
結果として
1 疑惑が明らかになった議長のもとでは本会議、委員会の審議には
一切応じられないこと。
2 井上議員の疑惑を解明するために予算委員会で政策秘書と業者のそれぞれの
証人喚問を求めること。
の2点で意思統一。
午後4時からの与野党幹事長会議で、その旨野党側から申しいれ、
そして午後5時半からの議運理事会開催となった。
2:00PM ニュージーランド大使館クーパー公使来訪
2:30PM 議運委員部と打合せ
5:30PM 議運理事会
★冒頭に坂野参議院議員の死去の報告が行われたが、その後本会議立ての議論に
入る前に、私は発言を求め、12時の議長会見の結果でさらに議長の疑惑は深まった、
このような議長のもとでは本会議開催の論議に入ることは出来ないと発言、
共産党、国会連絡会も同様に発言し、野党側理事はいっせいに退席してきました。
9:00PM 議運理事会
★私を含む、野党側理事欠席のまま、明日10時の本会議開催を決定。
■4月19日(金)
9:30AM 議員総会
★同時刻に開かれた、議運の理事会は当然欠席。普段は中途からしか出られない
議員総会に出席。昨日の議運のやり取りを報告。
12:00PM 緊急常任役員会
★角田会長から、直前に自民党の青木幹事長からの話があった旨報告。
要約すると
1 議長退任の決意を固めた。
2 新議長は第一会派の自民党から選任することを認めていただけないか。
役員からは、予算委員会での証人喚問の確保の手段をどうするか等の
議論あり。結論として対応は三役(会長・幹事長・国対委員長)に一任することに。
2:15PM 議運理事会
★議長退任が明らかになった以上、議運理事会欠席の理由はなくなった。
冒頭議運委院長から午後1時15分に議長から退任する旨の意思表示が副議長
に対してあったことが報告。
ついては新議長選出の日程を組まなければならない。
結果として以下のように決まった。
1 次回の参議院本会議は来週22日の月曜日の午後1時30分より開会
2 議長の辞職に伴う、新議長選出の選挙のための本会議を開会(所要30分程度)
3 いったん休憩の後午後3時30分に再開して、
独占禁止の趣旨説明・質疑(本田良一議員 15分)、
土壌汚染の趣旨説明・質疑(江本孟紀議員 15分)を行った後、
消防、金融機関本人確認、外国為替、水産4法、特定機器適合性評価、
鳥獣法の採決を行う。
所要は1時間50分程度。
3:00PM 議員総会
★議長退任の報告
そのあと新議長選任の方法や、今後の疑惑追及のあり方について議論。
★たしかに議長選任については、再び第一会派の自民党から議長を
出すことには異論が出た。民主党として独自候補を立て、選挙すべき
であるという考えである。
しかし、私はわが党が独自候補を立てることには反対である。
★残念ながら、野党は過半数を取れない。選挙をすればもちろん負ける。
そして、それどころか、現在確保している民主党出身の本岡副議長まで
選挙の対象とされ、正副双方とも与党に独占される危険が出てくる。
正論ではあるが、せっかく議長の独走を防止する歯止めとして確保してきた
副議長のポストまで失うことは避けるべきである。
ベストであることに固執し、セカンドベストも失うことは避けるべきである。
私はそう考える。
★また予算委員会での証人喚問の確約がまだないことについての批判もあった。
しかし、議長辞任と証人喚問のセットは、議事法上 条件に出来ないのである。
なぜなら、証人喚問の最終決裁権は議長が持っている。したがって、まず議長を
辞任に追い込むことこそ先決問題なのである。
■4月20日(土)
1:00PM 故大島彦輝様本葬
3:00PM 県連第2回小山地域ミーティング
5:00PM 小林まもる時局講演会
6:00PM 日・朝友好親善の集い
7:00PM 平成14年度東北柔専OB会栃木支部総会・懇親会
■4月21日(日)
11:00AM 石井万吉後援会花見会